管理組合運営1 管理組合法人である原告が、その理事であった被告に対し、原告所有に係る預金通帳等の書類の引渡しを求めた事案(不動産・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、管理組合法人である原告が、その理事であった被告に対し、原告所有に係る預金通帳等の書類の引渡しを求めた事案(東京地判平成22年9月24日)を見ていきましょう。

【事案の概要】

本件は、管理組合法人である原告が、その理事であった被告に対し、原告所有に係る預金通帳等の書類の引渡しを求めた事案である。

【裁判所の判断】

請求認容

【判例のポイント】

被告が、原告代表者名義で、東日本銀行飯田橋支店に2口の普通預金口座を、三菱東京UFJ銀行神保町支店に普通預金口座をそれぞれ開設し、その各口座に係る預金通帳を受け取り、保管してきたものと認めるのが相当である。
被告は、原告が、その後、代表者名義を変更したり、紛失届を提出したことをもって、上記各預金通帳が存在しないかのような主張をするが、失当であり、他に、被告が上記各預金通帳の所持を喪失したことを認めるに足りる証拠はない。

管理組合法人と理事は、委任関係にあります。

したがって、かつて理事であった者が預金通帳や総会議事録等を保管する場合には、当然、管理組合法人に返還する義務を負います。

マンション管理や区分所有に関する疑問点や問題点については、不動産分野に精通した弁護士に相談することが肝要です。