おはようございます。
著者は、日本初のプロゲーマーの方です。
以前にも、著者の本である「勝ち続ける意志力」「勝負論」を紹介しました。
勝負に対する心構えは、職業を超えてとても参考になります。
さて、この本で「いいね」と思ったのはこちら。
「僕は対戦において得意不得意を作らないようにしているけれど、それにはこういった背景もある。何でもできるようにしておかないと、いざとなったときに変化ができない。そういう意味で『僕には得意技がある』というのは恥ずかしいことだと思っている。得意ではないことを、放置しているような側面があるからだ。得意なことだけやっていると、いつかは行き詰まる。・・・そして、得意なことというのは伸びしろに欠けることが少なくない。ついついそこに頼るし、普段からそこに力も入れている。気がついたら幅がなくなっていて、いざ対応されると、それっきりとなることもある。」(251~252頁)
私たちの感覚からすると、得意分野があることは決して悪いことではなく、むしろ良いことだと考えますが、、著者の考え方は違うようです。
「得意ではないことを、放置しているような側面がある」と捉えているようです。
自分の得意な形に持って行ける場合には勝てるけれど、不得意な形になったらとたんに弱い、というのは、勝負に対する心構えとしてはまだまだなのかもしれませんね。
もう1つ。
「得意なことだけやっていると、いつかは行き詰まる」という考え方。
あるレベルまで来ると、以前のような伸びを期待することができなくなります。
その壁を乗り越えるために必要なのは、自分が蔑ろにしてきた「不得意分野」における知識や経験、視点なのかもしれません。
そういう意味で、やはり自分の不得意分野を放置することは勝負の世界では「弱さ」につながるのでしょう。