本の紹介102 自分の頭で考えるということ(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は本の紹介です。
自分の頭で考えるということ
自分の頭で考えるということ

羽生さんと茂木さんの対談形式になっています。

羽生さんのすごさは言うまでもないところですが、実は、茂木さんもかなりすごい人です。

なにがすごいかと言えば、会話の内容の幅広さが尋常ではないということです。

守備範囲が広いわけです。 

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

茂木 最近は『失敗学』ということを行っている先生がいらっしゃいます。ただやはり皆、あまり失敗については触れたくないからきちんと科学しようということにはならない。人間は勝因を考えることはできても、敗因は見つめたくないというところがある。でも対局の後の検討の時には、俺はこういう理由で負けたんだってちゃんと確認しているんですよね。

羽生 将棋のプロなら、絶対に敗因は見つけます。」(133頁)

茂木 人間が生きる中にもいろいろ失敗や成功体験があるのですが、失敗の理由を学ぶことは、ほとんど心理的にできないんです。人間の脳の性質からして、成功というのは勝手に強化されるんです。これを強化学習といいます。でも失敗から学ぶことは非常に難しい。失敗の原因を突き詰めて考え、同じことは二度と繰り返さないようにするということも、ごく単純な場合ならできるんです。」(135頁)

普段の生活で、いちいち失敗の原因を突き詰めて考えることなどありません。

しかし、仕事では、そうはいきません。

同じような失敗は何度も繰り返していては、先へ進めません。

失敗したら、そこで一旦立ち止まり、失敗の原因を探る。

そして、チームで仕事をしている場合には、メンバー全員でその失敗を共有する。

これをしっかりやらないと、失敗した意味がありません。

失敗を共有し、他のメンバーが他人ごとではなく、「自分ごと」として、その失敗から教訓を得る。

このプロセスこそが、次のステップにつながるのだと信じています。

進化していくために、失敗は「新たな気づき」を得るために必要なプロセスなのです。