おはようございます。
今日は、パートタイマーとの雇用契約の締結および更新に当たり、労組への加入の意向を質問したり、その旨の記載のある雇用契約書を使用したことが不当労働行為とされた事案を見てみましょう。
サンプラザ事件(大阪府労委平成29年12月11日・労判1178号94号)
【事案の概要】
本件は、パートタイマーとの雇用契約の締結および更新に当たり、労組への加入の意向を質問したり、その旨の記載のある雇用契約書を使用したことが不当労働行為にあたるかが争われた事案である。
【労働委員会の判断】
不当労働行為にあたる
【命令のポイント】
1 通常、雇用契約の締結において、使用者が労働者よりも優位な立場にあるのだから、各パートタイマーが本件ユニオン条項にはいと回答しなければ、契約が締結されない可能性があると感じるのも無理からぬものであって、かかる様式の変更は、実質的には、Zへの加入を勧奨又は強要するものと解され、中立保持義務に違反し、Zの組織強化を助け、もって組合の弱体化をもたらすものであることは明らかである。また、Y社は、Zの組織強化を助け、もって組合の弱体化を企図して、本件ユニオン条項を追加するなどしたものと推認される。
さらに、本件の中立保持義務違反は、雇用契約の締結という労使関係の根幹に係る局面で行われており、本件ユニオン条項は組合の活動に影響を及ぼすものと判断される。
まあ、そうでしょうね。
同様のアンケートを取ることもまた不当労働行為に該当する可能性が高いですね。
組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。