適切な労務管理は、会社の基礎体力の強化に直結します。
労務管理は、「事前の準備」が最大のポイントです!!

御社は、「うちは労務管理に関しては問題ない!!」と言い切れますか?

私が知る限り、このように言い切れる会社は、残念ながら多くありません。

一言で「労務管理」と言っても、問題となるケースは、多岐にわたります。

従業員から会社を相手に訴訟を起こされる理由は、不当解雇、残業代請求、セクハラ、パワハラ、配転無効、労災など、さまざまです。

 

労務管理は、当事務所が最も得意としている分野の一つです。

 

労務管理に関する問題を解決するためには、就業規則等の社内規程を整備するだけでは不十分といわざるを得ません。就業規則を改定しても、労働問題が起こるときには起こります。

この分野の大きな特徴として、実務の基準が判例により形成されていることが挙げられます。

日々、全国の裁判所で多くの裁判例が出されており、それらの裁判例をフォローしていくことで「訴訟リスク」「敗訴リスク」を実質的に判断する必要があります。

また、この分野のもう一つの特徴として、事前の準備が非常に重要であるということが挙げられます。

例えば、会社が従業員に対し懲戒処分をする場合、仮に懲戒事由が存在する場合でも、手続を誤ると、訴訟になったときに、懲戒処分が無効と判断される可能性があります。

このようなケースで、訴訟になってからご依頼を受けたとしても、弁護士ができることには限りがあります。

大切なことなので、もう一度お伝えします。

労務管理は、常に「訴訟リスク」「敗訴リスク」を考えつつ、事前の準備を効果的に行うことに尽きます。

当事務所の栗田は、弁護士資格とともに、社労士の資格を持っております。

就業規則等の社内規程の整備・運用や懲戒処分等を行う際の事前のリーガルチェック、訴訟になった際の代理までトータルサポートを行います。

適切な労務管理は、会社の基礎体力の強化に直結します。是非、紛争が起こる前に、当事務所にご相談ください。

また、ある日、突然、ユニオンから団体交渉の申入書が届いた、というご経験をされた経営者の方もいらっしゃると思います。

団体交渉に対する対応は、労働組合法が関係してくるため、個別の労使紛争とは異なる配慮が必要になってきます。

ユニオンは、日々、労働法や労働判例に触れ、日常的に団体交渉をしているのです。

労働法に関する知識や理解を欠いたまま、ユニオンとの団体交渉に臨んでも、適切に対応できないことは多言を要しないと思います。

そうです。

ユニオンと会社では、団体交渉の場数が違うのです。

ユニオンから団体交渉の申入書が届いた場合には、必ず労務管理の専門家のアドバイスを受けるようにしてください

弁護士法人栗田勇法律事務所は、団体交渉に関する適切な対応方法に関する助言もしております

月1総務部強化プログラム

御社が特に研修をしておきたい分野を研修テーマから6つをお選びいただき、月1回のペースで半年間にわたり、総務部強化を図るのが「月1総務部強化プログラム」の目的です。
みなさん、強い総務部、作ってみませんか?

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「団体交渉を甘く見てはいけない!!」

経営者のみなさん、こんにちは!弁護士の栗田です。

みなさんは、これまでにユニオン(労働組合)との団体交渉を経験されたことはありますか?

ある日、突然、ユニオンから団体交渉を求める書面が届いたら、適切に対応できる自信はありますか? 私の経験から申し上げれば、日頃から団体交渉を行っているユニオン執行部の方々と会社の経営陣とでは、労働法に関する知識、団体交渉の場数ともに全く比較になりません。

団体交渉は、文字通り、労働条件等に関する労使間の交渉の場ですから、前提として、労働基準法、労働契約法、労働者派遣法をはじめとする労働法全般の知識のほかに重要判例についての理解が必要であることは言うまでもありません。

また、スポーツでもなんでもそうですが、そのルールを事前にしっかり理解しておくことがとても大切です。つまり、団体交渉をする上で、使用者がやるべきこと、やってはいけないことを事前にしっかり把握しておくことが不可欠です(これができていないケースがとても多いです!)。

しかしながら、経営者が日常業務の傍ら、これらのことを自学自習することはほとんど不可能であるといえます。

そのため、何の準備もせず団体交渉に臨み、団体交渉の場でどうしたらいいのかわからず、結果として十分な交渉を行えずに終わってしまうのです。 当然と言えば当然ですよね。

ルールもわからず、何の準備もしないで行くわけですから。

交渉イメージ

でも、顧問先会社の経営者の皆様に関してはそんな心配は無用です。

ユニオンから団体交渉を求められた際は、事前に団体交渉のルールや団体交渉における対処法等について栗田弁護士が直接レクチャーをするとともに、栗田弁護士が団体交渉に立ち会います。

まずは団体交渉のルールを正確に理解することが大切です

ここでは、団体交渉における基本的な留意点をお伝えいたします。過去に団体交渉における対応をめぐり争われた事例から留意点を読み取ることができます。是非、参考にしてください!
(注:あくまで基本的な留意点ですので、これだけで十分というものではありません。より詳細かつ具体的な留意点については直接、栗田が個別レクチャーをいたします。)。

① 組合員に対する不利益な取扱い(解雇、賃金の減額、降格等)等の理由を求められた場合には具体的な根拠を示しつつ、十分な時間をかけて説明をする。

【BAD!】

北びわこ農協事件(滋賀県労委平成29年8月7日・労判1165号93頁)

「本件役職定年制度の内容は、基本給を2割カットし、管理職手当の支給もしないというものである。この制度の適用を回避するために、対象者が選択定年制度による早期退職を選択した場合においても、退職金の加算があるとはいえ、その後の嘱託職員としての再雇用においては、基本給は従前の半額になる。このように、本件役職定年制度は、職員にとって著しい不利益を生じさせるものといわなければならない。

このような著しい不利益を生じさせる人事制度の改変を行うのであれば、まず、制度改変の必要性について、具体的な根拠を示し、十分な時間をかけて、組合に対して説明を行うべきである。しかしながら、この点についてのY社の説明は、全く不十分なものであった。

以上の経過をみると、大幅な給与カットの導入が必要となる根拠について、組合が再三にわたって説明を求めたにもかかわらず、Y社は、具体的な財務状況の見通しすら示すことなく、単に経営状況が苦しい、若手の育成が必要だということを繰り返し述べるだけで、それ以上の説明をしていない。・・・このような状況では、Y社が本件役職定年制度導入の根拠について、基本的な説明すらしていないといわざるを得ず、Y社の交渉態度は不誠実であるというほかない。

したがって、本件団体交渉におけるY社の態度は不誠実であり、労働組合法7条2号の不当労働行為に該当する。」

廣川書店事件(東京都労委平成27年10月6日・労判1128号94頁)

「そもそも、Y社が、賃上げについては11年以降25年まで15年連続でゼロ回答に、一時金については16年夏季から25年冬季まで10年連続で「30万円±20万円」という回答に終始していること自体、会社回答の合理性を疑わせるものであって、会社としては、自らの回答を根拠付ける資料を開示した上で、賃上げできない理由や一時金の金額の根拠を誠実に説明し、組合との交渉に真摯に臨む必要があった。

しかし、・・・会社は、団体交渉において、一環して自らの結論を述べるのみであり、組合が、会社回答の根拠を求めても、これまでの実績と同額・・・、考えを変えるつもりはない、何も言うことはないなどと応答するのみで、組合に対し何ら回答の根拠を示さず、交渉によって妥協点を見いだそうとする態度を示すことはなかった。・・・したがって、・・・会社の対応は、不誠実な団体交渉に該当する。」

学校法人札幌大学事件(北海道労委平成26年10月10日・労判1106号93頁)

「Y社は、上記規程改正につき、財政状況の健全化のため人件費の削減が必要であることを説明するだけではなく上記規程改正が財政状況の健全化にどの程度寄与し、今後どの様に財政状況を健全化していくのか、財政状況の見通しや中長期的な経営方針などを明らかにするなどして、上記規程改正によって労働者の被る不利益の程度が必要以上に過大なものではなく、また、特定の労働者だけが不利益を被るものではないなど、経過措置や代替措置などの他の施策も含めて上記規程改正が財政状況を健全化する施策として適正なものであることを説明しなければならない。

…Y社は、上記規程改正によって労働者の被る不利益、特に勤務延長任用教員に対する年俸額の削減につき、これまで申入れをしていた段階的な削減から一律に年俸額480万円に削減すること、さらには校務の負担及び休職の廃止などの不利益につき、労組の要求や主張に対し、単に財政難である旨を繰り返すのではなく、段階的な削減から一律に削減することにした理由や必要性の論拠、さらには激変緩和措置の有無などに関する情報を提供したり、校務の理解に対する溝を埋めるような提案や説得をしておらず、十分な説明をしたとはいえない。

小城新生興業社事件(佐賀県労委平成26年10月20日・労判1101号171頁)

「Y社は回答について具体的根拠を示した説明をしておらず、Y社が提示した資料からは会社の経費に占める人件費の割合やその内容が全く読み取れないのであるから、このような状況の中で、組合が自己の要求額や会社回答の妥当性を判断するために会社の財務資料の提示を求めたことには、一定の理由があるというべきであるしたがって、Y社は、組合との交渉に必要な範囲内において、賃上げ額の説明に必要な具体的数値、例えば売上高や人件費を示すべきであったといえる。」

東洋エージェント事件(中労委平成24年9月5日・労判1057号173頁)

「Y社が、賃金引上げができない根拠として、経費や収支の問題があることを示唆したことは認められるものの、経費や収支に関して、組合に対して一切説明していない。

団交において使用者は、自らの主張の根拠を具体的に説明し、開示し得る客観的な資料を提示するなど、組合の理解を得るべく誠実に団交に応じる必要があるというべきであるところ、Y社が主張するような組合が求める資料開示による企業秘密の漏えいの懸念が、客観的にみて根拠を伴ったものであると認めるに足る証拠はない。仮に当該懸念があり、確認事務の性質から経費の内訳が開示できないというのであれば、そのことについて組合の理解を得るべく、具体的に説明を行うべきであるのにもかかわらず、Y社は、経費にかかわるすべての情報が確認事務に関する守秘義務の範囲に入ることの根拠を十分に説明していない。

以上のことからすると、基本日給の引上げを議論するに当たり、Y社は、賃金体系について十分説明していない上に、正当な理由なく就業規則の提示を拒否しているのであるから、このようなY社の対応は不誠実団交に当たる。」


【GOOD!】

JXTGエネルギー事件(中労委平成29年7月5日・労判1163号88頁)

「Y社は、自動車通勤手当制度導入の趣旨や提案の内容等について、組合の理解を得るよう繰り返し説明を行い、約2年間にわたり相応の配慮をしながら団体交渉に臨んだものの、組合とY社との考え方の対立点について折り合いがつかなったことから、やむなく組合の合意なく組合の組合員に対しても自動車通勤手当制度を実施したものであって、交渉の過程において、殊更組合との合意の成立を阻害するような対応をしたとの事情も認められず、むしろ誠実に団体交渉に臨んでいたといえる。」

日本ロール製造事件(中労委平成28年1月6日・労判1134号94頁)

「本件団交において、Y社は、パイプ事業部は続ける、雇用は守ると回答するだけでなく、事業契約についての説明会を行うとともに、事業計画についての書面も組合に提出し説明する等、OEM先との交渉中であることを踏まえ、本件団交当時にできる範囲の具体的な説明をしており、加えて、パイプ事業部の経営状況も可能な限り説明していたのであるから、こうしたY社の対応は、不誠実なものとはいえない。

Y社はOEM先と交渉中であり、それが確定しないとパイプ事業部の具体的な事業計画を立てられる状況になく、組合員の労働条件や処遇への影響も不確定で十分に説明できるような状況にはなかったと認められる。このような状況の下で、パイプ事業部の存続と赤字脱却のための将来展望について、会社が本件団交でした以上の説明を求められるとすることはできないから、会社の対応が不誠実とはいえず、組合の主張は採用できない。」

京都府(府立B高校)事件(京都府労委平成26年11月18日・労判1106号92頁)

「本件団交を通じ、府は、労組の要求に対し譲歩しなかったものの、それは事実調査に基づく判断であって、団交においてその根拠を具体的に説明しており、労組の質問等にも論拠を示して反論したものと認められ、使用者の誠実交渉義務に反する点はないと判断される。

② あっせん申請、労働審判申立て、訴訟提起を理由に団体交渉を拒否しない。

【BAD!】

正栄工業事件(岡山県労委平成29年3月23日・労判1159号88頁)

あっせんと団体交渉とは別個の行為であり、会社が労働委員会のあっせんを理由に団体交渉に応じないことは、基本的には正当な理由があるとは認め難い。」

③ 団体交渉の開催場所、出席人数等に固執して団体交渉を拒否しない。

【BAD!】

齋木運送事件(三重県労委平成28年6月27日・労判1145号157頁)

「Y社は、平成27年4月7日、A本部らに軟禁され、同年5月13日には、組合員B及びCに突然自宅に押しかけられたことから、Y社事務所で団体交渉を実施すれば、A本部らの要求を承諾しない限り、Y社事務所に軟禁され続ける虞があったといえると主張する。

しかし、A本部らがY社を軟禁した事実は認められず、Y社が一方的に就業場所以外の場所を指定した合理的理由は認められない。

これらのことから、Y社は、なんら理由を明確にすることなく、外部での団体交渉の開催に固執し、A本部らの団体交渉の申入れに応じなかったものといえ、労組法第7条第2号に規定する「正当な理由」は認められない。」

学校法人暁星学園事件(中労委平成28年6月15日・労判1143号86頁)

「従前の団交の態様や団交の開催場所の状況からして、組合側出席者の人数が団交の秩序に支障を及ぼしていたとまではいえず、24年11月27日団交に向けて議論する事項がある程度整理される状況にあったことにも鑑みると、組合側出席者が7名を超える8名で申入れにかかる議題に入ったとしても、客観的にみて、同団交の冒頭において、学園が人数制約の目的として主張する「効果的に、秩序をもって団交を行う」ことが期待できない状況にあったとはいえない。

組合側出席者が8名であった24年11月27日団交の冒頭、学園が、組合側の出席者が7名以内でないと申入れにかかる議題には入れないと述べ、人数の制約を団交の議題に入る条件とする態度をとったことは、本件の事情に照らし、客観的にみて、「効果的に、秩序をもって団交を行う」ために上記のような条件を課す十分な理由があるとはいえず、合理的なものとは認められない。

国立大学法人東京学芸大学事件(東京都労委平成28年7月19日・労判1141号91頁)

「Y社は日本語を話せない組合らが通訳者を手配すべきであると主張し、組合らはLLRで話すことのできないY社が通訳者を手配すべきであると主張するが、団体交渉で使用する言語を一義的に決めることができない本件にあっては、団体交渉で使用する言語を話すことのできない側が通訳者の手配に要する全ての負担を負うべきものということもできない。

・・・以上の点に加えて、団体交渉のルールは労使の合意で決定するのが原則であることをも勘案すると、本件労使間においては、円滑な団体交渉を行うため、団体交渉における使用言語及び通訳者の手配に関するルールについて、労使双方に合意形成のための相応の努力を行うことが求められていたというべきである。

したがって、組合らが上記合意の形成に向けた相応の努力を行っているにもかかわらず、Y社がそのような努力を行わず、団体交渉が円滑に行われる状況に至らなかった場合には、原則として、Y社は、正当な理由のない団体交渉拒否を行ったものと評価すべきである。」

NHK(全受堺支部)事件(中労委平成27年11月4日・労判1126号86頁)

「本件出席ルールについてY社とX組合との間で合意があったと認めることはできず、本件出席ルールがY社とX組合との間で拘束力を有していたものとはいえず、事前了解や本件出席ルールを根拠にY社の団交拒否に正当な理由があったと認めることはできない

・・・労働組合の交渉担当者の選任は労働組合の自主的判断に委ねられるものであるところ、X組合側の出席者はA特別執行委員一人ではなく、従前から交渉していたX組合の者もいるのであり、基本的にY社側で前提事項の説明等を繰り返す必要が生ずるなどして交渉に顕著な混乱が生じるおそれがあるとはいえず、A特別執行委員自身に交渉を行う上で不適切とされるような問題があるとの証拠もない。仮にY社が交渉に混乱が生じるおそれがあると懸念するとしても、それは交渉の具体的方法の問題として、X組合との間の事務折衝等において具体的に懸念を表明し、混乱するような事態が生じないように進行を打ち合わせたり、X組合が事前にA特別執行委員との間で入念な準備等をしたりするなど自主的な取組によって解決することが可能な事柄であり、このような手順を踏むことなく、一律に出席を拒否する正当な理由とはならない。」

④ ユニオンとは直接対面で団体交渉に応じる。

【BAD!】

社会福祉法人札幌明啓院事件(中労委平成28年8月3日・労判1146号93頁)

「自身の立場を文書のみで回答するというY社の対応は、就業規則改正や職務専念義務の免除廃止といった義務的交渉事項について、対面での直接交渉の機会を設けることなくY社側の結論を組合に押しつけるものといえ、団体交渉の相対当事者である組合を軽視し、団体交渉という労働組合の基本的活動を抑制するものであるとともに、組合員に対し、組合には交渉力がないのではないかという疑念を生じさせかねない行為と評価し得る

また、現に、上記団体交渉申入れの議題に関する労使合意が成立したのは、同申入れの約4か月後である翌6年2月26日であり、本件回答書交付行為により、労使合意の成立が遅れた可能性が十分認められる。そして、組合が、労使協議を求める25年2月15日付け要求書等を皮切りに、上記問題に関する書面によるやりとりでは合意に至らなかったため、団体交渉による直接協議を求めたという経緯を経て、本件回答書交付行為がされていることに鑑みれば、Y社は同行為が組合ないし組合員に及ぼしかねない影響や効果を認識・認容していたというべきである。」

以上によれば、本件回答書交付行為は、労組法第7条第3号の支配介入に当たるというべきである。」

⑤ 団体交渉には使用者側の意見を代表して述べられる者が出席する。(必ずしも社長が出席する義務まではない。)

【GOOD!】

学校法人鶴岡学園事件(北海道労委平成27年4月24日・労判1115号89頁)

「平成25年4月11日、同年5月23日に行われた団体交渉には、法人側からはG事務局長、H事務局次長外3名が交渉担当者として出席しているが、G事務局長、H事務局次長は、いずれも法人の理事であり、それぞれ25年度の大学の人事に関する事務の担当者として、団体交渉事項に関する経過に関わっており、また、事務局長の地位は、法人の就業規則上、大学学長、高等学校長らと並んで「所属長」と位置付けられていることからすると、G事務局長及びその補佐をする立場のH事務局次長は、法人の見解を説明することができ、かつ、団体交渉に関する権限を法人から委ねられていたということができる

したがって、組合が指定したB理事長、E学部長、F学科長を団体交渉に参加させず、G事務局長、H事務局次長らを交渉担当者としたことをもって団体交渉拒否あるいは不誠実な団体交渉とはいえない。」


労働組合及び組合員に対する対応についての留意点

上記のとおり、団体交渉についてはさまざまな留意点があります。

これに加えて、みなさんの会社に組合員である従業員が1人でもいる場合には、当該従業員に対する対応を誤ると不当労働行為と判断される可能性がありますのでこちらも注意が必要です。

これまでに多くの会社で労働組合及び組合員に対する対応が不適切であったがために、不当労働行為と判断されています。

そこで、過去に不当労働行為該当性について争われた事例を通じて、いかなる点に注意をすればよいのかを弁護士の栗田が動画で解説しました。

いずれの動画も3分以内でポイントを解説していますので、いつでもどこでもサクっと学んで日常業務に活かしてください!

なお、弁護士法人栗田勇法律事務所チャンネルですべての動画をご視聴いただけます。

知らなかったでは済まされない!不法就労助長罪に該当しないための外国人労働者の正しい労務管理

言うまでもなく不法就労は法律で禁止されており、不法就労した外国人だけでなく、不法就労させた事業主も処罰の対象(不法就労助長罪となります。

不法就労となるのは、次の3つの場合です。

1 不法滞在者や被退去強制者が働くケース
(例)密入国した人や在留期限の切れた人が働く。退去強制されることが既に決まっている人が働く。
2 出入国在留管理庁から働く許可を受けていないのに働くケース
(例)観光等の短期滞在目的で入国した人が働く。留学生や難民認定申請中の人が許可を受けずに働く。
3 出入国在留管理庁から認められた範囲を超えて働くケース
(例)外国料理のコックや語学学校の先生として働くことを認められた人が工場で作業員として働く。留学生が許可された時間数を超えて働く。

不法就労助長罪は、①事業活動に関し、外国人を雇用するなどして不法就労活動をさせる行為、②外国人に不法就労活動をさせるために、自己の支配下に置く行為、③業として、外国人に不法就労活動をさせる行為、又は②の行為に関しあっ旋する行為を処罰の対象とし、これらに該当した者については3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれらを併科されます。そして、両罰規定もあるため、代表者及び法人の双方が処罰される可能性があります。

また、これに加えて、一部の許認可においては、不法就労助長罪に処せられた場合、罰金刑にとどまっても許認可の欠格事由・取消事由に該当する場合がある(代表例は、労働者派遣事業及び有料職業紹介事業の許可)上、技能実習生や特定技能外国人の受入れにも深刻な影響(欠格事由や取消事由に該当する結果、雇用継続不可、一定期間新規受入れ不可)を生じさせます。
*労働者派遣における派遣先や請負契約等、直接の雇用関係がない場合であっても、不法就労助長罪が成立する可能性がありますので注意が必要です。

この不法就労助長罪の怖いところは、たとえ会社側に故意がなかったとしても、在留資格の確認を怠るなどの不注意や入管法等の法の不知があった場合についても成立するという点です。まさに「知らなかった」では済まされないわけです(ただし、過失がない場合には不法就労助長罪は成立しません。)。
*例えば、外国人を雇用しようとする際に当該外国人が不法就労者であることを知らなかったとしても、在留カードを確認していない等の場合には過失があると認定されるため、処罰を免れません。

雇用開始時・業務依頼時の注意点

1 雇用関係が存在する場合、労働施策総合推進法及び同施行規則に基づき、事業主には在留カードにより在留資格等を確認することが義務付けられています。

この際、事業主は、在留カードのコピーやが画像データ等ではなく、必ず原本を確認する必要があります。もっとも、近年、原本を目視で確認するだけでは偽造を見破るには十分とはいえない状況になってきています。

そのため、現在、出入国在留管理庁から在留カードのICチップ情報を読み取ることができる「在留カード等読取アプリケーション」が提供されており、外国人の同意を得て当該アプリケーションを活用することにより、在留カードが真正なものであるかを容易に確認できるようになっています。

さらに、出入国在留管理庁では失効情報照会として、当該在留カードが有効か否かについて照会することができる「在留カード等番号失効情報照会」サイトを公表していますので、こちらもご活用ください。

2 留学生を新卒採用し、「技術・人文知識・国際業務」に在留資格を変更して就労させる場合であれば、その在留資格変更許可申請の手続きにおいて、当該外国人に担当させようとする業務の内容を詳しく説明することになりますので、当該業務が変更を求めている在留資格に対応する活動の範囲内として許容されるか否かについて、地方出入国在留管理局長の判断がなされることになります。

しかし、転職の場合、原則としてこのようなプロセスを経ないため、転職後において在留資格で認められる業務の範囲を逸脱してしまい、資格外活動ないし不法就労・不法就労助長が行われることとなり、その結果、当該外国人の在留期間更新が許可されなかったり、不法就労助長の調査がなされるリスクがあります。

このように、転職後の業務が在留資格の関係で可能か否かが判然としない場合には、就労資格証明書の交付申請が有効です。

就労資格証明書の交付申請は、外国人自身が行う手続きですが、事業主が就労可能か否かを判断する上で非常に有益な書類といえます(これに加えて、転職後の在留期間更新許可申請がスムーズに行われるというメリットもあります。)。

雇用期間中の注意点

雇用期間中は、在留期間の更新時において、更新後の在留カードを確認することが考えられます。

在留期間の管理を当該外国人労働者任せにしてしまうと、更新期限を失念してしまう可能性があるため、事業主も在留期間を把握し、在留期間の更新が近くなってきたらその旨を知らせる等の対応をすることが望ましいといえます。

配置転換・出向時の注意点

外国人労働者を配置転換や出向を行う際には、配置転換後・出向先の事業場で行う業務が在留資格該当性のある業務であるかを確認する必要があります。

仮に在留資格該当性がない業務を行わせてしまった場合には、不法就労に該当してしまうため、注意が必要です。

アルバイトを雇用する際の注意点

アルバイトで外国人を雇用する場合、多くは留学」又は「家族滞在の在留資格を有する者で、資格外活動の許可を有する者が対象となります。

資格外活動の許可については「包括許可」と「個別許可」がありますが、「留学」や「家族滞在」の在留資格を有する者は「包括許可」として原則1週28時間の範囲内で資格外活動を行うことができます(「留学」の在留資格を有する者は所属する学校が学則で定めた長期休暇期間中は1日8時間の資格外活動が可能です。)。

この1週28時間については、週のどの曜日から起算しても1週28時間以内に収まることが必要であるため、シフトの組み方に注意が必要です(個人事業主として活動する場合や客観的に稼働時間を確認することが困難である活動に従事する場合には、包括許可は行わないとされており、個別許可として相当性が認められるかという問題となります。)。

なお、「留学」の在留資格に基づき在留する留学生が資格外活動の許可を得ている場合、当該資格外活動の許可は学校に在籍している間にのみ許可されたものであるため、定期的に在籍確認を行うようにしましょう。

就労時間の制限については、雇用主単位で考えるものではなく、当該外国人労働者単位で考えるものであるため、ダブルワークの確認をする必要があります。

「留学」や「家族滞在」の在留資格で、①資格外活動許可を得ていない場合、②就労は許可されているが、許可されている就労内容を超えた就労をする場合、③許可されている就労時間を超過して就労する場合等は、いずれも不法就労となりますので注意しましょう。

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社会保険労務士の先生方、こんにちは! 弁護士の栗田です。

弁護士法人栗田勇法律事務所の特徴の1つとして、「社会保険労務士事務所との顧問契約」があります。

現在、静岡県内を中心に、約10事務所の社会保険労務士の先生方と顧問契約を締結しております。

多くの社会保険労務士の先生から、

顧問契約を結ぶと、どんなメリットがあるの?

顧問料、いくらなの? どうせ高いんでしょ・・・

といったご質問をいただきますので、以下、ご説明いたします。

1 顧問料は、一律月額2万2000円(税込)です。

先生方のクライアントの数や事務所が個人か法人かなどにかかわらず、一律月額2万2000円(税込)とさせていただいております。

2 顧問契約の内容は以下のとおりです。

①先生方がクライアントからご相談を受けた際、セカンドオピニオンをお伝えします。

クライアントから非常に難しい内容のご相談を受けた際、本当に自分の回答が正しいのか自信が持てないときってありませんか?

きっと多くの先生方がご経験されていることだと思います。

私たち弁護士でもありますから。

そんなときに「私はこうだと思うのですが、栗田さんはどう思いますか?」と、クライアントに回答する前に、念のため回答内容の当否を確認しておくことができれば、自信を持って回答できませんか?

②栗田が先生方と同席の上でクライアントのご相談に対応します。

先生方が希望される場合には、上記のセカンドオピニオン制度に限らず、先生方と一緒にクライアントのご相談に対応します。

先生方が社会保険労務士としての視点でご回答いただき、私は、弁護士としての視点で、訴訟リスクや敗訴リスクなどを踏まえた回答をするということです。

ここまでのサービスを提供できる社会保険労務士事務所って、先生方の周りにありますか?

労務トラブル以外のご相談にも対応します。

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そんなときには、先生方に代わり、栗田が対応いたしますので、どうぞ遠慮なく仰って下さい。

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