労働時間30(ジェイアール総研サービス事件)

おはようございます。

今日は、守衛の休憩・仮眠時間中の割増賃金等に関する最高裁判決を見てみましょう。

ジェイアール総研サービス事件(最高裁平成24年9月6日・労判1052号97頁)

【事案の概要】

Y社は、財団法人Aのビル管理等を目的等する会社であって、AからAの研究所における守衛業務を受託していた。

Xは、平成15年3月、Y社に嘱託社員として雇用され、同年4月には社員として総務部守衛室勤務を命じられた。

A研究所における守衛の業務は、守衛室において、受付、鍵の保管、火災報知器への対応、巡回、異常の有無の確認、門扉の施錠等のほか、地震や火災報知器の発報などに臨機に対応するものであった。

守衛の勤務は、一昼夜交代勤務で、休憩時間合計4時間、仮眠時間4時間であり、2人の守衛が交代で休憩・仮眠をとっていた。

Xは、平成17年1月18年12月までの間の休憩時間および仮眠時間が労働時間に当たると主張して、労働時間または労働基準法37条に基づき割増賃金等の支払を求めた。

これに対し、東京高裁は、休憩時間及び仮眠時間は、労基法上の労働時間に当たると判断した。

Y社は、これを不服として、上告・上告受理申立てをした。

【裁判所の判断】

上告棄却、上告受理申立て不受理

【判例のポイント】

労働時間24(ジェイアール総研サービス事件)参照。

以前、紹介した高裁判決が、最高裁でも維持されました。

会社側は、この判例に不満を言っても始まりません。

裁判になれば、このような判断が出ることを前提とした労務管理を行う必要があります。

労働時間に関する考え方は、裁判例をよく知っておかないとあとでえらいことになります。事前に必ず顧問弁護士に相談することをおすすめいたします。