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今日は、賃金要求に対して全従業員との個別面談後に回答するとしたことなどが不当労働行為にあたるとした命令を見てみましょう。
日幸製菓事件(中労委平成27年11月18日・労判1134号95頁)
【事案の概要】
本件は、組合からの賃金要求に対して全従業員との個別面談後に回答するとしたことなどが不当労働行為にあたるかが争われた事案である。
【労働委員会の判断】
不当労働行為にあたる
【命令のポイント】
1 ・・・同年8月23日に開催された団交において、全従業員との個別面談を行った後に回答するとして、「賃金に関する要求」に対する具体的な回答を行わず、回答の根拠となる資料を示さなかった会社の対応は、合理的な理由なく不当に回答を引き延ばす不誠実なものであって、労組法7条2号に該当する不当労働行為であると認められる。
2 他方で、会社は、・・・第4回団交までに人事評価に係る評価項目の概要、評価ランクの定め方及び評価者等、支給基準に関する事項について相当の説明を行っており、また同団交において、それまで不開示としていた評価ランクの人数分布について開示するなど、組合が開示を求める理由が必ずしも具体的かつ十分に説明されない状況において、開示について一定程度協力的な姿勢をみせていることからすると、部門ごとの具体的な評価項目及び各評価ランクの平均金額を開示しないことをもって不誠実であったとまでは認められない。
資料の提示を拒否する場合には、その合理的な理由を説明できないと不誠実団交として不当労働行為に該当します。
また、回答について合理的な理由なく先延ばしを繰り返すのも同様です。
気をつけましょう。
組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。