おはようございます。
著者は、川崎幸病院の大動脈センター長の医師です。
いろいろな医師の本をこれまでにも紹介してきましたが、やはり一流の医師は心身ともにタフです。
本当に勉強になります。
さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。
「私のところに修業に来て、1年もしないうちに辞めていく外科医がいる。辞める理由は様々だが、共通しているのは『しんどい、つらい』ということ。・・・そもそも医者→外科医→心臓外科医→大動脈外科医という順番で過酷になることは、最初からわかっていたのではなかったのか。最初からわかってはいたが、『こんなに大変とは思わなかった・・・』となる。たとえば、自分があの山の頂上まで登ろうと決めたとき、それは条件をつけてから登り始めてはいないだろうか。口では『頂上まで登ります』と言っておきながら、自分の中では、『途中に大変な箇所がなければ、頂上まで行く』、という条件をつけて登る人間が多い。そのような人間は、途中で困難に出くわすと、頂上に行くことをあっさりあきらめてしまう。
そうではない。自分が頂上まで登ると決め、覚悟したからには、どんな困難があっても、目の前の壁を突破して、最後まで登り切らなければならない。その覚悟がないために、途中で挫折するのではないか。」(120~121頁)
この文章でキモとなるのは、「覚悟」という2文字です。
これは医師に限らず、弁護士もそうですし、どんな仕事でも同じです。
ハードワークをする覚悟もないのに、人を助けようなどと思うこと自体がそもそも間違っているのだと僕は思います。
自己犠牲を厭わず、自分を頼ってくれる人のためにどれだけ汗をかけるのか。
そのことを天職だと思えるのか。
そう思える人にとって、医師や弁護士という仕事は本当に天職です。
そう思えない人にかぎって、天職を探して転職を続けるのでしょうね。
職場を変えても、天職を探しているうちは永遠に天職など見つかりません。
天職とは探すものではなく、そう感じるものだからです。
本気で人を助ける覚悟がある人だけが患者さんや依頼者に選ばれ続けるのだと信じています。