Daily Archives: 2017年1月6日

解雇219 勤務態度不良を理由とする試用期間中の解雇(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は、試用期間中の解雇無効地位確認等請求に関する裁判例を見てみましょう。

まぐまぐ事件(東京地裁平成28年9月21日・労判ジャーナル57号18頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の従業員であった元従業員Xが、試用期間中に留保解約権の行使により解雇されたところ、Y社に対し、本件解雇の無効を主張して、労働契約に基づき、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、未払賃金等の支払いを求めた事案である。

【裁判所の判断】

解雇は有効

【判例のポイント】

1 Xには上司の指導や指示に従わず、また上司の了解を得ることなく独断で行動に出るなど、協調性に欠ける点や、配慮を欠いた言動により取引先や同僚を困惑させることなどの問題点が認められ、それを改めるべく会社代表者が指導するも、その直後に再度上司の指示に素直に従わないといった行動に出ていることに加え、上記の問題点に対するXの認識が不十分で改善の見込みが乏しいと認められることなどを踏まえると、試用期間中の平成27年4月10日の時点において、Y社が「技能、資質、勤務態度(成績)若しくは健康状態等が劣り継続して雇用することが困難である」(就業規則15条3項)と判断して、元従業員を解雇したことはやむを得ないと認められ、本件解雇には、解約権留保の趣旨・目的に照らして、客観的に合理的な理由があり、社会通念上も相当というべきであるから、本件解雇は有効である。

太字にした部分の解雇理由を客観的に裏付られる資料を揃えられるかが勝敗を決します。

Easier said than done. 

試用期間中だからといって簡単に解雇(留保解約権の行使)をすることだけは避けましょう。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。