おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。
今日は、特別な諸手当の基礎賃金該当性に関する裁判例を見てみましょう。
大阪内外液輸事件(大阪地裁平成29年9月28日・労判ジャーナル69号27頁)
【事案の概要】
本件は、Xらが、Y社に対し、整備奨励金、出勤奨励金、無事故褒賞金及び運行作業手当が労働基準法37条に基づく時間外割増賃金の支払金額算定に当たっての基礎賃金に含まれていないことが労基法37条等に照らして違法無効であるとして、これらの手当等を基礎賃金に含めた場合の割増賃金と実際に支払われた割増賃金との差額賃金及び労基法114条に基づく付加金の支払を求めた事案である。
【裁判所の判断】
請求棄却
【判例のポイント】
1 整備奨励金等は、労働者の車両整備作業の状況等といった1か月を超える期間における労働者の勤務状況等を勘案して、特別に支給されることが予定された賃金であり、2か月ごとに支給すること自体について、不合理かつ不自然であるとも認められないこと、労働協約等において、整備奨励金については奇数月、出勤奨励金及び無事故褒賞金について偶数月に支給していたこと等から、整備奨励金等は労基法施行規則の「一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金」であり、時間外割増賃金を算定するに当たり、整備奨励金等を基準外賃金として取り扱ったことが労基法等に違反するとはいえない。
その手があったか!と思われた経営者の皆様は参考にしてみてください。
もっとも、現在、毎月支給している場合には、労働条件の不利益変更となりますので、必要な手続を踏まなければなりません。
日頃から顧問弁護士に相談しながら適切に労務管理を行うことが大切です。