おはようございます。
今日は、救済申立てが申立期間を徒過していることを理由に却下された事案を見ていきましょう。
ジェコー事件(埼玉県労委令和4年10月20日・労判1295号100頁)
【事案の概要】
本件は、申立人Xに対するパワハラ・セクハラを議題とした団体交渉において、Y社が事実をねつ造して回答し、Xを職場離脱の常習者に仕立て上げ、Xに精神的な虐待をしたことが、労組法7条1号及び3号の不当労働行為にあたるかが争われた事案である。
【労働委員会の判断】
申立て却下
【命令のポイント】
1 労組法27条2項は、救済申立期間を行為の日から1年としており、これは、行為の時点から長期間経過することにより、証拠収集や事実認定が困難となり、救済命令を出したとしても実益がないか、又はかえって労使関係の安定を阻害するおそれもあるとして定められた客観的な期間というべきである。
本件救済申立てに係るY社の行為としては、令和2年5月21日付けで文書を発出したことが最後であり、本件救済申立ては令和3年8月20日になされているから、本件救済申立てがY社の行為の日から1年を超えてなされているのは明らかである。
この論点の場合、ほとんど例外なく、「継続する行為」に該当するか否かが争われます。
「継続する行為」であるときは、その終了した日から1年となるため、起算日を遅らせることができるからです。
労働組合との対応については、日頃から顧問弁護士に相談しながら進めることが肝要です。