適切な契約書の作成は企業法務の基本です!! 現在お使いの契約書、本当に大丈夫ですか?
「これまで大きなトラブルがなかったから問題ない」は、本当に正しいですか?
みなさんの会社の契約書は、どなたが作成しましたか?
「本当にこの契約書で、大丈夫?」と思っていませんか?
もしくは、「これまで特に大きなトラブルもなかったから、たぶん大丈夫だと思うけど・・・」と思っていらっしゃるのかもしれませんね。
これまで大きなトラブルがなかったから問題がない、という考え方は、多くの人がするものです。
これまで大きな病気にかかっていないから健康だ、と考えてしまうのと同じですかね。
でも、みなさんの周りにも、これまでとても元気だったのに、ある日突然、大きな病気にかかってしまったという方、いませんか?
病気にならなかったのは、身体が丈夫であるという理由ではなく、本当は、単に病気の症状がこれまで表面化してこなかっただけ、というようにも考えられますよね。
これって、会社も同じだと思いませんか?
大きな代償(授業料)を払う前に、事前に予防をする、という発想を持っている経営者の方は、契約書や規程を決して軽視しません。
御社が突然、病に倒れないように、弁護士法人栗田勇法律事務所が日頃から健康診断を行います。
是非、一度、ご連絡ください。 きっとお力になれると思います。
裁判になったときに負けない契約書、つくってありますか?
契約書が必要な理由は、端的に言えば、「法的リスクの回避」という点にあります。
契約を締結するにあたっては、後から「言った、言わない」ということで争わないようにする必要があります。
また、契約書に記載された内容が、裁判になった場合に、有利にも不利にも働きます。
ですから、契約書を作成するにあたっては、トラブルとなり得る状況を事前に洗い出し、会社にとって、不測の事態に陥らないようにしなければいけません。
でも、実際は、契約書の内容を読むと、「いまいち意味がよくわからない」、「法律用語の使い方がおかしい」といった契約書によく出くわします。
これでは、法的リスクを回避するために作成したはずの契約書の内容が原因で、かえってトラブルが起こってしまいます。
このように、単に「契約書の作成」と言っても、実は、大変奥が深く、弁護士が関与する必要性が極めて高いんです!!
通常、契約書等の作成・チェックは、顧問弁護士が行うことが多いと思います。
顧問弁護士であれば、会社の状況等を把握しており、業務依頼がスムーズに行く点や弁護士費用の減額ができるといった点で、大変メリットが高いです。
そのため、契約書の作成・変更・チェックをお考えの会社様は、弁護士と顧問契約を締結することをおすすめします!
なお、弁護士法人栗田勇法律事務所では、顧問契約を締結させていただいた会社様に限り、契約書のチェックを無料で行っております。
現在も、多くの顧問先会社様が、毎日のように、契約書をメールやFAXでお送りいただき、リーガルチェックの依頼をされております。
1回1回、費用がかかるようですと、依頼しづらいですよね。
この点も、他の法律事務所の顧問契約と是非比較していただきたい点です。
弁護士法人栗田勇法律事務所は、顧問契約の内容に絶対の自信を持っています。
「一度、話をちゃんと聞いてみたい!」という経営者のみなさん、ご連絡ください。
栗田自らちゃんと説明させていただきます。
電子契約の導入方法及び法的留意点を適切にフォローする!
すでに電子契約を導入されている企業もあると思いますが、リモートワークの拡大、それに伴う電子契約ニーズのさらなる高まりにより、今後、ますます電子契約の割合が増えてくることが予想されます。
電子契約の場合、契約書の郵送や返送といった手間を要することなく、電子署名によって両当事者の署名が完結するため、平均して数日間で契約の締結が可能となり、契約締結を効率化することができます。
また、従来のように契約書を印刷・製本して郵送する必要がなくなることにより、郵送費、コピー代、人件費を削減することができ、コスト削減にもつながります。加えて、電子契約は、印紙税の対象外とされているため、印紙税にかかるコストも削減することができます。
さらに、電子契約は、締結した契約書のPDFをクラウド上で管理・保管できるため、紙媒体の契約書を保管するためのオフィススペースが不要となります。
このように、紙媒体としての契約書と比べて非常に便利である反面、電子契約特有の法的留意点がいくつか存在することを理解しておく必要があります。
今後、当分の間、契約内容や契約相手方との関係で、紙媒体の契約と電子契約が混在する状態が続きますので、新たに電子契約を導入する場合には、電子契約による業務フローを策定し、電子契約締結過程での混乱を回避することも必要となります。
業務フロー策定上の主たる留意点としては、以下の点が挙げられます。
①電子契約に置き換える契約書の範囲
②電子契約を利用する者の電子契約システムの権限設定
③紙媒体の契約と電子契約のそれぞれの契約管理方法
④契約相手方から紙媒体での契約締結を求められた場合の対応方法
⑤稟議申請方法
⑥電子契約システムに入力する契約情報のルール
⑦契約締結署名者
⑧契約相手方の署名者
以上の留意点を理解した上で、社内規程・ガイドラインの整備を行うとともに、全社的に電子契約実務を周知するための研修を行うことをおすすめいたします。
印紙税に関する留意点
*詳しくは、印紙税に関する国税庁HPの情報をご確認ください。
第1 課税文書
1 課税文書の判断
印紙を貼るべき文書(課税文書)(*1)は、全部で20種類あり、印紙税法別表第1の課税物件表に記載されています(*2)。
代表的なものとして、第1号(不動産の譲渡、金銭消費貸借契約等)、第2号(請負)、第7号(継続的取引)、第17号(金銭の受取書)があります。
(*1)課税文書に該当するかどうかは、その文書に記載されている内容に基づいて判断することとなりますが、当事者の約束や慣習により文書の名称や文言は種々の意味に用いられています。そのため、その文書の内容判断に当たっては、その名称、呼称や記載されている文言により形式的に行うのではなく、その文書に記載されている文言、符号等の実質的な意味を汲み取って行う必要があります。
例えば、文書に取引金額そのものの記載はないが、文書に記載されている単価、数量、記号等により、当事者間において取引金額が計算できる場合は、それを記載金額とし、また、売掛金の請求書に「済」や「了」と表示してあり、その「済」や「了」の表示が売掛金を領収したことの当事者間の了解事項であれば、その文書は、売上代金の受領書(第17号の1文書)に該当することになります。
(*2)課税物件表には、第1号の不動産の譲渡に関する契約書、消費貸借に関する契約書、第2号の請負に関する契約書、第14号の金銭又は有価証券の寄託に関する契約書などのように「○○に関する契約書」という名称で掲げられているものが多くありますが、ここにいう契約書は、一般的に言われるものよりかなり範囲が広く、そのため、印紙税法別表第1「課税物件表の適用に関する通則」5にその定義規定を置いています。
すなわち、課税物件表に掲げられているこれらの契約書とは、契約証書、協定書、約定書その他名称のいかんを問わず、契約(その予約を含みます。以下同じ。)の成立若しくは更改又は契約の内容の変更若しくは補充の事実(以下「契約の成立等」といいます。)を証すべき文書をいい、念書、請書その他契約の当事者の一方のみが作成する文書又は契約の当事者の全部若しくは一部の署名を欠く文書で、当事者間の了解又は商慣習に基づき契約の成立等を証することになっているものも含まれます。
したがって、通常、契約の申込みの事実を証明する目的で作成される申込書、注文書、依頼書などと表示された文書であっても、実質的にみて、その文書によって契約の成立等が証明されるものは、契約書に該当することになります。
なお、解約合意書など、契約の消滅の事実のみを証明する目的で作成される文書は、課税対象とはなりません。
2 契約内容を変更する文書
「覚書」や「念書」等の表題を用いて、原契約書の内容を変更する文書を作成する場合がありますが、これらの文書(以下「変更契約書」といいます。)が課税文書に該当するかどうかは、その変更契約書に「重要な事項」が含まれているかどうかにより判定することとされています。
すなわち、原契約書により証されるべき事項のうち、重要な事項を変更するために作成した変更契約書は課税文書となり、重要な事項を含まない場合は課税文書に該当しないことになります。
この場合の「重要な事項」とは、印紙税法基本通達別表第2「重要な事項の一覧表」において、文書の種類ごとに例示されています。
次に、その変更契約書がどの号の文書に該当するかについては、次のとおり取り扱われます。
(1)原契約書が、課税物件表の1つの号の文書のみに該当する場合で、その号の重要な事項を変更するものであるとき
⇒原契約書と同一の号の文書として取り扱われます。
(例) 工事請負契約書(原契約書)により定めた取引条件のうち、工事代金の支払方法を変更する覚書を作成した場合は、第2号文書(請負に関する契約書)の重要な事項である「契約金額の支払方法」を変更するものですから、この覚書は原契約書と同じく第2号文書として取り扱われます。
(2)原契約書が、課税物件表の2以上の号に該当する場合
①その2以上の号のいずれか一方のみの重要な事項を変更するもの
⇒その一方の号の文書として取り扱われます。
(例) 原契約書である製造請負基本契約書は、第2号文書(請負に関する契約書)と第7号文書(継続的取引の基本となる契約書)の両方に該当し、契約金額の記載がなかったことから第7号文書に所属が決定されていたとします。その原契約書により定めた取引条件のうち、製品の納期を変更する覚書を作成した場合は、第2号文書の重要な事項には「請負の期日又は期限」が掲げられていますが、第7号文書の重要な事項にはこのような期日・期限は掲げられていませんので、この覚書は第2号文書の重要な事項のみを変更するものとして、第2号文書として取り扱われることになります。
②その2以上の号のうち2以上の号の重要な事項を変更するもの
⇒一旦、それぞれの号の文書に該当した上で、印紙税法別表第一「課税物件表の適用に関する通則」3の規定に基づいて最終的な所属が決定されます。
(例) 原契約書である清掃請負基本契約書は、第2号文書(請負に関する契約書)と第7号文書(継続的取引の基本となる契約書)の両方に該当し、契約金額の記載があったことから第2号文書に所属が決定されていたとします。その原契約書により定めた取引条件のうち、清掃範囲を変更する覚書を作成した場合は、第2号文書の重要な事項には「請負の内容」が掲げられおり、また、第7号文書の重要な事項にも同様な項目である「目的物の種類」が掲げられていますので、この覚書は一旦第2号文書と第7号文書の両方に該当することになり、契約金額の記載がないことから、印紙税法別表第1「課税物件表の適用に関する通則」3のイの規定により最終的に第7号文書として取り扱われることになります。
第2 消費税等の額が区分記載された契約書等の記載金額
消費税の課税事業者が消費税及び地方消費税(以下「消費税額等」といいます。)の課税対象取引に当たって課税文書を作成する場合に、消費税額等が区分記載されているとき又は、税込価格及び税抜価格が記載されていることにより、その取引に当たって課されるべき消費税額等が明らかとなる場合には、その消費税額等は印紙税の記載金額に含めないこととされています。
なお、この取扱いの適用がある課税文書は、次の3つに限られています。
(1)第1号文書(不動産の譲渡等に関する契約書)
(2)第2号文書(請負に関する契約書)
(3)第17号文書(金銭又は有価証券の受取書)
具体的な例をあげて説明すると次のようになります。
まず、広告の請負契約書に「請負金額1,100万円うち消費税額等100万円」と記載したとします。この場合、消費税額等100万円は記載金額に含めませんので、記載金額1,000万円の第2号文書となり、印紙税額は1万円となります。
また、「請負金額1,100万円 税抜価格1,000万円」と税込価格及び税抜価格の両方を具体的に記載している場合についても、消費税額等が容易に計算できることから、記載金額は1,000万円となります。
しかし、消費税額等について「うち消費税額等100万円」ではなく、「消費税額等10%を含む。」や「請負金額1,100万円(税込)」と記載した場合には、消費税額等が必ずしも明らかであるとは言えませんので、記載金額は1,100万円として取り扱われ、第2号文書の場合、印紙税額は2万円となります。
次に、売上代金の領収書に、「商品販売代金48,000円、消費税額等4,800円、合計52,800円」と記載したとします。この場合、消費税額等の4,800円は記載金額に含めませんので、記載金額48,000円の第17号の1文書となります。したがって、記載金額が5万円未満(平成26年3月31日以前に作成されたものについては、3万円未満)の領収書は非課税文書となりますので、印紙税は課税されません。
第3 課税されない場合
1 契約書の写し
契約書については作成した部数だけ印紙が必要ですが、コピーには必要ありません。(*1)
この場合、契約書の末尾に「甲が原本を保有し、乙はその写しを保有する」といった記載をします。
(*1)契約書は、契約の当事者がそれぞれ相手方当事者などに対して成立した契約の内容を証明するために作られますから、各契約当事者が1通ずつ所持するのが一般的です。この場合、契約当事者の一方が所持するものに正本又は原本と表示し、他方が所持するものに写し、副本、謄本などと表示することがあります。しかし、写し、副本、謄本などと表示された文書であっても、おおむね次のような形態のものは、契約の成立を証明する目的で作成されたことが文書上明らかですから、印紙税の課税対象になります。
(1)契約当事者の双方又は文書の所持者以外の一方の署名又は押印があるもの
(2)正本などと相違ないこと、又は写し、副本、謄本等であることなどの契約当事者の証明のあるもの
なお、所持する文書に自分だけの印鑑を押したものは、契約の相手方当事者に対して証明の用をなさないものですから、課税対象とはなりません。
また、契約書の正本を複写機でコピーしただけのもので、上記のような署名若しくは押印又は証明のないものは、単なる写しにすぎませんから、課税対象とはなりません。
同じく、ファックスや電子メール等により送信する場合も正本等は送付元に保存され、送付先に交付されておらず、送付先で出力された文書は写しと同様であり、課税対象とはなりません。
このように、印紙税は、契約の成立を証明する目的で作成された文書を課税対象とするものですから、一つの契約について2通以上の文書が作成された場合であっても、その全部の文書がそれぞれ契約の成立を証明する目的で作成されたものであれば、すべて印紙税の課税対象となります。
2 営業に関しない受取書
第17号文書の金銭又は有価証券の受取書であっても、受け取った金銭などがその受取人にとって営業に関しないものである場合には、非課税となります。
営業とは、一般に、営利を目的として同種の行為を反復継続して行うこととされており、おおむね次のように取り扱っています。
(1)株式会社などの営利法人の行為は、その営利法人が直接作成する株式払込金領収書などを除いて営業になります。
(2)公益社団法人・公益財団法人などの公益法人の行為は、すべて営業になりません。
また、一般社団法人・一般財団法人で、法令の規定又は定款の定めにより利益金又は剰余金の配当又は分配をすることができないものの行為も営業になりません。
(3)協同組合など会社以外の法人の行為は、次のようになっています。
法令の規定又は定款の定めにより利益金又は剰余金の配当又は分配をすることができることになっている法人の場合に、出資者以外の者との行為は営業になり、出資者との行為は営業になりません。
(4)人格のない社団の行為は、次のようになっています。
公益及び会員相互間の親睦等の非営利事業を目的として設立されている場合には、営業になりません。
その他の人格のない社団が作成する受取書で、収益事業に関して作成するものは、営業になります。
(5)個人の場合、「商人」としての行為は営業になり、事業を離れた私的日常生活に関するものは営業になりません。
なお、店舗などの設備がない農業、林業又は漁業を行っている者が自分の生産物を販売する行為や医師、歯科医師、弁護士、公認会計士などの行為は、一般に営業に当たらないとされていますので、これらの行為に関して作成される受取書は営業に関しない受取書として取り扱われます。
第4 貼付漏れがあった場合
印紙の貼付には期限がありませんが、税務調査等で指摘された場合、正しい印紙税額の3倍に相当する過怠税を徴収されます。
ただし、自主的に納付漏れを申し出た場合には、過怠税が1.1倍に軽減されます。
税務調査の実務においては、自主的に申し出たという扱いにして、1.1倍で済むケースが多いですが、いずれにしても罰金であることから、法人税における損金や所得税における必要経費にはなりません。