不当労働行為113(京都府(府立B高校)事件)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、団体交渉での対応が不当労働行為にはあたらないとした命令を見てみましょう。

京都府(府立B高校)事件(京都府労委平成26年11月18日・労判1106号92頁)

【事案の概要】

本件は、X組合の組合員であり、京都府が設置する京都府立B高等学校の非常勤講師に委嘱されていたAの平成24年12月31日付の解嘱等にかかる団交における府の対応が団交拒否に該当すると労組が主張して、不当労働行為救済申立てを行った事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為には当たらない

【命令のポイント】

1 本件団交を通じ、府は、労組の要求に対し譲歩しなかったものの、それは事実調査に基づく判断であって、団交においてその根拠を具体的に説明しており、労組の質問等にも論拠を示して反論したものと認められ、使用者の誠実交渉義務に反する点はないと判断される

2 使用者は、基本的に、関係者に対して適切と認められる調査を行い、その結果を団交で回答すれば足り、関係者自身を出席させる必要はないと解されるところ、府は校長に対して事実調査を行いその結果を団交で説明したと認められるから、本件団交に校長を出席させなかった府の対応は、不誠実とはいえない。

3 面談時メモについては、府は十分な事前の確認のないまま本件団交において、あたかも実際にその存在を確認したかのような説明をしながら面談時メモが存在すると回答したこととなり、このような府の対応には不適切な面があったといわざるを得ない。しかしながら、これは誤解によるものに過ぎず、このことのみをもって、誠実交渉義務に反する点はないとの判断をくつがえすに足りない。

4 以上のとおり、本件解嘱に係る本件団交の場での府の交渉態度は不誠実とはいえないと判断される。

上記命令のポイント1、2は参考になりますね。

頭に入れておきましょう。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。