Daily Archives: 2014年12月1日

不当労働行為96(医療法人社団静和会事件)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう!

今年もあと1か月ですね。 がんばりましょう!!

今日は、組合員の配置転換と不当労働行為に関する命令を見てみましょう。

医療法人社団静和会事件(中労委平成26年5月21日・労判1095号95頁)

【事案の概要】

Y社は、医療事故の再発防止のために業務体制を変更したことに伴い、検体検査業務に従事していた組合員Xを採血検査係に配置転換する旨の通知した(本件業務任命)。

Xは、組合結成時の執行委員長であり、その後は書記長を勤めるなどして、組合活動の中心的存在であった。

本件の主たる争点は、本件業務任命の不当労働行為該当性である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にはあたらない

【判例のポイント】

1 ①Y社は医療上の安全、信頼の確保の観点から臨床検査科に係る業務改善について早期かつ抜本的な改革が求められていたこと、②これに対しY社が採った方策が不自然・不合理なものとは認められないこと、③従前からエコー検査の技能習得の指示があったが、X組合員は本件体制変更時には十分な技能を習得していなかったことが認められること、④同人は組合活動の中心的メンバーとして活動してきたが、本件業務任命当時、Y社と組合との間には本件を除き、とりたてて紛争は生じていなかったのであり、本件業務任命が同人の組合活動を嫌悪ないし抑止するために行われたと推認する事情は認められないこと等からすると、同任命後の同人の取扱い等にはいささか疑問は残らないでもないものの、本件業務任命は、医療上の安全、信頼の確保の見地から行われたものであり、X組合員が組合の組合員であること又は同人の組合活動の故に行われたものであるとみることは困難である。

客観的にみて、業務命令の内容に合理性が認められる場合には、不当労働行為とは認定されません。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。