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【遺産相続⑨】遺言書を偽造した者でも相続できるの?
先日、父が亡くなり、父の遺品を整理していたところ、遺言書が見つかりました。その内容は、私の弟に非常に有利なものでした。私は、違和感を感じ、遺言書の筆跡を調べべてみたところ、弟が改ざんしていることがわかりました。このような場合、弟に父の遺産を相続する権利があるのでしょうか?
1 弟さんは、いわゆる「相続欠格者」にあたり、お父様の遺産について相続する権利はありません。
また、仮に、弟さんが改ざんした遺言書のほかに、財産を弟さんに遺贈する旨の別の遺言書が存在していたとしても、弟さんは、受遺者となることもできません。
相続欠格とは、法律の定める一定の事由がある場合に、当然に相続権を剥奪する制度です(民891条)。
相続欠格事由となる相続人の行為としては、次のようなものがあります。
①故意に被相続人又は相続について自分より先順位もしくは同順位にあたる者を死に至らせ、又は、至らせようとしたために刑に処せられた場合
②被相続人が殺害されたことを知っていながら告訴・告発をしなかった場合
③詐欺や強迫の手段を使って、被相続人が相続に関する遺言をすること、又は、遺言の取消し・変更をすることを妨げた場合
④詐欺や強迫の手段を使って、被相続人に相続に関する遺言をさせ、あるいは遺言の取消し・変更をさせた場合
⑤相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、あるいは破棄・隠匿した場合
ご質問のケースでは、弟さんは、上記⑤に該当するため、相続権は剥奪されます。
実務で実際に問題となるのも、⑤が多いです。
2 なお、弟さんに子供がいれば、相続欠格は、代襲原因ですので、代襲相続が認められることになり、弟さんのお子さんが代襲相続人となります(代襲相続については【遺産相続⑦】をご参照ください)。
3 相続人間で、特定の相続人の行為が欠格事由に該当するか否かが争いになった場合は、訴訟手続(相続権又は相続分不存在確認訴訟)において、欠格事由の有無が判断されることになります。
これは、相続人としての資格を争う紛争であり、遺産分割において前提問題として処理されることになります。
また、仮に、弟さんが改ざんした遺言書のほかに、財産を弟さんに遺贈する旨の別の遺言書が存在していたとしても、弟さんは、受遺者となることもできません。
相続欠格とは、法律の定める一定の事由がある場合に、当然に相続権を剥奪する制度です(民891条)。
相続欠格事由となる相続人の行為としては、次のようなものがあります。
①故意に被相続人又は相続について自分より先順位もしくは同順位にあたる者を死に至らせ、又は、至らせようとしたために刑に処せられた場合
②被相続人が殺害されたことを知っていながら告訴・告発をしなかった場合
③詐欺や強迫の手段を使って、被相続人が相続に関する遺言をすること、又は、遺言の取消し・変更をすることを妨げた場合
④詐欺や強迫の手段を使って、被相続人に相続に関する遺言をさせ、あるいは遺言の取消し・変更をさせた場合
⑤相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、あるいは破棄・隠匿した場合
ご質問のケースでは、弟さんは、上記⑤に該当するため、相続権は剥奪されます。
実務で実際に問題となるのも、⑤が多いです。
2 なお、弟さんに子供がいれば、相続欠格は、代襲原因ですので、代襲相続が認められることになり、弟さんのお子さんが代襲相続人となります(代襲相続については【遺産相続⑦】をご参照ください)。
3 相続人間で、特定の相続人の行為が欠格事由に該当するか否かが争いになった場合は、訴訟手続(相続権又は相続分不存在確認訴訟)において、欠格事由の有無が判断されることになります。
これは、相続人としての資格を争う紛争であり、遺産分割において前提問題として処理されることになります。