おはようございます。 今週も一週間お疲れさまでした。
83日目の栗坊トマト。これからどれだけ実がつくのでしょうか。楽しみです。
今日は、希望退職に応じない組合員に対して退職条件を説明する等の個別面談を行い、退職を勧奨したことが不当労働行為とされた事案を見てみましょう。
新井鉄工所事件(東京都労委平成30年12月4日・労判1205号94頁)
【事案の概要】
本件は、希望退職に応じない組合員に対して退職条件を説明する等の個別面談を行い、退職を勧奨したことが不当労働行為にあたるかが争われた事案である。
【労働委員会の判断】
不当労働行為にあたる
【命令のポイント】
1 Y社は、組合員に個別面談を行った理由として、希望退職者には退職金規程に定められた退職金に加え、更なる優遇措置を講じていたものの、団体交渉において組合に説明しようとしても、組合がこれに応じなかったので、希望退職の条件も含め、組合員と非組合員の別なく説明及び情報提供を行うべきと考えたと主張するところ、この主張に一定の理解ができないではない。しかし、説明や情報提供が目的であったとすれば、説明会の開催に加え、組合や組合員の反対を押し切ってまで個別面談を4回も実施する必要はないはずであるし、4回目の個別面談で、Y社が出席者をそれまでの1名から2名に増やす必要もなかったといえる。
また、Y社は、非組合員のみに個別面談を実施すると、組合のそれまでの対応から、後に、組合員ゆえに差別したとの指摘がなされるのではないかと懸念したことも理由として挙げているが、組合は希望退職に応ずる考えのない組合員への個別面談をしないよう求めていたのであるから、その理由に合理性を認め難い。
そうすると、Y社が希望退職に応じなかった組合員に対して、4回にわたり個別面談を実施したことは、組合の頭越しに個々の組合員に対して希望退職に応ずるよう直接働き掛けるものであったといわざるを得ず、支配介入に当たる。
対応が難しいですね。
Y社の考えていることも全く不合理とはいえないと思いますが、結果としては不当労働行為に該当すると判断されています。
組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。