本の紹介1065 「無理」の構造(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう!

今日は本の紹介です。

サブタイトルは「この世の理不尽さを可視化する」です。

帯には「理不尽なのは『世の中』ではなく『私たちの頭の中』である。」とも書かれています。

世の中に理不尽を感じる人は、きっとこの本を読んでもその感情は消えません(笑)

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

人間社会の日常に関わる事象については、いつまでたっても同じ過ちが繰り返され、『無駄な努力と抵抗』が永遠に続いているようにも見えます。『歴史から学べ』とはよく言われることですが、私たちが歴史から学べることが一つあるとすれば、それは『歴史からは何も学べない』ということかも知れません。逆に言えば人間は自らの一生の中で数々の失敗と『無駄な努力と抵抗』を直接的に重ねることでのみ賢くなっていけるのかもしれません。」(147~148頁)

労務管理の世界でも同じことがいえます。

典型例は、管理監督者性と固定残業制度です。

判例により要件が明確にされて以降も、多くの会社がいまだに同じ過ちを繰り返し続けております。

歴史から学べるかどうかは、すなわち、モノを知る環境に身を置いているか否かの違いにつきます。

すべての分野を自ら勉強することはほぼ不可能です。

だからこそその道の専門家をブレーンに置き、レクチャーを受けられる環境に身を置くのです。

これができれば、少なくとも「不必要な失敗」の多くは避けることができます。