おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。
今日は、未払残業代等の労働条件、事業廃止および組合員の解雇等を議題とする団交申入れに対する会社の対応の不当労働行為該当性に関する命令を見てみましょう。
エスト事件(神奈川県労委平成28年5月26日・労判1143号87頁)
【事案の概要】
本件は、未払残業代等の労働条件、事業廃止および組合員の解雇等を議題とする団交申入れに対する会社の対応が不当労働行為にあたるかが争われた事案である。
【労働委員会の判断】
不当労働行為に当たらない
【命令のポイント】
1 Y社が組合から要求された団体交渉開催日に応じないことが、直ちに不誠実な対応といえるものではないし、団体交渉期日は一方的に決めるものではなく、双方の合意によって決められるべきものである。
2 確かに、既にA2及びA3は組合に加入しており、しかも第1回団体交渉が行われた後にもかかわらず、Y社が、事業廃止並びにA2及びA3の解雇について、組合に連絡、協議しなかったことは、結果的に労働組合を無視したものといえる。しかしながら、不誠実団体交渉に該当するか否かという点については、第2回団体交渉で組合は、Y社が事業廃止並びにA2及びA3の解雇について組合に連絡、協議を行わなわなかったことを指摘しているものの、同団体交渉そのものは、前記のとおり不誠実であったとまではいえない上、Y社が、この問題を団体交渉事項とする組合からの団体交渉申入れを拒否した事実もないことから、労組法7条2号に該当するという組合の主張は採用できない。
命令のポイント1について、あまりいじわるなとらえ方はしないほうがいいですね。
会社側の引き延ばしが明らかな場合には、不当労働行為に該当しますので注意してください。
組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。