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今日は、従業員の勤務中の死亡について組合からの団交申入れに対し、会社が、組合員であったことの確認を求め、組合がこれを拒否したため団交が開催されなかった事案を見ていきましょう。
JR東日本運輸サービス事件(群馬県労委令和5年9月27日・労判1300号87頁)
【事案の概要】
本件は、組合が、Y社の従業員であったXが勤務中に死亡したことについて、その勤務状況の説明等やY社の従業員に対する安全配慮義務等を交渉事項とする団体交渉を申し入れたところ、会社は、Xが組合員であったことの確認を組合に求め、組合がこれを拒否したため団交が開催されなかった事案である。
【労働委員会の判断】
本件申立てを棄却する。
【命令のポイント】
1 労組法7条2号において規定する「使用者が雇用する労働者の代表者」とは、「現に使用者と雇用関係にある労働者の代表者」を意味し、労働組合がそれに該当する。
しかし、本件ではXは死亡前に組合に加入したことがないことは前記認定事実のとおりであり、また、Y社の従業員の中には組合の組合員が存在しないことが認められる。
したがって、組合は、労組法7条2号に規定する「使用者が雇用する労働者の代表者」に該当するとはいえない。
あまり見かけない論点ですが、労組法7条2号の規定からすれば、上記の判断となりますね。
労働組合との対応については、日頃から顧問弁護士に相談しながら進めることが肝要です。