おはようございます。
今日は、臨時総会における白紙委任状の有効性(横浜地判平成3年12月12日)を見ていきましょう。
【事案の概要】
本件は、臨時総会における白紙委任状の有効性が争点となった事案である。
【裁判所の判断】
有効
【判例のポイント】
区分所有法上、議決権行使の方法については、区分所有権者が集会に出席して直接行使する方法のほか、書面投票または代理人による議決権行使の方法が認められているが(39条2項)、法は書面投票と議決権の代理行使との間に特段の優劣を設けておらず、代理行使の方法についても具体的な定めを置いていないから、委任状により議決権を代理人に行使させることが法の趣旨に反するとは考えられず、しかも、本件臨時総会に当たって提出された13通の委任状は議案の要領およびその内容を事前の通知によって認識した各区分所有権者が、総会議長を代理人に選任すると従前の経緯から新規約改正に賛成の議決権行使が予測でき、総会議長以外の者を代理人に選任して議決権を行使することも許容されるという前提のもとに、予め配布された用紙を利用して提出したものであると認められるから、受任者および委任事項とも白紙であるとはいえず、右各委任状について被告の主張するような瑕疵はなく、その余の点について判断するまでもなく抗弁1は理由がない。
上記のとおり、裁判所は、白紙委任状の効力を認めましたが、とはいえ、訴訟において争点となっている以上、決して好ましい方法とはいえません。
白紙委任状を提出するくらいなら、議決権行使書によって自らの賛否の意思表示をするほうがいいでしょう。
マンション管理や区分所有に関する疑問点や問題点については、不動産分野に精通した弁護士に相談することが肝要です。