おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。
今日は、誠実交渉義務に関する命令を見てみましょう。
南島原市事件(長崎県労委平成26年7月22日・労判1095号94頁)
【事案の概要】
本件は、Y市が、組合からのゴミ収集業務の民間委託を議題とする団体交渉において、管理運営事項であり労働条件の変更はないと主張し、議論は平行線のまま進展しなかった。
このようなY市の対応が、労組法7条2号の不当労働行為に該当するかどうかが争われた事案である。
【労働委員会の判断】
不当労働行為にあたる
【命令のポイント】
1 確かに、管理運営事項については、地公労法第7条により団体交渉の対象とすることができないとされている。しかしながら、管理運営事項であると同時に労働条件にも関する事項があれば、その労働条件に関する事項は団体交渉の対象となると解されるところである。そうすると、本件民間委託自体が管理運営事項に当たるとしても、その実施に伴い影響を受ける労働条件については団体交渉の対象となるのであり、上記のとおり、本件においては労働条件の変更がないとは認められないのであるから、市の主張を採用することはできない。
2 ・・・以上のとおり、市の主張はいずれも認めることはできず、団体交渉において「労働条件の変更とは考えていない。管理運営事項であり、事前協議や団体交渉の対象ではない」という姿勢を頑なにとり続けた市の対応に合理的な理由を見出すことは困難である。
したがって、このような市の対応は、合意達成の可能性を模索する態度と評価することはできず、労組法7条2号の団交拒否(不誠実団交)に該当すると判断せざるを得ない。
上記判例のポイント1は理解しておきましょう。
組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。