おはようございます。 今週も一週間お疲れさまでした。
51日目の栗坊トマト。縦とともに横にも大きくなってきました!
今日は、学習塾講師の労働基準法上の労働者性に関する裁判例を見てみましょう。
類設計室事件(大阪地裁令和元年5月30日・労判ジャーナル90号24頁)
【事案の概要】
本件は、Y社が運営する学習塾に務めていた元講師Xが、Y社に対し、労働契約に基づき、未払の時間外、休日及び深夜割増賃金計約487万円等の支払、また、労働基準法114条に基づき、上記未払賃金と同額の付加金の各支払を求めた事案である。
【裁判所の判断】
一部認容
付加金請求は棄却
【判例のポイント】
1 Y社の講師は、Y社が指定する教室においてY社が指定する教科を担当することが指示され、これを拒否することはできなかったこと、Y社が作成したテキストをY社が作成したマニュアルに従って授業を行わなければならなかったこと、原則として午後2時から午後11時までの間、指定された教室で、各種事務に加えてY社が定めた授業配置表に従って授業を行うとともに、活動記録により毎日の出退社時刻及び活動内容別の活動時間数を本部へ報告することを義務付けられていたこと、Y社の講師は、自己の判断だけで代講者を決めることはできなかったこと、毎月、給与の名目で固定額の基本給及び扶養手当から構成される報酬が支払われていたこと、Y社は、講師の報酬について給与所得として源泉徴収を行っており、かつ講師を労働保険の適用対象としていたことから、Y社の講師は、Y社の具体的な仕事の依頼、業務従事地域の指示等に対して許諾の自由を有しないこと、Y社から業務の内容及び遂行方法について具体的な指揮命令を受けていること、勤務場所・勤務時間に関する拘束性があること、業務の代替性が認められないこと、報酬の労務対償性があること等から、Xは、労働基準法上の労働者である。
まあ、これを雇用ではなく業務委託というのは無理がありますね。
労働法の適用を排除する目的で無理矢理、一人親方とするような例が後を絶ちませんが、大方、雇用ですので、裁判を起こされれば、多くは負けることになります。
労働者性に関する判断は本当に難しいです。業務委託等の契約形態を採用する際は事前に顧問弁護士に相談することを強くおすすめいたします。