本の紹介91 マクドナルドの経済学(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。

マクドナルドの経済学
マクドナルドの経済学

マックの社長原田さんとテレビでおなじみ東大教授の伊藤さんの対談形式の本です。

これまでも何冊か原田さんの本を紹介してきましたが、この本もとても勉強になります。

「他分野の顧客を取り込むこと」「他業種を競争相手として考えるビジネス戦略」の重要性が説かれています。

業界は違っても、参考になる部分は非常に多いです。

この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

伊藤 いま日本で業績不振に陥った企業をよく見ていると、原田会長のいう『らしさ』を失ったところが多いのかもしれません。では、企業の『らしさ』を保つためには、どうすればよいのでしょうか。

原田 それには『お客様の声に迎合しすぎないこと』という覚悟をもつことも大事でしょう。たとえば、マクドナルドのメニューに関するアンケートを取りますと、『オーガニックで、ヘルシーなメニューをそろえてほしい』という声が寄せられます。ところが、いざそうしたものを提供しても、あまり売れていない。

伊藤 なるほど(笑)

原田 ・・・『マクドナルドらしさ』を追求するのであれば、メニューについてはやはり『アメリカらしさ』を貫かなければなりません。・・・いたずらに日本のお客様の消費傾向に迎合する商品を小手先でつくっても、受け入れていただけません。」(49~50頁)

非常に参考になりますね。

その会社「らしさ」を失ったサービスを提供しても、決して、うまくはいかないというわけです。

顧客の声に迎合しすぎることにより、あれやこれやと何でも取り入れると、最終的に、その会社「らしさ」がどんどんなくなってしまうんですね。

まずは、自分の会社や事務所がどのような「らしさ」を持っているのかがわかっていないといけません。

次に、その「らしさ」、つまり、ブランディングを貫くことが必要です。

この商品、この分野といえば、この会社、この事務所と言っていただけるためには、根っこの理念がぶれないことが大切です。

常にこのことを頭に入れておかなければ、いろんなことをやりたくなってしまうんですよね。

私の事務所でも、たくさんの新しいアイデアがありますが、事務所らしさがないものについては、手を出しません。

これから5年間は、ますます「らしさ」を追求していく予定です。