Category Archives: セクハラ・パワハラ

セクハラ・パワハラ52 コンビニ店員へのセクハラ行為と停職処分(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、コンビニエンスストア店員へのセクハラ行為を理由とする停職処分が適法とされた判決を見てみましょう。

A市事件(最高裁平成30年11月6日・労経速2372号3頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の男性職員であるXが、勤務時間中に訪れた店舗においてその女性従業員に対してわいせつな行為等をしたことを理由に、停職6月の懲戒処分を受けたが、同懲戒処分については、処分事由の一部に該当する事実がなく、また、処分の量定において裁量権の範囲の逸脱ないし濫用があるから違法であると主張して、同懲戒処分の取消しを求める事案である。

原審は、Xの請求を認容した。

【裁判所の判断】

原判決を破棄し、第1審判決を取り消す。

Xの請求を棄却する。

【判例のポイント】

1 公務員に対する懲戒処分について、懲戒権者は、諸般の事情を考慮して、懲戒処分をするか否か、また、懲戒処分をする場合にいかなる処分を選択するかを決定する裁量権を有しており、その判断は、それが社会観念上著しく妥当を欠いて裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したと認められる場合に、違法となるものと解される。

2 原審は、①本件従業員がXと顔見知りであり、Xから手や腕を絡められるという身体的接触について渋々ながらも同意していたこと、②本件従業員及び本件店舗のオーナーがXの処罰を望まず、そのためもあってXが警察の捜査の対象にもされていないこと、③Xが常習として行為1と同様の行為をしていたとまでは認められないこと、④行為1が社会に与えた影響が大きいとはいえないこと等を、本件処分が社会観念上著しく妥当を欠くことを基礎付ける事情として考慮している。
しかし、上記①については、Xと本件従業員はコンビニエンスストアの客と店員の関係にすぎないから、本件従業員が終始笑顔で行動し、Xによる身体的接触に抵抗を示さなかったとしても、それは、客との間のトラブルを避けるためのものであったとみる余地があり、身体的接触についての同意があったとして、これをXに有利に評価することは相当でない。
上記②については、本件従業員及び本件店舗のオーナーがXの処罰を望まないとしても、それは、事情聴取の負担や本件店舗の営業への悪影響等を懸念したことによるものとも解される
さらに、上記③については、行為1のように身体的接触を伴うかどうかはともかく、Xが以前から本件店舗の従業員らを不快に思わせる不適切な言動をしており(行為2)、これを理由の一つとして退職した女性従業員もいたことは、本件処分の量定を決定するに当たり軽視することができない事情というべきである。
そして、上記④についても、行為1が勤務時間中に制服を着用してされたものである上、複数の新聞で報道され、Y社において記者会見も行われたことからすると、行為1により、Y社の公務一般に対する住民の信頼が大きく損なわれたというべきであり、社会に与えた影響は決して小さいものということはできない。
そして、市長は、本件指針が掲げる諸般の事情を総合的に考慮して、停職6月とする本件処分を選択する判断をしたものと解されるところ、本件処分は、懲戒処分の種類としては停職で、最も重い免職に次ぐものであり、停職の期間が本件条例において上限とされる6月であって、Xが過去に懲戒処分を受けたことがないこと等からすれば、相当に重い処分であることは否定できない。
しかし、行為1が、客と店員の関係にあって拒絶が困難であることに乗じて行われた厳しく非難さ
れるべき行為であって、Y社の公務一般に対する住民の信頼を大きく損なうものであり、また、Xが以前から同じ店舗で不適切な言動(行為2)を行っていたなどの事情に照らせば、本件処分が重きに失するものとして社会観念上著しく妥当を欠くものであるとまではいえず、市長の上記判断が、懲戒権者に与えられた裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したものということはできない。

3 以上によれば、本件処分に裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用した違法があるとした原審の判断には、懲戒権者の裁量権に関する法令の解釈適用を誤った違法があるというべきである。

同じ事案でも判決を書く裁判官が違えば、こうも事実の評価の仕方が変わるという典型例です。

評価は絶対的なものではなく極めて相対的なものです。

事実なんてものはどうとでも評価できるということがよくわかりますね。

親と裁判官は選べませんので、受け入れるしかありません。

ハラスメントについては、注意喚起のために定期的に研修会を行うことが有効です。顧問弁護士に社内研修会を実施してもらいましょう。

セクハラ・パワハラ51 パワハラ行為と慰謝料請求(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、未払賃金請求とパワハラ等に基づく損害賠償等請求に関する裁判例を見てみましょう。

プラネットシーアール・プラネット事件(長崎地裁平成30年12月7日・労判ジャーナル84号20頁)

【事案の概要】

本件は、A社に採用されて休職した労働者が、A社から時間外労働に対する賃金が支払われていないとして、A社に対し、未払賃金合計約258万円等の支払、A社との間で労働契約上の地位を有することの確認を求め、前記休職は上司であったCのパワハラ等が原因で精神疾患を発病したことによるものであり、労働者は休職後も月例賃金及び賞与の請求権を失わないと主張して、A社に対し、休職後の月例賃金及び賞与等の支払を求め、Cに対し、不法行為に基づく損害賠償金約330万円等の支払を求めるとともに、A社に対してはCの使用者(民法715条1項)として、Bに対してはA社の代理監督者(同条2項)として、それぞれ前記金員の連帯支払を求め、また、本件訴訟係属中におけるA社の労働者に対する文書送付に基づき、A社に対し、慰謝料等110万円等の支払等を求めた事案である。

【裁判所の判断】

1 未払賃金等支払請求は一部認容

2 労働契約上の地位確認請求は却下

3 損害賠償請求は一部認容

【判例のポイント】

1 上司であったCの叱責は、内容的にはもはや叱責のための叱責と化し、時間的にも長時間にわたる、業務上の指導を逸脱した執拗ないじめ行為に及ぶようになっていたところ、Xは、職場の状況から、多くの作業を抱え込み、長時間労働を余儀なくされており、更にCの前記のような嫌がらせ、いじめ行為を含む継続的な叱責を受けたため、強い精神的負荷を受け、その結果、適応障害を発病して休職を余儀なくされたと推認され、Xの休業が労働災害によるものと認められ、労働者が休業補償給付決定を受けたことからも肯認でき、Cの前記行為は、Xの人格権等を違法に侵害する不法行為(民法709条)に当たるというべきであり、Cは、Xの損害を賠償する責任を負うというべきであり、また、Cの当該行為はA社の業務を行うにつきされたものであるから、A社も、使用者責任(民法715条1項、709条)に基づき、Xの損害を賠償する責任を負うというべきである。

2 文書5、6は、文書1~4が訴訟代理人間で法的主張を交換する中でされたり、使用者の業務権限に基づいてされたものであるのと異なり、直接労働者に宛てて、全体として、労働者が自らのパワハラ被害を訴えてA社及びB社を批判し、本件訴訟で係争すること自体が非常識で分をわきまえない行為であるかのように労働者を見下して一方的に非難し、貶めたりするものであって、これらの文書を送付する行為は、労働者の名誉感情を侵害する違法な侮辱行為に当たり、不法行為を構成するものと認められ、また、文書5、6は、専らA社・B社の代表者であるDの意思で作成され、同時期に送付されたものであるから、文書5、6の送付行為は、D、B社代表者及びA社代表者の意思連絡の下でされた共同不法行為に当たると解するのが相当であるから、D、A社及びB社は、民法719条1項、709条、会社法350条に基づき、文書5、6の送付により労働者の被った損害を連帯して賠償する義務を負うと解するのが相当であり、労働者の精神的苦痛を金銭をもって慰謝するには20万円が相当である。

この類の訴訟は今も昔もとても多いです。

管理職に対して、パワハラに関する研修を定期的に実施するを強くお奨めします。

ハラスメントについては、注意喚起のために定期的に研修会を行うことが有効です。顧問弁護士に社内研修会を実施してもらいましょう。

セクハラ・パワハラ50 暴行・人格権侵害を理由とする損害賠償請求(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、暴行及び人格権侵害等を理由とする損害賠償責任が認められた裁判例を見てみましょう。

大島産業事件(福岡地裁平成30年9月14日・労経速2367号10頁)

【事案の概要】

甲乙事件は、Y社に雇用されて長距離トラック運転手として稼働していたXが、①Y社に対し、未払賃金929万7149円+遅延損害金を支払うよう求め、②B及びCに対し、Y社が前記①の未払賃金を支払わないことについて、Bが同社の代表取締役として、Cが同社の事実上の取締役として、それぞれ会社法429条1項又は民法709条に基づく損害賠償責任を負うと主張して、前記①の未払賃金+遅延損害金をY社と連帯して支払うよう求め、③Y社に対し、労働基準法114条に基づく付加金541万2912円+遅延損害金の支払を求め、④C及びY社に対し、CはXに対しパワーハラスメントと評価されるべき不法行為を行っていたところ、Cは民法709条に基づき損害賠償責任を負い、Y社は会社法350条の類推適用により事実上の取締役であるCがその職務を行うについてしたパワハラについて損害賠償責任を言うと主張して、165万円+遅延損害金を連帯して支払うよう求めるほか、Cに対しては前記165万円に対する不法行為の後である平成26年3月6日から平成27年8月31日まで同割合の遅延損害金の支払を求めた事案である。

丙事件は、Y社が、Xに対し、Xが平成25年9月28日及び平成26年3月7日に業務指示を受けていた運送業務を無断で放棄したため、Y社は受注していた運送業務を履行できず損害を被ったと主張して、不法行為又は債務不履行に基づき、229万7635円+遅延損害金の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

1 Y社はXに対し、937万0829円(未払賃金)+遅延損害金を支払え

2 Y社はXに対し、494万8855円(付加金)+遅延損害金を支払え

3 C及びY社はXに対し、連帯して110万円(パワハラの慰謝料等)+遅延損害金を支払え

4 CはXに対し、110万円に対する平成26年3月6日から平成27年8月31日までの遅延損害金を支払え

5 XはY社に対し、12万2609円+遅延損害金を支払え

【判例のポイント】

1 Xは、本件失踪1の後に復職を認めてもらおうとしてY社に戻った際、E常務に指示されて、社屋入口前で、Cが出社して来るまで土下座をし続け、出社して来たCはこれを一瞥したが土下座を止めさせることはなく、Xはその後も数時間にわたり土下座を続けたことが認められる。
従業員が数時間にわたり社屋入口で土下座し続けるという行為は、およそ当人の自発的な意思によってされることは考えにくい行為であり、Cとしても、Xが強制されて土下座をしていることは当然認識し得たものとみられる。にもかかわらず、前記認定のとおり、Cは制止することなくXに土下座を続けさせたのであるから、XはCの指示で土下座させられたのと同視できるというべきである。したがって、Cは、民法709条に基づき、土下座を続けさせられたことによりXが受けた身体的、精神的苦痛について不法行為責任を負う。
また、上記Cの行為は、XのY社での就労再開に関して行われたもの、すなわち事実上の代表取締役としての職務を行うについてされたものであるから、Y社は、会社法350条の類推適用により前記のXが受けた身体的、精神的苦痛について賠償責任を負う。

2 C名義のブログ記事は、これが他人から閲覧されればXの名誉を棄損する内容であり、前記のXに関する記事が掲載されることによって、Xの名誉を棄損するものであると認められる。そして、Cは従業員に対する名誉毀損行為を防止すべき義務を負っていたといえるから、ブログ記事の掲載を放置したことについて、民法709条に基づき不法行為責任を負う。
また、Cは事実上の代表取締役であると認められるから、Y社は、会社法350条に基づき、Cが職務を行うについてXに与えた精神的苦痛を賠償すべき責任を負う。

認容された未払賃金額もさることながら、事案の性質から来るレピュテーションダメージの方がよほど影響が大きいと思われます。

どこかの段階で口外禁止条項を付した和解ができなかったのでしょうか・・・。

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セクハラ・パワハラ49 労災認定されている事案で裁判所が業務起因性を否定?(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、上司による暴行が違法なパワーハラスメントと評価されたが、暴行を受けた労働者が発症した適応障害の業務起因性が否定された裁判例を見てみましょう。

共立メンテナンス事件(東京地裁平成30年7月30日・労経速2364号6頁)

【事案の概要】

本件は、Y社に勤務していたXが、適応障害に罹患し、その後休職となり、休職期間満了により自動退職とされたところ、Xは、同適応障害は、上司等から継続的にパワーハラスメントを受け、かつ、上司であったCからも勤務中に暴行を加えられたことによるものであると主張して労働契約上の地位確認を求めるとともに、Cの上記暴行につき、Cに対しては民法709条に基づき、Y社に対しては民法715条に基づいて、連帯して200万円の損害賠償(慰謝料)+遅延損害金の支払を請求し、さらに、前記の上司等による継続的なパワーハラスメントに加えて、Y社から一方的に年俸額を減額され、休職後には、Y社がXの標準報酬月額を不当に減額して届け出たことが原因で健康保険組合から受領する傷病手当金を不当に減額されたなどと主張して、Y社に対し、民法709条に基づき562万円の損害賠償+遅延損害金の支払を請求した事案である。

【裁判所の判断】

Y社らは、連帯して、Xに対し、20万円+遅延損害金を支払え。

【判例のポイント】

1 Cは、平成27年7月11日午前、Xに対し、Xの仕事ぶりを非難して、Xの腕を掴んで前後に揺さぶる暴行を加えた上、別の客室で、再度、恫喝口調でXを詰問し、「やれよ。」「分かったか。」などと繰り返し述べて迫り、壁にXの身体を押し付け、身体を前後に揺さぶる暴行を加え、逃れようとしたXが壁に頭部をぶつけるなどし、Xに頭部打撲、頸椎捻挫の傷害を負わせたものであって、このようなCの行為が、Xに対する不法行為を構成することは明らかである。

2 上記Xの頭部打撲、頸椎捻挫の程度は、経過観察7日間を要する程度に止まっている上(Xは、本件事件から約2か月後の同年9月16日にもY1病院を受診しているが、医師の診察所見として意識清明で神経学的にも異常はなく、頭部CTの結果でも異常はないとされている。)、Cの行為態様としても、Xが主張するような頭部を壁に打ち付けるようなものではなかったことは前記で認定したとおりであり、その行為態様が強度なものであったとまではいい難いことや、Cの暴力行為としては、本件事件時の1日のみに止まっていることからすると、かかるCの暴行が、客観的にみて、それ単体で精神障害を発症するほどの強度の心理的負荷をもたらす程度のものと認めることには、躊躇を覚えざるを得ない。
そして、Xが、Y1病院のみならず本件事件当日に受診したY4病院でも、医師に対し錯乱状態や不眠症といった症状を訴えていることからすると、Xの適応障害の原因が本件事件以外の業務外の要因にもあるとの合理的な疑いを容れる余地がある

3 行政庁の上記判断が裁判所の判断を拘束する性質のものでないことはいうまでもないところであるし、前記のとおり、Cの暴力行為は本件事件当日のみのことであることや、Xの受けた傷害の程度が外傷を伴わないものでさほど重いものとはいえないことなどを考慮すると、上記労災医員の意見を過度に重視することは相当でないというべきである。

4 以上のとおり、Xに発病した適応障害が業務上の傷病に当たると認めることはできないから、本件自動退職が労基法19条1項により効力を生じないとするXの主張は、その前提を欠くものである。したがって、Xについては、平成28年1月12日の休職期間満了によりY社を退職したと認められ、これによりXとY社との間の本件雇用契約関係は終了したものであるから、Xの労働契約上の地位確認請求は理由がない。

非常に重要な裁判例です。

労災認定がされているにもかかわらず、裁判所は業務起因性を否定し、労基法19条1項の適用は認めませんでした。

裁判所がいかなる要素からこのような結論を導いたのかをしっかり理解することが大切です。

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セクハラ・パワハラ48 パワハラと指導の境界線とは?(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、人事評価の濫用に基づく差額賞与等支払請求に関する裁判例を見てみましょう。

住商インテリアインターナショナル事件(東京地裁平成30年6月11日・労判ジャーナル81号52頁)

【事案の概要】

本件は、Y社に雇用されている従業員がY社に対し、賞与に関して違法な人事評価をされたと主張して、雇用契約における賞与請求権に基づき、平成26年から平成28年までの各6月及び12月支給の賞与の差額として合計約7万円等の支払を求め、Y社の管理本部長であったA及び代表取締役であるBから、コンプライアンス上の問題に関するメールの送信を禁止されたり、厳重注意処分をされたりするなどのパワーハラスメントを受けたと主張して、安全配慮義務の債務不履行又は不法行為による損害賠償請求権に基づき慰謝料200万円等の支払を求め、Y社の取締役兼管理本部長兼業務管理部長であるCからもコンプライアンス上の問題に関して被害申告すること自体を禁止されるなどのパワハラを受けたとして、安全配慮義務の債務不履行又は不法行為による損害賠償請求権に基づき慰謝料100万円等の支払を求め、XがCの指示に反して、コンプライアンス上の問題に関するメールを送信したことを理由としてY社がXに対してした譴責処分は権利濫用に当たり無効であると主張して、同処分の無効確認を求めた事案である。

【裁判所の判断】

差額賞与等支払請求は棄却

パワハラに関する損害賠償請求も棄却

【判例のポイント】

1 Xは、業務管理部長兼取締役管理本部長兼総務・人事リーダーであったDや業務管理副部長であったEの言動に関して、自らの考えに固執し、元社長であったFやAらに対し、特段の根拠も示さずにDやEに対する誹謗中傷、個人攻撃にわたるようなメールの送信等を繰り返していたものであり、AがXに本件メールの撤回ないし取下げを促して口頭注意をし、Bが警告のため本件通知をしたことは、会社の秩序を維持するためにやむを得ないものといえ、Xの人格権を違法に侵害するものと認めることはできず、AがXに対して本件メールの撤回ないし取下げを促し口頭注意をしたことや、Bが本件通知をしたことが従業員の人格権を違法に侵害するものと認めることはできないから、A及びBによるXへのパワハラを認めるに足りず、これに基づくXのY社に対する損害賠償請求は、理由がない

2 Xは、上司であるCからコンプライアンス違反に当たらないようなことについてメールを送信することを禁止する旨の職務命令を受けていたにもかかわらず、これに従うことなく、その後もCやBに対し、同命令の撤回や謝罪を求めるメールの送信を繰り返していたというのであって、本件譴責処分は会社の秩序維持のためやむを得ず行われたものと解され、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないとはいえず、権利の濫用に当たらない

一連の経緯についてどれだけ裏付けがとれるかが勝敗を決します。

訴訟まで発展しそうな場合には、労使ともにエビデンスの確保がキモとなります。

ハラスメントについては、注意喚起のために定期的に研修会を行うことが有効です。顧問弁護士に社内研修会を実施してもらいましょう。

セクハラ・パワハラ47 パワハラによる精神疾患発症と解雇制限の適用の判断方法(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、上司の暴行等に基づく損害賠償請求に関する裁判例を見てみましょう。

共立メンテナンス事件(東京地裁平成30年7月30日・労判ジャーナル81号26頁)

【事案の概要】

本件は、Y社に勤務していた元従業員Xが、適応障害に罹患し、その後休職となり、休職期間満了により自動退職とされたところ、Xが、同適応障害は、上司等から継続的にパワーハラスメントを受け、かつ、上司からも勤務中に暴行を加えられたことによるものであり、業務上の傷病であるから労基法19条1項により同自動退職は無効であると主張して労働契約上の地位確認を求めるとともに、上司の上記暴行につき、上司、Y社に対して、連帯して200万円の損害賠償等の支払、さらに、前記の上司等による継続的なパワハラに加えて、Y社から一方的に年俸額を減額され、休職後には、Y社がXの標準報酬月額を不当に減額して届け出たことが原因で健康保険組合から受領する傷病手当金を不当に減額されたなどと主張して、Y社に対し、民法709条に基づき562万円の損害賠償等の支払を請求した事案である。

【裁判所の判断】

上司の暴行に基づく損害賠償請求は一部認容(20万円)

その余は請求棄却

【判例のポイント】

1 Xの頭部打撲、頸椎捻挫の程度は、経過観察7日間を要する程度に止まっている上、上司の行為態様としても、その暴行態様が強度なものであったとまでは言い難いことや、上司の暴行行為としては、本件事件時の1日のみに止まっていることからすると、かかる上司の暴行が、客観的にみて、それ単体で精神障害を発病するほどの強度の心理的負荷をもたらす程度のものと認めることには、躊躇を覚えざるを得ず、そして、Xが、東京臨海病院のみならず本件事件当日に受診した木場病院でも、医師に対し錯乱状態や不眠症といった症状を訴えていることからすると、Xに発病した適応障害が業務上の傷病に当たると認めることはできず、本件自動退職が労基法19条1項により効力を生じないとするXの主張は、その前提を欠くものであるから、Xは、休職期間満了によりY社を退職したと認められる。

2 Y社がXについての標準報酬月額の変更要件に関する解釈を誤ってその変更の届出を行った結果、Xの傷病手当金の支給額の減額がされたと認められるが、その後、Xからの健康保険被保険者資格確認請求手続を経て、Xの標準報酬月額は是正され、傷病手当金の追加支給がされて、その経済的損失は回復されているもので、Y社が故意に事実に反する内容の届出をしたものではないことに鑑みると、この点に関して、Xに慰謝料請求を認めるべき精神的損害が発生したと認めることはできないというべきである。

上記判例のポイント1のように、労基法19条1項の適用を巡って、精神疾患とその原因行為との間に相当因果関係が認められるかどうかが争われることがあります。

医療記録等をしっかり確認をしながら判断をする必要があります。

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セクハラ・パワハラ46 パワハラ発言の客観的証拠がない場合の裁判所の判断(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は、パワハラ及び違法な雇止めに基づく損害賠償等請求に関する裁判例を見てみましょう。

セイハネットワーク事件(大阪地裁平成30年7月6日・労判ジャーナル81号40頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の元従業員Xが、上司から叱責等のパワーハラスメントを受け、これによって生じた欠勤を理由にY社から違法な雇止めをされたとして、Y社及び上司に対し、不法行為又は使用者責任に基づく慰謝料500万円の損害賠償等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 Xは、上司が、Xに対し、長年にわたり、「風邪をひいてはいけない」、「欠勤3回目はクビやで」、「仕事があるのはありがたいんやで」などと叱責し続けた旨主張するが、Xの上記供述を裏付けるに足りる的確な証拠はないこと、Xは、上司が、平成25年4月以降、変則的なスケジュールを組んでXに休養を与えなかった旨主張するが、同月以降のXの休日や具体的な勤務日(シフト)の決定に上司が関与したことを認めるに足りる証拠はないこと、上司は、Xに対し、平成25年4月以降の勤務形態について、Xの健康状態に配慮して、日曜日を含む週休2日のフルタイムBを提示しているのであり、あえてXについて変則的なスケジュールを組んだり、組むよう指示したりする理由はないことに鑑みれば、Xの上記主張は理由がないというほかないから、Xに対して、上司によるパワハラがあったとは認められない。

2 Xは、多数回にわたり欠勤しただけでなく、事前に連絡することなく欠勤(無断欠勤)したことが複数回あり、事前に連絡できなかった合理的な理由も明らかではなく、Xが主張するように、何らかのストレスが原因で欠勤する場合であっても、事前に連絡することすらできないという事態は通常想定し難いのであり、無断欠勤に対してY社から繰り返し注意を受けていたにもかかわらず、Xが平成25年10月に無断欠勤を繰り返したことに照らせば、本件雇止めが客観的に合理性を欠くとか、社会的に相当性を欠くと評価することはできず、ましてや本件雇止めに不法行為を校正するほどの違法性があるということはできない。

ハラスメントの客観的裏づけがない場合、上記判例のポイント1のような認定になってしまいます。

ハラスメントについては、注意喚起のために定期的に研修会を行うことが有効です。顧問弁護士に社内研修会を実施してもらいましょう。

セクハラ・パワハラ45 上司の不適切発言に基づく損害賠償請求と会社のレピュテーションダメージ(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、不適切な言動に基づく損害賠償等請求に関する裁判例を見てみましょう。

システムディ事件(東京地裁平成30年7月10日・労判ジャーナル81号38頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の元従業員Xが、Y社に対し、賃金及び賞与を理由なく減額したと主張して、減額分の賃金・賞与、合計約491万円等の支払を求め、また、Y社に対し、上司らの退職強要等に係る債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償請求(休業損害、治療費及び通院交通費並びに慰謝料の損害金合計約539万円等)の支払を求め、代表取締役であるAの暴言に係る不法行為に基づく慰謝料に関し、Aに対しては不法行為、会社に対しては会社法350条又は使用者責任に基づき、連帯して慰謝料50万円等の支払を求め、また、会社に対し、民法536条に基づく休職期間満了後の賃金・賞与請求、合計約501万円等の支払を求め、また、上記復職後の減額分の賃金約12万円及び未払賞与約47万円等の支払を求め、さらに、有給休暇分の賃金・通勤手当等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

減額分等未払賃金・賞与等支払請求の一部認容(休業損害254万7963円、治療費及び通院交通費8万9900円、慰謝料80万円等)

不適切な言動等に基づく損害賠償等請求の一部認容(慰謝料20万円)

【判例のポイント】

1 Xは、A及び事業部長であるGから、不適切な言動により罵倒されるなどしながら繰り返し退職を迫られ、退職に応じなければ会社C本社に転勤させてそれまでの営業以外の業務に就かせて賃金を更に減額するなどと言われ、複数回欠勤するようになり、Gから担当業務の変更や賃金の減額を通告され、その後、医師からうつ状態と診断され、これを原因として休職するに至ったことが認められるから、Y社は、Xに対し、本件雇用契約に基づく注意義務を怠り、AやXの上司らにおける不当な言動や一方的な賃金の減額等を行ってXの意思決定を不当に制約するとともにその人格権を違法に侵害し、これによって、Xはうつ状態を発症するに至ったものと認められ、Y社は、Xに対し、債務不履行に基づき、Xに生じた損害を賠償する責任を負う。

2 AのXに対する発言等が、Xがうつ状態による1年6か月に及ぶ休職期間の満了後に、ようやくこれが寛解して臨んで面会の席上で行われたこと、上記発言中において、AはXに対して「裏切り」「寄生虫」という言葉を複数回用いたこと、AがXに対してこのような発言をしたのはこれが初めてではないことなどの事情を総合考慮すれば、AのXに対する上記発言によって生じたXの精神的苦痛に対する慰謝料としては、20万円が相当である。

使用者側とすれば、この裁判による金銭的負担のみならず、上記のような内容の裁判例が会社名とともに残ることによるレピュテーションリスクについても事前に検討しなければなりません。

ハラスメントについては、注意喚起のために定期的に研修会を行うことが有効です。顧問弁護士に社内研修会を実施してもらいましょう。

セクハラ・パワハラ44 パワハラの認定方法とは?(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、パワーハラスメントは存在しないとして不法行為に基づく損害賠償請求が否定された事案を見てみましょう。

三栄製薬事件(東京地裁平成30年3月19日・労経速2358号28頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の従業員であったXが、①Xの意思に反して平成28年9月30日付け自己都合退職と扱われたことにより、同年10月1日から同月20日まで就労不能になったとして、民法536条2項に基づき、同年10月分の未払賃金14万1034円の支払、②Y社の専務であるB2からパワーハラスメントを受けたなどとして、民法709条及び同法715条に基づき、968万2658円の損害賠償金の支払、③労働契約に基づき、平成27年6月3日から平成28年9月29日までの未払割増賃金45万0418円+遅延損害金、④労働基準法114条に基づき、未払割増賃金45万0418円と同額の付加金の支払を各求める事案である。

【裁判所の判断】

Y社はXに対し、18万6501円+遅延損害金を支払え

Xのその余の請求をいずれも棄却する

【判例のポイント】

1 本件パワハラ等の事実を認めることができないのは上記のとおりであるから、本件パワハラ等の事実が存在することを前提とするXの上記供述はにわかに採用することはできない。また、Xは、本件合理的配慮を記載したメモを作成してY社に交付したと述べるが、同メモの存在を裏づける的確な証拠はなく、本件カルテにも、XがY社に本件合理的配慮を要望していたことを窺わせる記載はない上、Xは診断書すらY社に提出しておらず、通院状況や服薬状況について、Y社との間で情報交換をしていたことを窺わせる事情も存在しないことからすれば、XとY社との間で本件合理的配慮を提供することの合意があったと認めることはできず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。

2 確かに、Xは、同月5日に行われたY社との話し合いにおいて、労務の提供を申し出ているが、その理由は、XとY社との間で、既に合意されていた平成28年10月20日付の退職を撤回して、引き続き、Y社で勤務し続けたいというものであった。Xは、本件労働契約について、平成28年10月20日付で合意解約するとの申込みをし、Y社は承諾の意思表示をしているため、合意解約は有効に成立している。したがって、Xは、既に合意解約の申込みの意思表示を撤回することができない状況にあったにもかかわらず、一方的に同月20日付退職を撤回するとして労務の提供を申し出たものであることからすれば、Y社において、既に退職が決まっているXに行わせる業務はCへの引継業務以外にはなく、Xの退職の撤回を受け入れることはできないとして、その就労を拒絶したことには合理的な理由があったといえる。また、Y社は、本件口論後のXの言動を踏まえて、Xが同年9月30日付で退職の申込みをしたものと考え、同日付合意退職の扱いにしたものであるところ、本件口論後、XはCへの引継業務を行うことを強く拒絶していたことからすれば、Y社において、本件労働契約が同年9月30日付で合意解約されたものと判断し、そのような処理をしたこともやむを得ないものであったということができる。
以上に照らすと、Xが平成28年10月1日から同月20日までの間、就労不能となったことについて、Y社の責めに帰すべき事由があると認めることはできないから、平成28年10月分の未払賃金請求については、その余の点を判断するまでもなく理由がない。

上記判例のポイント2の経緯は実際にあり得ることです。

微妙な判断が求められる場面ですが、この裁判例を参考にしてください。

ハラスメントについては、注意喚起のために定期的に研修会を行うことが有効です。顧問弁護士に社内研修会を実施してもらいましょう。

セクハラ・パワハラ43 退職勧奨のパワハラ該当性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、パワハラによる適応障害発症と休職期間満了後の退職の可否に関する裁判例を見てみましょう。

公益財団法人周南市医療公社事件(山口地裁周南支部平成30年5月28日・労判ジャーナル78号22頁)

【事案の概要】

本件は、Xが、Y社との間で雇用契約を締結し、Y社の事務局内で勤務していたところ、Y社の代表理事であるA、Y社の理事兼事務局長であるB、Y社の経営アドバイザーであったC、Y社の事務部総務課課長補佐であったD及びY社の事務部総務課主任であるEから、平成25年3月22日から平成27年1月14日まで、パワーハラスメント行為を受けたことにより、適応障害に罹患して休職するに至り、給料、期末手当及び勤勉手当を減額されて、その後、休職期間満了により退職扱いされたとして、(1)Y社に対しては、①休職期間満了により退職扱いされたことについて、これが無効であるとして労働契約上の地位の確認、②休職後の民法536条2項に基づく給料、期末手当及び勤勉手当の合計82万2161円+遅延損害金の支払い、③退職扱い後の民法536条2項に基づく給料(月額28万5762円)、6月期末手当、勤勉手当(年額55万6337円)及び12月期末手当、勤勉手当(年額60万8090円)+遅延損害金の支払い、④Y社自身の不法行為による民法709条、Aらの不法行為による民法715条又はXとの雇用契約の債務不履行に基づき、損害賠償金1134万9023円+遅延損害金について、Aらとの連帯支払いを求めるとともに、(2)Aらに対しては、⑤Aらの共同不法行為による民法709条、719条に基づき、損害賠償金1134万9023円+遅延損害金について、Y社との連帯支払いをそれぞれ求めた事案である。

【裁判所の判断】

1 XがY社に対し、雇用契約上の権利を有する地位にあることを確認する。
 Y社は、Xに対し、82万2161円+遅延損害金を支払え。
 Y社は、Xに対し、平成27年2月から本判決確定の日まで、毎月21日限り28万5762円、毎年6月30日限り55万6337円、毎年12月10日限り金60万8090円+遅延損害金を支払え。
 Y社、A及びBは、Xに対し、連帯して、574万9023円(うち300万円についてはCと連帯して、うち200万円についてはDと連帯して、うち100万円についてはEと連帯して)+遅延損害金を支払え。
 Cは、Xに対し、Y社、A及びBと連帯して、300万円+遅延損害金を支払え。
 Dは、Xに対し、Y社、A及びBと連帯して、200万円+遅延損害金を支払え。
 Eは、Xに対し、Y社、A及びBと連帯して、100万円+遅延損害金を支払え。

【判例のポイント】

1 Bは、本件退職勧奨に際し、Xに対し、「自分の生かせるところへ行ったらどうかね」「今までどおりというふうにはいかないから場所を出てもらうようになる」「会議室もないし、ここのところに場所がないから。そういうところで仕事やってもらうし」「あなたの人件費も浮くんだから」「出ていかないというからじゃね、それに見合った仕事に」「仕事をみつけなさいよちゅうて」「自分で探してこいって」「まともな場所はここしかないからじゃね、あとは部屋と呼べるようなところはないから、今度はここが出たら、もうどっか空いてるスペースに行ってもらう」「ここでお前は嫌われている。誰も一緒に仕事をしたくない。他の仕事を探せ」「エッジにおるんよ」「廊下で作るわけにはいかんじゃろうがね、パソコンやら。だからそういう仕事はできなくなる」などと発言した。
退職勧奨に際して、労働者の自発的な退職意思を形成する本来の目的実現を超えて、当該労働者に対して、不当な心理的圧力を加えたり、又は、その名誉感情を不当に害するような言辞を用いたりした場合には、違法なものとなるというべきである。
これを本件についてみると、まず、Bは、Xが退職すればXの人件費が浮く、Xは嫌われていて、誰も一緒に仕事をしたくないなどと、名誉感情を不当に害するような言辞を用いており、精神的な攻撃を加えるものである
また、Xは、そもそも、経歴、資格を見込まれた管理職候補として採用されており、これまでいわゆる現業には従事していなかったところ、Bの上記各発言は、Xに執務場所も、デスクワークの仕事も与えずに、X自ら仕事を探すことを求めるものであり、人間関係から切り離して隔離したり、過小な要求をしたりするなどして、不当な心理的圧力を加えるものである
そうすると、Bが行った本件退職勧奨は、違法、不当なパワハラ行為であると認められる。

2 本件駐車場管理命令は、本件病院の駐車場の管理、植栽、施肥、草引き(除草作業)、清掃作業、駐車料金の回収等の業務を行うことを命ずるものであるところ、①Xが経歴や資格を見込まれた管理職候補として採用されており、Xがこれまで現業に従事した経歴がなかったこと、②Y社では、平成26年2月以前から、総務課職員が、駐車場の料金の回収は行っていたものの、除草作業や清掃作業等は行っていなかったことからすれば、本件駐車場管理命令は、業務上の合理性がなく、能力や経験とかけ離れた仕事を命じるものであり、違法、不当なパワハラ行為であったといえる

3 Aらのパワハラ行為があったと認められること、証拠によれば、Xの主治医であるB医師が、Aらのパワハラ行為によって適応障害を発症した旨詳細な意見書を作成しており、その信用性を疑わせる事情がないことからすれば、Xの上記主張を認めることができる。
そうすると、Xの適応障害は、労働基準法19条の定める「業務上の疾病」にあたり、被告公社によるXの退職扱いは解雇制限を定める同条に反し、無効であるから、Xは,Y社に対し、雇用契約上の権利を有する地位にある。

上記判例のポイント2の視点は押さえておきましょう。

従業員の資質・経歴からして、業務上の合理性のない業務命令や配置転換等をすると違法と判断される可能性がありますので注意しましょう。

ハラスメントについては、注意喚起のために定期的に研修会を行うことが有効です。顧問弁護士に社内研修会を実施してもらいましょう。