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今日は、組合員の労災にかかる団交申入れに対する会社の対応および労組のビラ配布等の宣伝活動に対する会社の警告書送付がいずれも不当労働行為に当たらないとされた事案を見てみましょう。
三協技研工業ほか1社事件(神奈川県労委平成30年2月26日・労判1183号90頁)
【事案の概要】
本件は、組合員の労災にかかる団交申入れに対する会社の対応および労組のビラ配布等の宣伝活動に対する会社の警告書送付がいずれも不当労働行為に当たるかが争われた事案である。
具体的には、以下のとおりである。
組合は、Y2社の取引先であるA1社及びA2社の社前等においてビラを配布する等の宣伝活動を行った。Y2社は、組合に対し、再び宣伝活動を行った場合、法的手段を採るとともに、名誉棄損罪および業務妨害罪で刑事告訴する旨記載した警告書を送付した。
【労働委員会の判断】
不当労働行為にあたらない
【命令のポイント】
1 確かに、組合には、憲法28条に基づく団体行動権が保障されている。
しかし、A1社及びA2社は本件労災とは全く関係のない第三者であり、これらの者に対して宣伝活動をしても、本件労災に端を発する一連の問題の解決に直結するものとはいえない以上、Y2社が組合に警告書を送付したことには相応の理由があると認められる。
よって、Y2社が組合に警告書を送付したことは、組合の運営に対する支配介入には当たらない。
会社側の対応としては、難しいところですが、結果としては不当労働行為にあたらないということです。
組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。