不当労働行為293 組合員2名を含む新入職員7名に対し、組合加入の事実関係等について確認したことが支配介入にあたるとされた事案(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、法人が、組合員2名を含む新入職員7名に対し、組合加入の事実関係等について確認したことが支配介入にあたるとされた事案を見ていきましょう。

一般財団法人日本モーターボート競走会事件(東京都労委令和3年12月21日・労判1266号113頁)

【事案の概要】

本件は、法人が、組合員2名を含む新入職員7名に対し、組合加入の事実関係等について確認したことが支配介入にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

支配介入にあたる

【命令のポイント】

1 本件ヒアリングは、組合員のB及びCとその同期である非組合員5名を訓練後に養成所の教官室に呼び出し、D人事課長が各人と電話で話をする方法で行われている。このように法人が、新入職員7名を教官室に一斉に呼び出し、養成所の職員ではなく本部の人事課長が、組合の勧誘方法、組合加入の経緯又は加入の意思、他の職員の組合加入状況などを詳細に質問すれば、新入職員は、法人が、職員の組合加入の動向等を取り分け注視していることを知るとともに、法人の対応に動揺することは容易に想像できるところである。
そうだとすれば、本件ヒアリングは、組合加入者を動揺させ、組合未加入者に対しては、組合加入を躊躇させるものであったといわざるを得ない。
以上のとおり、本件ヒアリングは、新入職員に対して、法人が職員の組合加入を注視していることを意識させ、組合加入を躊躇させるものであったことから、組合の組織運営に対する支配介入に当たる。

会社の気持ちはわかりますが、これでは不当労働行為になってしまいます。

組合に加入するなとストレートに言わなくても、不当労働行為に当たりますのでご注意ください。

労働組合との対応については、日頃から顧問弁護士に相談しながら進めることが肝要です。