おはようございます。
今日は、組合員3名を、無許可ビデオ撮影等を理由に解雇したことを不当労働行為とした初審命令が維持された事案を見てみましょう。
木村建設事件(中労委令和2年7月1日・労判1234号102頁)
【事案の概要】
本件は、組合員3名を、無許可ビデオ撮影等を理由に解雇したことを不当労働行為にあたるかが争われた事案である。
【労働委員会の判断】
不当労働行為にあたる
【命令のポイント】
1 組合は、基本的に、団体交渉を申し入れる際は、動画を撮影する方針で臨んでおり、これは言った言わないという争いになる事態を避けるとともに、組合員の行動に規制をかけるために組合の内部資料として撮影しているとされるものである。この方針の目的に一定の合理性がないとまではいえない。
2 7月30日付け申入れ後、会社による不当労働行為が度重なっており、組合員らは、更なる不当労働行為が更なる不当労働行為が行われる可能性のある状況において、これを警戒し、不当労働行為が行われた際の記録を残して自らの身を守ろうと考えて会話の秘密録音を行ったものであり、緊急避難的な対応としてやむを得ないものであったといえる。秘密録音は、会社の業務上の秘密を漏えいさせることを目的としたものではなく、実際に漏えいの事実はなく、そのおそれがあったともいえない。
ここまでこじれてしまうと日常業務もままならない状況ではないでしょうか。
動画撮影や秘密録音の問題に対する対処法は、個々の事案によって異なりますので、顧問弁護士に相談をしながら対応しましょう。