不当労働行為254 使用者側代理人の発言と不誠実団交(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、勤務態度および勤務成績不良を理由に組合員1名を解雇したこと及び団交におけるY社の代理人弁護士らによる不適切な発言が不当労働行為とされた事案を見てみましょう。

フォーラム事件(大阪府労委令和2年3月13日・労判1225号103頁)

【事案の概要】

本件は、勤務態度および勤務成績不良を理由に組合員1名を解雇したこと及び団交におけるY社の代理人弁護士らによる不適切な発言が不当労働行為にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 Y社が解雇理由証明書で示した5つの解雇理由については、X組合員の勤務態度及び勤務成績が不良であり、かつ、それらが解雇というY社から排斥すべき程度に重大なものであったと認めることができず、したがって、本件解雇には合理的な理由があるとまではいえない。
Y社は、X組合員の勤務成績や勤務態度を組合加入前から問題視し、それを理由に退職を求めていたものの、組合が未払残業代の支払い要求、パワハラへの抗議、他の社員分の残業代請求と、組合活動を活発化させた時期に本件解雇の予告に踏み切ったとみるのが相当である。

2 30.7.6団交におけるY社の代理人弁護士らによる6月12日の段階では団体交渉の申入れが行なわれていない旨の発言及び組合の権限をめぐるやり取りの際の一連の対応は不誠実というほかなく、かかるY社の対応は、労働組合法7条2号に該当する不当労働行為である。

団交に参加した使用者側代理人の発言によっても、不誠実団交と評価されますので注意が必要です。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。