おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。
今日は、組合員の雇用維持や組合活動の保障等を議題とする団交申入れに対して、法人の提案する団交ルールに応じなければ団交開催は困難であるとした法人の対応を不当労働行為に当たるとした事案を見てみましょう。
学校法人大乗淑徳学園(淑徳大学)事件(中労委平成29年10月4日・労判1174号93頁)
【事案の概要】
本件は、組合員の雇用維持や組合活動の保障等を議題とする団交申入れに対して、法人の提案する団交ルールに応じなければ団交開催は困難であるとした法人の対応を不当労働行為に該当するかが争われた事案である。
【労働委員会の判断】
不当労働行為に当たる
【命令のポイント】
1 5.9団交申入れにおいても、組合は、学外施設の使用は、移動に要する時間、交通費、労力、借用時間の制限を伴うこと及び団体交渉で資料が必要となった際の対応が困難となることを理由に挙げて学内での団体交渉を求めたが、Y社は、4.22回答と同様に学校施設は教育の場であり労働組合の活動等の場所ではないという抽象的な理由をもって学内での開催を拒否し、学内での開催による大学の業務や教育活動上の支障等について具体的な説明を行っていない。
2 Y社は、組合員の雇用の維持という重要な議題を含む本件団交申入れに対し、交渉場所について組合の主張する条件を採れない合理的な理由を具体的に説明することなく、学外に限るとの自らの条件に固執して団体交渉を開催しなかったといわざるを得ない。したがって、Y社は、団体交渉の開催条件について労使の主張の食い違いを解消し、団体交渉の開催に向けて真摯に努力したとはいえず、Y社が団体交渉の開催に応じなかったことに正当な理由があったとはいえない。
このような例はとても多いです。
使用者側は気をつけましょう。
組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。