おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。
今日は、組合掲示板の貸与及び休憩室の就業時間外の利用を認めない会社の対応が不当労働行為に当たらないとされた事案を見てみましょう。
グローバル事件(東京都労委令和元年9月17日・労判1232号104頁)
【事案の概要】
組合掲示板の貸与及び休憩室の就業時間外の利用を認めない会社の対応が不当労働行為にあたるかが争われた事案である。
【労働委員会の判断】
不当労働行為にあたらない
【命令のポイント】
1 掲示板の貸与や休憩室の利用等の便宜供与は、労使合意に基づいて行われるものであり、使用者に便宜供与を行う義務があるわけではない。
本件では、28年10月28日の団体交渉で、便宜供与に関する具体的な条件を会社が提出すると述べてはいたものの、その後の団体交渉も含め、便宜供与をするという合意には至っていない。
2 Y社が、組合掲示板貸与及び休憩室の就業時間外の利用という便宜供与を実施することについて組合との合意に至らず、便宜供与を認めていないことが、便宜供与は労使合意に基づいて行われるものであることを踏まえた相当な対応といえる範囲を逸脱して組合を弱体化させる行為に当たるとまでいうことはできない。
一度便宜供与を行うと、その後は、合理的理由なくそれをなくすことは不当労働行為に該当しますので注意は必要です。
だからこそ最初が肝心です。組合との協議、交渉の際は必ず顧問弁護士に相談することが大切です。