Author Archives: 栗田 勇

本の紹介2142 人生のダイヤモンドは足元に埋まっている#2(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間お疲れさまでした。

今日は、本の紹介です。

今から3年前に紹介した本ですが、再度、読み返してみました。

サブタイトルは「強欲資本主義時代の処方箋」です。

今日のグローバル資本主義の特徴がわかりやすく書かれています。

いかに本当の自分を見失わずに生き続けられるか、という本質的な問題を考えるきっかけになると思います。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

人生の価値を測るものはどこにあるのか。私はまだ、この問いに対する答えを見つけていない。だが、これだけは言える。私たちはモノによって、すなわち各人が蓄えてきた有形の持ち物で、人生の重みを測ってはいけない。これほど物質的に恵まれた国では、いともたやすくこの罠に陥ってしまいがちだ。」(165頁)

物を所有することで幸せを感じることができる人は、それでいいのです。

他人がそれに対してどうこう言う必要はありません。

他人と自分を同じ尺度で測らないことです。

そんなことをして何の意味があるでしょうか。

自分自身の幸せの定義をしっかりと持っている人は、他人から何を言われようと、もはや何とも思いません。

批判されようが、嫉妬されようが、お構いなし。

労働者性55 取締役の労働者性が認められた事案(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、取締役の労働者性が認められた事案を見ていきましょう。

日生米穀事件(大阪地裁令和6年3月14日・労判ジャーナル148号14頁)

【事案の概要】

本件は、Y社との間で期間の定めのない労働契約を締結して就労していた旨主張するXが、Y社に対し、時間外労働及び深夜労働に対する賃金及び付加金等の支払を求め、また、令和4年1月21日から同年2月20日までの賃金が未払いである旨主張して、未払賃金等の支払を求め、さらに、退職金150万円等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

一部認容

【判例のポイント】

1 Xは労基法所定の「労働者」に該当するかについて、まず、労務提供の形態について、一般の従業員と同様かつ取締役就任前と変わらない営業及び配達業務に従事していた上、タイムカードによる労働時間の管理及び把握を受けていたものといえ、Xは業務執行権限を有しておらず、業務執行に係る意思決定をしていたとも認められない一方で、取締役就任前から一般の従業員と同様の業務に従事し、勤怠管理を受けているなどの拘束性があることからすると、Xは、Y社の指揮監督下で労務を提供していたものといえ、次に、報酬の労務対償性について、Xの報酬額は取締役就任の前後を通じて月35万円と変動がなく、また、取締役就任に際して退職届の提出や雇用保険資格喪失手続はとられず、引き続き雇用保険に加入しており、Xは取締役就任前後を通じて報酬額に変動がなく、労働者の地位を清算する手続もとられず、社会保険上の取扱いもそれまでと変わらなかったことからすると、Xに対して支払われていた報酬は賃金としての性質を有していたものといえるから、Xは、Y社の取締役ではあったが、Y社の指揮監督下で労務を提供しており、支払われていた報酬は賃金としての性質を有していたものといえるから、Xは、労基法所定の「労働者」に該当する。

典型的な名ばかり取締役ですね。

労働法規の適用を回避するために、取締役にさせるという例が散見されますが、実態が伴っていない場合には、本件同様、労働者性が肯定されますのでご注意ください。

労働者性に関する判断は難しいケースも中にはありますので、判断に悩まれる場合には、事前に顧問弁護士に相談することを強くおすすめいたします。

本の紹介2141 強者の流儀#2(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間がんばりましょう。

今日は、本の紹介です。

今から4年前に紹介した本ですが、再度、読み返してみました。

朝倉未来さんから学ぶべきは、「結局、どれだけお金を手にしたところで、人は満たされることがない」というなのだと思います。

たくさんのお金を手にすれば何もかも満たされるという幻想を抱きがちですが、決してそうではないということがよくわかります。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

僕が人生の中で求めているのは自由です。僕が欲しい強さというのは、ある意味で自由でいるための強さと言えますね。」(73頁)

これは、私を含め、多くの人が同じ感覚だと思います。

自由とは、選択できることを意味します。

これこそが私の幸せの定義です。

生きたいように生きる。

嫌なことを嫌といえる。

高価な車も時計も洋服も、何1つほしくありません。

そういうものでは、1ミリも幸福感は満たされないからです。

日々、ストレスなく、自由に生きることこそが、私の幸せです。

セクハラ・パワハラ91 職場いじめの有無と休憩室での録音(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間お疲れさまでした。

今日は、職場いじめの有無と休憩室での録音に関する裁判例を見ていきましょう。

ハイデイ日高事件(東京地裁令和5年2月3日・労判1312号66頁)

【事案の概要】

本件は、Xが、Yに対し、YのXに関する言動等が職場いじめに当たり、これにより精神的苦痛を受けたと主張して、不法行為に基づき、慰謝料200万円+遅延損害金の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 Yの発言は、「いやだ」、「気持ち悪い」、「大っ嫌い」等と主としてYのXに対する主観的な感情・評価を吐露するものにすぎず、Xに係る個別具体的な事実を摘示し、これによりXが社会から受ける客観的な評価を低下させるようなものであったとはいえないし、具体的な事実に基づく論評・評価に当たるものであったともいえない。そして、Xは、Yが出勤する日はほぼ毎日のように録音し、その数は500件以上であるところ、Yの発言中、Xに対する否定的評価が含まれるものは上記2日間のものに限られ、本件全証拠を精査しても、Yによる継続的な言動があったと認めるに足りないし、いずれもX不在の本件店舗の休憩室における一時的な会話であり、Xが秘密録音したことによって、Xの知るところとなったにすぎないのである。このような行為4の1及び行為4の2に係る具体的な状況を踏まえてみると、これがXに対する不法行為に当たるものとまでは解されない。

2 Yは、平成29年3月14日及び同月28日の各会話を録音した媒体及びその反訳書について、違法収集証拠に該当するから証拠能力がないと主張するが、上記録音媒体は、Xが、本件店舗の従業員が共同して使用する本件店舗の休憩室での会話を、Yが知らない間に録音したというにとどまり、その録音の手段・方法に照らして、著しく反社会的な手法で人格権を侵害して取得されたとまでは認められないのであり、証拠能力は否定されないというべきである。

上記判例のポイント2のように、秘密録音については、よほど秘密性の高い会話を除き、違法収集証拠とは評価されません。

なお、証拠能力の問題とは別に、プライバシーや個人情報保護の観点から、社内での録音は禁止と就業規則等に規定し、周知することをおすすめいたします。

社内のハラスメント問題については顧問弁護士に相談の上、適切に対応しましょう。

本の紹介2140 身銭を切れ(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、本の紹介です。

身銭を切ること(skin in the game)がいかに結果を出すために必要であるかよくわかります。

帯には、「魂を捧げた先にしか、価値ある『生』はない。」と書かれています。

没頭して、熱中して、魂を捧げた先にこそ、生きている実感を味わえるのだと思います。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

自分の意見に従ってリスクを冒さない人間は、何の価値もない。」(68頁)

右にならえで安全・安定な生活を是とする人もいると思います。

それはそれで、その人の生き方ですから、とやかく言われる筋合いはありません。

他方で、リスクを冒して、チャレンジングなことに没頭しているときこそ、生を感じるという人もいます。

最初から成功が保証されているようなゲームはちっとも楽しくありません。

どうなるかわからないからこそ懸命に努力をし、アドレナリンが出るのです。

昨日と同じ今日、今日と同じ明日では、生きている心地がしないのです。

競業避止義務35 競業避止条項および退職金減額規定の有効性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間がんばりましょう。

今日は、競業避止条項および退職金減額規定の有効性に関する裁判例を見ていきましょう。

日本産業パートナーズ事件(東京高裁令和5年11月30日・労判1312号5頁)

【事案の概要】

本件は、Y社と雇用契約を締結していたが退職したXが、Y社に対し、①退職金規程に基づく業績退職金525万4000円+遅延損害金、②平成31年3月支給分の賞与(業績年俸)の未払額245万4400円+遅延損害金の支払を求める事案である。
原審は、Xの請求を棄却したところ、Xが控訴した。

【裁判所の判断】

控訴棄却

【判例のポイント】

1 Xは、競業避止義務を課す合理性が、情報やノウハウの他社への流出により転職先が利益を受け得ることの防止にあるというのであれば、X退職時には、B株式会社に対しどのような提案を行うかなど、案件がある程度具体化しており、Xがそれを知っていたことが重要であるが、本件においてそのような事実はなかったなどとして、Xに悪質な競業避止義務違反があったとはいえないと主張する。
しかし、Xは、Y社に在職中、B株式会社への提案資料等の作成を担当し、令和元年12月にはB株式会社・C株式会社の案件に提案先の優先順位として最も高いランク付けをした資料を社内で共有するなど、Y社が引き続きB株式会社・C株式会社の案件に高い関心を有していることを認識しながら、転職活動中であった同年11月ないし12月に、B株式会社・C株式会社関連を含む提案資料等を大量に印刷して社外に持ち出し、Y社を退職した直後である令和2年2月に競合他社に転職して、同年夏頃から転職先でB株式会社・C株式会社のカーブアウト案件を担当し、転職先の同案件についての提案が採用されるに至っている事実が認められることは前記引用に係る原判決説示のとおりであり、上記の事実に照らせば、Xに悪質な競業避止義務違反があったというべきことは明らかであって、Xが退職した時点において、Y社においてB株式会社・C株式会社の案件につき具体的な提案内容が定まっていたかどうか、また、その内容を控訴人が知っていたかどうかによって上記判断は左右されない。

一般的な同業他社への転職が、競業避止義務違反と判断されることはまずありません。

本件のようにプラスアルファとしてより悪質な事情がある場合には競業避止義務違反と評価されるのが一般的です。

競業避止義務の考え方については顧問弁護士に相談をし、現実的な対策を講じる必要があります。

本の紹介2139 折れないハートをつくる7つの秘訣#2(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間お疲れさまでした。

今日は、本の紹介です。

今から8年前に紹介した本ですが、再度、読み返してみました。

12年前に出版された本ですが、今読んでも、全く色褪せない内容です。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

仲間といると知らないうちに起こっているのが”無意識の伝染”。だからこそ、自分を成長させたいなら、『誰と一緒に過ごすか』の見極めが大切。自分が誰といたら、成長できるか?輝けるのか?決めるのはあなた自身。」(77頁)

これは昔からずっと言われ続けていることですが、まわりの環境が極めて重要であることを物語っています。

未成年のうちは、事実上、親の選択に従わざるを得ない場面が多いと思いますが、成人してからは、どのような環境に身を置くかについては、多くの場合、自分の選択によります。

「無意識の伝染」はプラスにもマイナスにも働きます。

成長したいのなら、コンフォートゾーンから抜け出し、自分が「こうなりたい」と思う人とできるだけ時間を共にすることです。

守秘義務・内部告発13 公益通報と認められる内部告発を行った労働者の解雇を無効とした事案(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、公益通報と認められる内部告発を行った労働者の解雇を無効とした事案を見ていきましょう。

水産業協同組合A事件(水戸地裁令和6年4月26日・労経速2556号3頁)

【事案の概要】

本件は、Y社に雇用されていたXらが、Y社に普通解雇されたことに関し、以下の請求をした事案である。
(1)X1が、Y社に対し、Y社によるX1の解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないものであって、権利を濫用したものとして無効であると主張して、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求める(請求1(1))とともに、令和4年3月から判決確定日まで毎月25日限り賃金30万6000円+遅延損害金の支払(請求1(2))、並びに、労働契約に基づき、本件解雇1以前の令和3年の冬季賞与98万6000円及びこれに対する弁済期の翌日である令和3年12月14日から支払済みまで上記同旨の遅延損害金の支払を求めたもの。
(2)X2が、Y社に対し、Y社によるX2の解雇は、原告Bが業務上の疾病にかかり療養するために休業する期間内になされたものであるから労基法19条1項に反し、又は、権利を濫用したものとして無効であると主張して、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、令和4年3月から判決確定日まで毎月25日限り賃金25万円及びこれに対する各支払期日の翌日から支払済みまで上記同旨の遅延損害金の支払、並びに、労働契約に基づき、本件解雇2以前の令和3年の冬季賞与87万8400円及びこれに対する弁済期の翌日である令和3年12月14日から支払済みまで上記同旨の遅延損害金の支払を求めたもの。

【裁判所の判断】

1 X1が、Y社に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることを確認する。
2 Y社は、X1に対し、令和4年3月から本判決確定の日まで、毎月25日限り30万6000円+遅延損害金を支払え。
3 Y社は、X1に対し、13万7000円+遅延損害金を支払え。
4 X2が、Y社に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることを確認する。
5 Y社は、X2に対し、令和4年3月から同年10月まで、毎月25日限り25万円+遅延損害金を支払え。
6 Y社は、X2に対し、令和4年11月から令和5年12月まで、毎月25日限り15万円+遅延損害金を支払え。
7 Y社は、X2に対し、令和6年1月から本判決確定の日まで、毎月25日限り25万円+遅延損害金を支払え。
8 Xらのその余の請求をいずれも棄却する。

【判例のポイント】

1 本件記事の内容は、「茨城県加工シラス放射能“基準超え”数値はなぜ消えた」との題名のもと、本件書面に数値修正の書き込みがあり、修正後の数値を県が公表したこと、本件会議において放射性物質の検査結果が改ざんされた疑惑が生じたとの記載がある一方で、本件会議においてY社の幹部職員が説明した内容、Y社及び県に対する取材結果も同様に記載され、茨城県の数値は健康に影響が出るレベルではなかったと締めくくっているのであるから、これを読んだ一般読者においては、Y社が何らの根拠なく隠蔽目的で放射性物質分析結果数値を修正し、改ざんしたとの印象を抱くとまではいえず、Y社の信用低下は仮にあるとしても限定的なものにとどまる

2 X1が、本件書面の記載内容から、Y社あるいは茨城県が、漁獲物の流通を確保するために、実際の放射性物質検査結果の数値よりも低い数値を公表したのではないかとの疑念を抱くことは必ずしも不合理なことではないというべきである。
したがって、X1が、週刊誌記者からの取材に対して、本件書面及び本件会議の録音音声を提供し、実際の放射性物質分析結果とは異なる数値が公表された可能性があるとの認識を回答していたとしても、それが、故意に虚偽の情報を提供したものであったということはできず、およそ合理的な理由なくY社の信用を毀損する行為であったということもできない
以上に説示したところによれば、X1が取材に応じたことは、不合理にY社の信用を低下させるものであったとは認められず、解雇の有効性を基礎付ける客観的合理的な理由たり得ないというべきである。

多分に評価が含まれることから、現場において、解雇の是非を判断することは至難の業かと思います。

日頃から顧問弁護士に相談をする体制を整えておき、速やかに相談することにより敗訴リスクを軽減することが重要です。

本の紹介2138 成功する偶然を味方にする(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。今週も1週間がんばりましょう。

今日は、本の紹介です。

帯には、「『努力と才能は報われる』という幻想」と書かれています(笑)

著者は、ささいな偶然がきわめて重要であると説いています。

とはいえ、ある出来事を偶然と捉えるか必然と捉えるかは単なる解釈の違いであり、たいした問題ではありません。

読み物としてとてもおもしろいです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

生産とコミュニケーションにおける新たな手法が偶然の影響を増幅し、勝者と敗者の差を著しく拡大させたのである。他者より1%がんばって働く人や、1%多く才能がある人が、1%多い所得を得るというならばわかりやすいが、そうではない。小さな違いが何千倍もの収入の違いにつながるのだ。だから、偶然はきわめて重要なものになる。」(34頁)

仮に偶然がきわめて重要であるとして、多くの人は「で、どうすればいいの?」と思うはずです。

ずっと宝くじを買い続けていればいいのかと。

そういう話ではないですよね。

仮に偶然が重要であるとしても、結局のところ、私たちにできることといえば、日々、努力と工夫を積み重ねるほかないのです。

その結果、まわりまわって、偶然と思えるような形で、実を結ぶのです。

解雇413 日本語能力の欠如等を理由とする外国人労働者の試用期間中の留保解約権行使を無効とした事案(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間お疲れさまでした。

今日は、日本語能力の欠如等を理由とする外国人労働者の試用期間中の留保解約権行使を無効とした事案を見ていきましょう。

R&L事件(東京地裁令和5年12月1日・労経速2556号23頁)

【事案の概要】

本件は、Y社と期間の定めのある雇用契約を締結していたXが、Y社のXに対する解雇が無効であると主張して、Y社に対し、雇用契約に基づき、660万円+遅延損害金の支払を求める事案である。

【裁判所の判断】

解雇無効
Y社はXに対し、587万7144円+遅延損害金を支払え

【判例のポイント】

1 本件雇用契約時にXの日本語能力は「中級」であることが前提とされていたが、「中級」の基準が明確に定まっていたとまではいえない。ただし、Y社のX採用に至るまでの経緯に照らせば、「中級」とは、少なくとも採用面接時にXがY社と日本語でやり取りした程度の日本語能力をいい、これを前提に本件雇用契約が締結されたと認めるのが相当である。したがって、Xが妻の名前を漢字で書くことができなかった点や、Xの兄が死亡した際にY社従業員の「葬式はどこでやるのか。」という質問の意図が理解できなかったこと等をもって、Xが「中級」程度の日本語能力を欠くとまでは認められない。

2 本件雇用契約には3か月の試用期間が設けられており、仮にXの日本語能力に十分でない部分があったとしても、Xが、日本語教育研究所の評価する日本語能力を有し、かつ、Y社の提供する週1回の日本語教室に通うなどの意欲を示していたことからすれば、上記試用期間3か月のうち約1か月しか経過していない11月25日の時点で、試用期間が満了する令和4年1月24日の時点においても本件雇用契約で前提とされていた「中級」の日本語能力を有さないことが見込まれる状態にあったとは認められない。

能力不足を理由とする解雇の場合、上記判例のポイント2のように判断されることがありますので、注意が必要です。

日頃の労務管理が勝敗を決します。日頃から顧問弁護士に相談することが大切です。