管理費・修繕積立金23 終期を定めずに将来の管理費等及び専用使用料を請求することの可否(不動産・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、終期を定めずに将来の管理費等及び専用使用料を請求することの可否(東京地判平成31年2月27日)を見ていきましょう。

【事案の概要】

本件は、マンション管理組合である原告が、同マンションの区分所有者である被告に対し、同マンションの管理規約に基づき、別紙未払管理費等請求目録の「未払管理費等合計」欄記載の未払管理費,修繕積立金及び専用使用料並びにこれらに対する「支払日」欄記載の弁済期の翌日から支払済みまで約定の年18パーセントの割合による遅延損害金、弁護士費用90万7870円並びに平成30年4月から毎月27日限り月額46万7840円の割合による将来の管理費、修繕積立金及び専用使用料の支払を求める事案である。

【裁判所の判断】

1 被告は、原告に対し、998万6570円+年18パーセントの割合による金員を支払え。

 被告は、原告に対し、平成30年4月から被告が原告を脱退するまでの間、毎月27日限り月額46万7840円の割合による金員を支払え。

【判例のポイント】

1 本件マンションの管理費等及び専用使用料は、被告が本件マンションの区分所有者である以上、毎月確実に発生するものである。また、本件未払管理費等及び専用使用料が総額907万8700円にも上っており、平成30年4月分以降の管理費等及び専用使用料も支払われていないことに照らせば、被告による管理費等及び専用使用料の未払は、原告の運営や財務に重大な支障を生じさせかねないものとなっており、かつ、今後も管理費等が支払われない状態が継続する可能性が高いものと認められれる。
以上に照らせば、将来の管理費等及び専用使用料についてあらかじめ給付判決を得ておく必要があるものと認められる。
なお、原告は、終期を定めずに将来の管理費等及び専用使用料を請求しているが、被告が原告を脱退した後は管理費等及び専用使用料は発生しなくなるのであるから、被告が原告を脱退した時を終期として上記将来請求を認容するのが相当であり、上記将来請求のうち脱退後の管理費等及び専用使用料を請求する部分は理由がない

細かい部分ではありますが、将来請求をする場合には終期を書きましょう。

マンション管理や区分所有に関する疑問点や問題点については、不動産分野に精通した弁護士に相談することが肝要です。