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今日は、事業場外労働のみなし時間制適用の可否に関する裁判例を見ていきましょう。
ヨツバ117事件(大阪地裁令和4年7月8日・労判ジャーナル129号36頁)
【事案の概要】
本件は、Y社の元従業員Xが、時間外労働を行ったとして、雇用契約に基づく割増賃金等の支払を求め、また、不当な天引きがあったとして、雇用契約に基づく未払賃金等を求め、さらに労働基準法114条所定の付加金等の支払を求めた事案である。
【裁判所の判断】
請求認容
【判例のポイント】
1 事業場外労働のみなし時間制の「労働時間を算定し難いとき」(労基法38条の2第1項)に該当するか否かについて、Y社ではタイムカードの打刻が義務付けられており、Xは、タイムカードが残存する月以外の月についてもタイムカードを打刻していたことがうかがわれ、そして、タイムカードは打刻した時刻を客観的に記録するものであること、Xのタイムカードをみると、一部手書きの時刻もあるものの、おおむね出勤時刻及び退勤時刻が打刻されていることからすれば、Y社とすれば、Xのタイムカードの打刻内容を確認することで、Xの労働時間を把握することが容易に可能であったということができること等から、本件におけるXの業務が、「労働時間を算定し難いとき」に当たると認めることはできない。
労働時間の例外規定については、有効要件が厳しいので、安易に導入するのは非常に危険です。
残業代を減らすための王道は、残業時間を減らすことです。
日頃の労務管理が勝敗を決します。日頃から顧問弁護士に相談することが大切です。