おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。
今日は、プロジェクト遅延等を理由とする解雇に関する裁判例を見てみましょう。
CAEソリューションズ事件(東京地裁平成29年2月28日・労判ジャーナル73号51頁)
【事案の概要】
本件は、Xが解雇されたところ、同解雇は解雇権の濫用に当たり無効であるとして、Y社に対し、労働契約上の地位確認、解雇日以降の賃金、賞与、違法解雇による慰謝料の支払を求めた事案である。
【裁判所の判断】
請求棄却
【判例のポイント】
1 Xは、中途採用されてから1年数か月の間に複数のプロジェクトを担当し、いずれのプロジェクトにおいても、成果物の完成が遅れてもその進捗状況を上司に報告せず、納期の直前又は当日になると体調不良等を理由にして会社を休み、自らの職責から逃避するということを繰り返し、顧客からは不信感を抱かれてXを外すよう求められ、あるいは取引を事実上停止されるに至っており、Y社側は、懲戒処分としての減給、勤務改善勧告をなし、遵守事項等を指導しており、減給に対しても反省の態度は全く見られないこと等に照らせば、改善を期待できるような状況ではなく、解雇には客観的に合理的な理由がある。
ここまで揃えば、裁判所も解雇を認めてくれます。
多くの場合、こうなる前にしびれを切らして解雇してしまうため、無効と判断されてしまうのです。
解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。