おはようございます。 今週も1週間お疲れさまでした。
今日は、タイムカード等により機械的に労働時間が記録されていない場合の労働時間の算定方法に関する裁判例を見ていきましょう。
クロスゲート事件(東京地裁令和4年12月13日・労判ジャーナル134号28頁)
【事案の概要】
本件は、Y社に雇用されていた元従業員114条所定の付加金等の支払を求め、Xが令和元年10月7日から10日までの間のアルバイトをしていたときの未払アルバイト代等の支払を求めた事案である。
【裁判所の判断】
未払割増賃金等請求、付加金等請求一部認容
未払アルバイト第等請求棄却
【判例のポイント】
1 Y社においては、Xの労働時間をタイムカード等により機械的に記録しておらず、その把握は、従業員が所定の勤務簿(MicrosoftExcelのデータ)に各日の出退勤時刻等を入力して提出する方法によりなされていたことが認められ、Y社がXの提出した出勤簿に記載された勤務時間について疑義を述べた形跡も見当たらないことに照らすと、別段の反証のない限り、Xの始業時刻及び終業時刻は当該出勤簿により認定するのが相当であり、Y社からかかる反証はなされておらず、そして、本件労働契約においては各日の休憩時間が1時間と定められているから、別段の主張立証のない限り、各日について1時間の休憩がとられていたものと認めるのが相当であり、Xからかかる主張立証はなされていないから、Xは、令和2年1月6日から5月20日までの間、「裁判所 時間シート」のとおり労務を提供したものと認められる。
会社から具体的な反証がなく、単に原告である労働者の主張立証が不十分であると反論するだけでは足りません。
労働時間を管理する義務を使用者が負っていることの帰結といえるでしょう。
日頃の労務管理が勝敗を決します。日頃から顧問弁護士に相談することが大切です。