おはようございます。
今日は、申立外会社からの受注業務削減を理由として組合員3名を配転したこと、および同人らの賃金を減少させたことが不当労働行為に当たらないとされた事案を見てみましょう。
大分運送事件(大分県労委平成29年9月29日・労判1170号89頁)
【事案の概要】
本件は、申立外会社からの受注業務削減を理由として組合員3名を配転したこと、および同人らの賃金を減少させたことが不当労働行為に当たるかが争われた事案を見てみましょう。
【労働委員会の判断】
不当労働行為にあたらない
【命令のポイント】
1 申立外会社からチャーター便業務の寝具部門に係る集配車両を減車する旨通告されたため、Y社は余剰となった従業員の配置転換を行うことは困難と判断し、全従業員に対して希望退職の募集を行っており、当該募集手続において、Y社は、組合員・非組合員を区別していないことが認められる。
2 さらに、当該減車が行われた後、結果的に非組合員のみが申立外会社の寝具部門を新規に受注したCに採用されたが、誰を採用するかは同社の自由意思に委ねられる性質のものであるので、同社から告げられた移籍予定の従業員に対し、Y社は異論を述べる立場にはないと考えられる。
これらのことに鑑みると、Y社には本件配置転換を行うに当たり業務上の必要性があったとみることができ、手続においても相当であったとみることができる。
組合員と非組合員を区別していないということがとても重要です。
そして、区別していないということを裏付ける証拠をしっかり持っておくことがとても大切です。
組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。