おはようございます。
さて、今日は本の紹介です。
ロングエンゲージメント なぜあの人は同じ会社のものばかり買い続けるのか
帯には、「ソーシャルメディア時代のマーケティング論」、「企業と生活者の新しい関係を作り上げることこそ、次の広告の役目だ」と書かれています。
タイトルのとおり、企業と生活者が持続的な関係を築くためには、どのようにすればよいかということが書かれています。
広告の役割が以前と今では、かなり変化していることがよくわかります。
かれこれ前から言われていることですが、キーワードは、「共感」です。 この言葉が何度となく登場します。
参考になる点がいくつかありました。
さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。
「これまでのマーケティングは、生活者が合理性に基づいて論理的な行動をとるという前提に立って構築されていました。機能や価格や品質が少しでも違えば、少しでも良い方、安い方に向かって行動すると。しかし市場が成熟した環境では、そのような差は生活者にとっては気にならないほどの微差かもしれません。さらに、ソーシャルメディアの浸透によって、生活者は自ら情報を選択し、共感によって行動するようになっています。よって、マーケティングにある生活者の合理的行動という前提も、もはや崩れつつあるのです。」(97頁)
合理的行動という前提では説明しづらい例として、以下のような事例があげられています。
「たとえば、ディスカウントショップに来ていながら、商品代金の一部がアフリカの地域の寄付金に充てられると知って、他よりも高いミネラルウォーターを購入したり、クレジットカードの特典ポイントを貯める一方で、カードの利用ごとに代金の一部が自由の女神修復資金に充てられるというキャンペーンに賛同したりします。」
生命保険とかが典型例だと思うんですけど、いろんな保険会社からいろんな商品が出ていますが、私たちには、それぞれの違いがわかりません。
結局、大差がなければ、いつもお世話になっている方から勧められた商品に入ろうと思ってしまいます。
結果として、その商品よりも安くて良い商品があるとしても、正直なところ、どうだっていい話です。
マーケティングにおける生活者の合理的行動からすれば、安くて、良い商品であれば、みんな買うと考えるのが合理的です。
しかし、実際には、生活者それぞれが異なる感情を持っており、それぞれが違う「合理性」を感じながら、行動しているのだと思います。
その人それぞれ異なる「合理性」にどれだけ共感できるか、なんだと思います。
私たちは、エスパーではありませんが、他人の気持ちを汲むことはできますよね。
あらゆる仕事で、「共感」力が試されているのだと思いますが、いかがでしょうか。