おはようございます。
今日は、将来分の管理費の請求が認容された事案(東京地判平成10年4月14日)を見ていきましょう。
【事案の概要】
本件は、区分所有マンションの管理組合である原告が、その区分所有者である被告に対し、未納の管理費等の支払を求めるとともに、将来の管理費等についてもその期限ごとの支払を求めている事件である。
【裁判所の判断】
請求認容
【判例のポイント】
将来の給付の訴えは、あらかじめその請求をして給付判決を得ておく必要のある場合に限り認められるところ、被告の管理費等の支払義務は継続的に月々確実に発生するものであること、本件マンションは戸数一〇戸の比較的小規模なマンションであり、被告一人の管理費等の滞納によっても、原告はその運営や財政に重大な支障を来すおそれが強いこと、将来分をも含めて、被告の管理費等支払拒絶の意思は相当に強く、将来分の管理費についても被告の即時の履行が期待できない状況にあることなどが認められ、以上の事実によれば、将来の履行期未到来の管理費等(有線使用料を含む)の支払請求も認められる。
将来給付の訴えは、「あらかじめその請求をする必要がある場合に限り、提起することができる」(民訴法135条)とされています。
裁判所は、「請求をする必要がある場合」について厳格に解する傾向にあるため、当該必要性を基礎づける事情を具体的に主張・立証することが求められます。
マンション管理や区分所有に関する疑問点や問題点については、不動産分野に精通した弁護士に相談することが肝要です。