Monthly Archives: 3月 2018

不当労働行為191 団交における使用者の説明と誠実交渉義務違反(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、日々雇用労働者である組合員2名の賃上げに関する団交における会社の対応が不当労働行為とされた事例を見てみましょう。

千代川運輸事件(東京都労委平成29年5月23日・労判1167号144頁)

【事案の概要】

本件は、日々雇用労働者である組合員2名の賃上げに関する団交における会社の対応が不当労働行為にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 損益表は、Y社が、Y社の総勘定元帳等から、本件事業部門における車両1台当たりの売上げと経費の平均のみを抜き出し加工した資料であるところ、Y社は、損益表の基となる資料等から何ら組合に示していないので、組合は、損益表だけではその数字の真偽及び内容を十分に検討することができない。現に、損益表の売上げと経費には、運送業務以外の倉庫管理業務の売上げや、管理業務に従事する人の給料も含まれていたことが、本件審査手続において明らかになったが、Y社はそうした説明も一切していない
したがって、損益表やY社の5月1日付回答書や5月21日の団体交渉における説明は、本件事業部門に限ってみても人件費総額や運転手の平均年収の推移等の分かる資料の開示等を求める組合の要求に対し不十分なものであったといわざるを得ない。

2 さらに、本件団体交渉当時、Y社全体では黒字であり、このような状況下で実施された団体交渉において、賃上げ余力はない旨を説明していたのであるから、自らのかかる説明を裏付ける根拠として、組合の要求する4点の資料を全て提示するかどうかはともかくとして、少なくとも、組合が他部門を含むY社全体の経営状況と、その内訳としての本件事業部門の収支状況を正確に把握した上で、その内容を分析、検討して交渉に臨めるだけの資料を提示するなどして説明を行う必要があったというべきであり、損益表を提出して本件事業部門について説明したことをもって、組合の団体交渉に誠実に応じていたということはできない。

誠実交渉義務とは、換言すれば、会社が説明を尽くすということなので、賃上げをするかどうかということよりも、賃上げをしない理由を説明することが求められているのです。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介773 群れない。(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
群れない。 ケンブリッジで学んだ成功をつかむ世界共通の方法

サブタイトルは「ケンブリッジで学んだ成功をつかむ世界共通の方法」です。

個人的には、「日々努力することを継続すること」、「人が休んでいるとき、遊んでいるときに努力すること」が成功をつかむ世界共通の方法だと思っています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

人間が生きるとは、ひたすら死に向かって生きていることに他ならない。死を意識すると、人生が有限という事実に、目を向けざるを得なくなる。その意味でも成功者は、群れているヒマなどないってことを理解している。キミもやたらと群れることで時間の垂れ流しをしてはいけない。一時間は誰にとっても同じ一時間だが、どう使うかで、その価値は大きく変わってくるからだ。」(159~160頁)

会合や同業者の集まりで群れていて、いいことなんてほとんどありません。

ただなんとなく定例会だから出ているにすぎないのですから。

時間が無限に続くのであればともかく、限りある貴重な時間を無駄なことに使いたくないのです。

モッタイナイ。

自分が大切だと思うことのために大切な時間を使いたいのです。

だからできる限り、会議や集まりには出席しないと決めています。

解雇259 整理解雇が有効と判断されるために必要なこととは?(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、社会福祉法人解散による元職員らの解雇無効地位確認等請求に関する裁判例を見てみましょう。

社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会事件(東京地裁平成29年8月10日・労判ジャーナル71号34頁)

【事案の概要】

本件は、Y社との間で労働契約を締結していた元職員らA、Bが、Y社のした解雇が無効である旨をそれぞれ主張して、Y社に対し、Aらそれぞれが労働契約上の権利を有する地位にあることの確認及び民法536条2項に基づき本件各解雇後の賃金の支払をそれぞれ求めるとともに、本件各解雇が無効であることを前提に、Y社と全国手をつなぐ育成会連合会とは実質的に同一である旨を主張して、法人格否認の法理により、連合会に対し、上記と同様の請求をし、あわせて、Aらは、Y社及び連合会が共謀して不当な本件各解雇を行い、もって、Aらそれぞれに対する不法行為を行った旨を主張して、Y社及び連合会に対し、共同不法行為に基づき、精神的損害の賠償等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1  Y社が本来確保しておくべきことが公的に要請されている基本財産の取崩しが恒常化している中で、近い将来にY社の経営が困難となると判断したことは、客観的な根拠に裏付けられたものということができ、Y社には、Y社を解散することに伴い、人員削減の必要性があったものというべきであり、Y社は、希望退職の募集を行い、応募した者には退職金を増額しこれに加えて100万円を支給することとし、これを受け、上記募集を受けた職員ら合計6名のうち、Aらを除く4名は、上記希望退職の募集に応じたというのであるから、Y社は、Y社が当時行い得たAらの解雇を回避するための措置及びこれに代わり得るAらの負担の軽減のための合理的な措置を、相応に行っていたものというべきであり、さらに、Aらを含むY社の全職員がY社を退職したことが認められる事実に照らせば、本件各解雇に係る人選の合理性に欠けるところはないものというべきであり、そして、Y社は、訴外組合に対し、団体交渉に応じる意向を示し、Aらに対し、相応の説明をしていることをも踏まえると、本件各解雇の手続の相当性に殊更問題があったということはできないことから、本件各解雇は客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当なものとして、有効というべきである。

2 Y社が解散し、事務局を廃止してY社の職員を全員解雇するとのY社の判断が合理的なものであること、Y社は上記廃止に際してAらのみならずY社が当時雇用していた全従業員との雇用契約を終了させたことから、Y社に不当な目的があったとは認め難いものというべきであり、本件各解雇は有効であるから、AらのY社に対する労働契約上の権利を有する地位にあることの確認の請求及び民法536条2項に基づく本件各解雇後の賃金の支払の請求には、いずれも理由がなく、また、Aらの連合会に対する労働契約上の権利を有する地位にあることの確認の請求及び民法536条2項に基づく本件各解雇後の賃金の支払の請求は、本件各解雇が無効であることの前提とするものであるから、同様にいずれも理由がない。

上記判例のポイント1のようにしっかり手続きを進めていけば問題ありません。

慌てず、やるべきことをやることがとても大切です。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介772 「自分」を仕事にする生き方(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は本の紹介です。
「自分」を仕事にする生き方

まさにユーチューバーの方などは「自分」を仕事にする生き方を実践されていますね。

昔では考えられなかったような仕事が生まれているのがよくわかります。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

運命を常に味方につけるためには、フットワークを軽くすることが何よりです。そしてフットワークを軽くするためには優先順位をはっきりさせることと、荷物を軽くすることが大事だと思います。優先順位が曖昧だと、決断に迷いが出て、うだうだしているうちに運命的な瞬間を逃がしてしまう。荷物が多かったり重かったりすると物理的に移動が面倒になるので、これまたチャンスを逃がしてしまいます。」(129~130頁)

荷物を軽くするというのは、常々、私もよく言うことです。

あまり「モノ」を持ちすぎないという発想が、あらゆる意味でフットワークを軽くするのです。

例えば、生活拠点を移そうとするときに、持ち家と賃貸ではどちらのほうが気軽に移動できるか。

モノは少なければ少ないほうがいいです。

それは組織も同じことです。

大きくなればなるほど動きが鈍くなる。

決断が遅くなる。

身軽が一番です。

解雇258 解雇が有効と判断されるために準備すべきこととは?(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は、採用ポストに対する職務能力欠如に基づく解雇に関する裁判例を見てみましょう。

アスリーエイチ事件(東京地裁平成29年8月30日・労判ジャーナル71号29頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の元従業員Xが、Y社による解雇の意思表示は違法無効なものであるとして、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、不法行為に基づき、違法な解雇による損害(逸失利益として6か月分の給与合計330万円及び慰謝料165万円)の賠償を求めた事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 Xは、会社代表者の次の地位に当たる総合管理職兼営業部長として採用された者であり、その業務内容として、従業員の管理のほか、営業部長として新規取引先の開拓も含まれていたにもかかわらず、在籍した3か月間、新規取引先を1件も開拓しなかったことが認められること等から、就業規則所定の解雇事由は存在し、本件解雇には客観的に合理的な理由があると認められ、また、総合管理職としての業務をみても、会社代表者の許可を得ることなく、部下の就労を違法就労と決めつけ、その労働時間の短縮を指示したほか、会社代表者の許可を得ることなく、本件経費精算手続を大幅に変更した結果、3か月後に従前の経費精算手続に戻す事態になるなど、社内に混乱を生じさせており、さらに、X自らが、部下に対し、作成を指示していた出張報告書を自分の出張に関しては作成していなかった結果、Y社の税理士から、Xの経費精算について、疑問を呈されるなど、総合管理職に求められる資質に問題があると言わざるを得ないから、本件解雇は、社会通念上相当であると認められる。

解雇事由の存在を裏付けるエビデンスを用意すること、会社の業務にいかなる支障が生じたのかについて具体的に主張立証することがとても大切です。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介771 プロ棋士の思考術(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
プロ棋士の思考術 (PHP新書)

10年程前の本ですが、読み返してみました。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

碁は感情の戦い、感情の交換でもあるのだと、つくづく思う。世の中の動きや、運のよしあしなども、感情の動きから起きている気がする。人間は感情の動物なのだ。心で戦っている。だから心の向きをちょっと変えるだけで、弱い人間が強くなることもある。技術的には互角でも、たとえばタイトル戦のような大一番に強い人、弱い人が分かれるのは、そのためだ。」(137~138頁)

これは碁に限ったことではありませんね。

仕事全般にあてはまるのではないでしょうか。

感情のコントロールができる人とできない人とでは、同じ出来事、事象についての受け止め方が180度異なります。

これも結局は考え方の習慣の話ですね。

決して性格の問題ではないと確信しています。

セクハラ・パワハラ38 セクハラと慰謝料の金額(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、市議会議員のセクハラに対する職員の損害賠償等請求に関する裁判例を見てみましょう。

市議会議員(セクハラ)事件(宇都宮地裁平成29年10月25日・労判ジャーナル71号26頁)

【事案の概要】

本件は、小山市の職員が、同市議会議員から、議員や同議会事務局職員などが参加する懇親会において、議員の席の隣に職員が座っていた際に、背中全体をなでるように触られたり、耳元に口を近づけたりされた、ステージ上でデュエットをする際に、職員の体を議員の方に引き寄せられ、職員の耳元に口を近づけたりされた、同懇親会終了後に電話で男女関係を強要されたなどのセクハラを受けたと主張して、議員に対し不法行為に基づく慰謝料200万円等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

慰謝料30万円を認容

【判例のポイント】

1 事実1(議員が、本件懇親会において、議員の席の隣に座って選曲のためにカラオケの本を見ていた職員に対し、職員の背中や腰に手を回したり、背中全体をなでるように触ったり、職員の耳元に口を近づけたりした事実)は認められるが、事実2(議員が、本件懇親会において、職員と議員のデュエット中に、職員の体を議員のほうに引き寄せ、職員の耳元に口を近づけてきた事実)及び事実3(議員が、本件懇親会の終了後、職員に対し、電話で「俺の女になってくれ」などと言った事実)は認められず、事実1が職員の意に反して行われたことは、行為のとき職員が背中をそらすなどして不快感を示していることや本件懇親会後あまり期間が経過していない時期に他の職員や弁護士に話をしていることなどから明らかであり、事実1の行為は、相手の意に反する深いな性的言動と認められ、セクハラに該当するものであり、これは職員の性的自由ないし人格権を侵害するものであるから、不法行為が成立し、このような議員の職員に対するセクハラの態様・程度、職員がその後不安障害になったと診断されていること等から、職員が被った精神的苦痛を慰謝する金額は30万円をもって相当と判断する。

一般的なハラスメント事案については、裁判所は多額の慰謝料を認めてくれません。

ハラスメント事案については、そもそもそのような事実が存在したのか自体が争われることもあるため、原告としてはどのようにして立証するかを提訴前に十分検討しなければなりません。

ハラスメントについては、注意喚起のために定期的に研修会を行うことが有効です。顧問弁護士に社内研修会を実施してもらいましょう。

本の紹介770 最強の人生指南書(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
最強の人生指南書(祥伝社新書205)

齋藤先生の少し前の本です。

サブタイトルのとおり、末松の儒学者である佐藤一斎の「言志四録」を解説してくれている本です。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

今時の人は、口ぐせのように忙しいという。しかし、そのしているところを見ると、実際に必要なことをしているのは十の中の一、二に過ぎず、つまらない仕事が、十の中の八、九である。そして、このつまらない仕事を必要な仕事と思っているのであるから、これでは忙しいのももっともなことだ。本当に何かをしようとする志のある者は、こんなあなに入り込んではいけない。」(48~49頁)

今自分がやっている仕事に、無駄なプロセスが含まれていないかを厳密に見ることが求められます。

時間がかかりすぎていないか。

もっと効率よくできないか。

こういうことを考えることなく、ただ漫然と言われた通りにやるという習慣が身についている人はそこからなかなか抜け出せません。

差はどんどん広がるばかりです。

時間は有限であることを意識すると人生は変わります。

賃金145 固定残業代が無効と判断された理由とは?(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、固定残業代の主張を認めず、割増賃金請求を認容した裁判例を見てみましょう。

マンボー事件(東京地裁平成29年10月11日・労経速2332号30頁)

【事案の概要】

本件は、漫画喫茶などを運営する株式会社であるY社との間で労働契約を締結し、Y社の本社において夜間の電話対応や売上げの集計業務に従事していたXが、Y社はXの同意なく賃金を減額したほか、労働基準法所定の割増賃金を支払っていないなどと主張して、①労働基準法に従った平成26年2月から平成28年2月までの割増賃金や上記減額された賃金+遅延損害金、②割増賃金に係る労働基準法114条の付加金+遅延損害金の各支払を求めるとともに、Y社の雇用保険、健康保険及び厚生年金保険の届出義務の懈怠により、健康保険からの給付を受給できない等という不安定な状態のまま就労することを余儀なくされ、精神的苦痛を被ったと主張して、③不法行為に基づき、慰謝料100万円+遅延損害金の支払を求める事案である。

【裁判所の判断】

Y社はXに対し、未払賃金1212万4698円+遅延損害金を支払え

Y社はXに対し、付加金300万円+遅延損害金を支払え

Y社はXに対し、慰謝料10万円+遅延損害金を支払え

【判例のポイント】

1 Cは、同面接時、Xに対し、勤務条件について、休憩1時間を含めた1日12時間シフトの週6日勤務で、賃金総額が30万円であり、賃金総額の増額決定がない限り同額を超えて支給されることは一切ない旨を説明したにとどまり賃金総額30万円のうちのどの部分が固定残業代に当たるのかについて説明をしていなかったものである。しかるに、同説明のみでは、賃金総額について、通常の労働時間の賃金に当たる部分と労働基準法37条の定める割増賃金に当たる部分とを判別することができず、Xが同説明を受けた上で本件労働契約を締結したとしても、Y社との間で有効な固定残業代に関する合意をしたとはいうことはできない。

2 また、仮に本件固定残業代についてXの同意があったとしても、本件労働契約においては当初から、労働者の労働時間の制限を定める労働基準法32条及び36条に反し、36協定の締結による労働時間の延長限度時間である月45時間を大きく超える月100万円以上の時間外労働が恒常的に義務付けられ、同合意は、その対価として本件固定残業代を位置付けるものであることからすると、36協定の有効性にかかわらず、公序良俗に反し無効である(民法90条)と解するのが相当である。

3 なお、Y社は、本件固定残業代に関する合意が無効となるとしても、当事者の合理的意思からすれば、少なくとも36協定により合意された45時間分の時間外労働に対する割増賃金を固定残業代の形で支払う旨の合意であると解釈すべきであると主張する。・・・本件においては、採用面接時のCの説明内容からしても、Y社において少なくとも36協定により合意された45時間分の時間外労働に対する割増賃金を固定残業代の形で支払う旨の意思が包含されていたとは認め難く、他方で、Xは賃金総額の振り分け方法についてさえ十分に理解していなかったものであり、これまで判示したところに照らして、X及びY社にY社が主張するような合理的意思を見出すことは困難といわざるを得ない。

4 Y社は本件固定残業代を超過する残業代の精算すら行っていなかった一方で、本件固定残業代が無効となる結果、Y社は、Xに対し、同業他社の賃金相場に照らして相当高額の基礎賃金を支払っていたことになることなど、本件に現れた一切の事情を考慮すれば、Y社に対し、付加金として300万円の支払を命じるのが相当である。

上記判例のポイント2、3はしっかり頭に入れておきましょう。

上記判例のポイント3は、原告としては、ザ・ウィンザー・ホテルズインターナショナル事件札幌高裁判決を参考にしていると思いますが、今回は認められませんでした。

残業代請求訴訟は今後も増加しておくことは明白です。素人判断でいろんな制度を運用しますと、後でえらいことになります。必ず顧問弁護士に相談をしながら対応しましょう。

本の紹介769 スピード決断トレーニング(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は本の紹介です。
人より10倍仕事がはかどる! スピード決断トレーニング (PHP文庫)

どうすれば今以上に決断するスピードを上げられるか。

優柔不断で決断力のない人は是非お読みください。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

悩んでも変化しないことは考えない
あなたの会社において、どちらを選択しても結果がたいして変わらないことを議論して、時間を浪費していないでしょうか。意思決定の選択肢がある場合、どうコストや収益が変わるのかを見極めることが先決です。どちらも結果に大差がないのであれば、案ずるより生むが易しです。」(72~73頁)

同感。

とにかくどうでもいい会議や議論が多すぎだと感じるのは私だけではないはずです。

時間がもったいない。

どっちだっていいことに時間をかけて悩まないというくせをつけることで、どれだけの時間が節約できるでしょう。

中にはじっくり考えたほうがいいこともあるでしょうが、そんなことはほんのわずかです。

日々の決断の99%は「どっちだっていい」「どうでもいい」ことの決断ばかりです。

どうでもいいことにこだわらない生き方、おすすめです。