おはようございます。
87日目の栗坊トマト。完全なるトマトです!
今日は、労組の団交申入れに対し、取締役が組合員と直接面談し、労組からの脱退を勧奨し労組を誹謗中傷する発言を行ったことが不当労働行為とされた事案を見てみましょう。
ほうびほか1社事件(神奈川県労委平成31年1月11日・労判1205号93頁)
【事案の概要】
本件は、労組の団交申入れに対し、取締役が組合員と直接面談し、労組からの脱退を勧奨し労組を誹謗中傷する発言を行ったことが不当労働行為にあたるかが争われた事案である。
【労働委員会の判断】
不当労働行為にあたる
【命令のポイント】
1 Y社の取締役であったAがXと連絡を取り、同人との間で行った面談及び同面談でのXに対するAの発言内容は、組合の運営や組合活動を阻害するおそれのあるものであるから、組合の運営に対する支配介入に当たる。
2 Z社は、実質的にY社と同一であり、労使関係においてもY社の地位を承継しているとみることができ、Z社は、Xとの関係において、労組法第7条の「使用者」に当たる。
Y社の取締役であり、Z社の従業員でもあるAがY社及びZ社の両社の立場でXと接していたとみることができること、Z社が実質的にY社との一体性を有するほか、労使関係においてもY社の地位を承継していることからすると、AがXに対して直接交渉を行ったこと及び同交渉におけるYの発言内容等は、組合の運営に対する支配介入に当たる。
上記命令のポイント1は、基本中の基本ですので、使用者としては理解しておかなければなりません。
組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。