不当労働行為207 代理店主の労働者性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、会社と代理店契約を締結して会社の商品を販売する代理店主は労組法上の労働者といえないから、代理店主の組織する労組は労組法による救済を受ける資格を有しないとされた事案を見てみましょう。

シャルレ事件(東京都労委平成30年4月3日・労判1185号90頁)

【事案の概要】

本件は、会社と代理店契約を締結して会社の商品を販売する代理店主が労組法上の労働者にあたるかが争われた事案である。といえないから、

【労働委員会の判断】

労組法上の労働者とはいえない

【命令のポイント】

1 本件における代理店は、①会社の事業遂行に不可欠な販売組織として組み入れられており、②会社が本件代理店契約の内容を一方的・定型的に決定しているということができるが、③代理店が得る収入に労務対価性は認められず、④会社からの個別の業務の依頼に応じずべき関係にあるということもできず、⑤業務の遂行に当たり会社の指揮監督下に置かれているとも、時間的場所的な拘束を受けているともいえない一方、⑥強い事業者性を認めることができる

2 本件代理店主は、自己の裁量にて、傘下の下位販売者により形成される組織の維持及び拡大を図りつつ、本件代理店契約や会社のビジネスルールに従って商品を販売する、会社の事業取引の相手方とみるほかなく、会社との関係において、労組法上の労働者であると認めることはできない。

ときどき「え!これで労働者性が認められる?」みたいな判断がなされることがあるため、どうしてもチャレンジしたくなってしまうところです。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。