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今日は、組合が労組法の規定に適合せず、労組法上の救済を受ける資格を有しないとされた事案を見ていきましょう。
グランティア事件(東京都労委令和2年6月16日・労判1262号97頁)
【事案の概要】
本件は、組合が労組法の規定に適合するかが争われた事案である。
【労働委員会の判断】
労組法の規定に適合しない。
→申立て却下
【命令のポイント】
1 組合においては、役員以外の一般の組合員に組合の「すべての問題に参与する権利」があるとはいえず、役員は「組合員の直接無記名投票により選挙」されておらず、会計報告は「組合員に公表」されていないから、労働組合法5条2項の要件を欠いている。
2 加えて、組合の実態としても一般の個々の組合員が、組合を自主的に組織する主体であるということは困難であり、組合は、「労働者が主体となって自主的に・・・組織する」という労働組合法第2条の要件を欠いているといわざるを得ない。
3 したがって、組合が、労働組合法に規定する手続きに参与し、同法による救済を受ける資格を有するものであると認めることはできない。
法適合組合とは認められないと判断された事案です。
労働組合との対応については、日頃から顧問弁護士に相談しながら進めることが肝要です。