おはようございます。
←先日、紺屋町にある「すがい 紺屋町店」に行ってきました。
写真は、しょうゆラーメンとまぐろ丼のセットです。
個人的にはとんこつよりもしょうゆの方が好きです。
チャーシューがおいしくなりましたね!
おいしゅうございました。
今日は、午前中は、富士の裁判所で会社関係の裁判が2件入っています。
午後は、不動産関係の裁判が2件、新規相談が1件入っています。
今日も一日がんばります!!
さて、今日は、退社して約6か月後、くも膜下出血により死亡した従業員の遺族の損害賠償請求に関する裁判例を見てみましょう。
K社事件(東京高裁平成26年4月23日・労経速2214号3頁)
【事案の概要】
本件は、Y社の経営するレンタルビデオ店に従業員として勤務していたXが、Y社を退社してから約6か月後の平成12年9月8日に自宅でくも膜下出血を発症して死亡した原因は、Y社における過重労働にあるとして、Xの両親が、Y社に対し、債務不履行(安全配慮義務違反)に基づく損害賠償として、それぞれ4134万9325円及び遅延損害金の支払いを求めた事案である。
原審(さいたま地裁平成25年3月28日)は、Y社の安全配慮義務違反とXの死亡との間に相当因果関係は認められないとしたが、Y社の安全配慮義務違反によりXが肉体的負担及び精神的負担を伴う過重労働に従事させられ精神的損害を被り、その慰謝料として120万円が相当であると判断した。
これに対して、当事者双方が控訴した。
【裁判所の判断】
第1審原告らの請求をいずれも棄却する。
【判例のポイント】
1 Xは、Y社に在籍していた間、平成10年8月4日及び平成11年8月19日にY社の健康診断を受診したが、・・・特に異常は認められなかったことも前記説示のとおりであり、Xが川口2号店勤務になってから健康上の理由で医師の診察を受けたことをうかがわせる証拠もなく、XがY社に在籍していたときに健康を害したと認めるに足りる証拠はない。また、Y社における過重労働による蓄積疲労が3か月間の自宅休養においても回復しないようなものであったと認めることができないことは前記説示のとおりである。そして、Xは、平成11月12月頃、Y社を退社する決意を固めたが、Y社からの依頼に応じて、平成12年1月頃から同年3月15日まで一般社員として勤務しており、XがY社における過重労働によって、Y社における以後の勤務の継続が困難になるような健康状態あるいは精神状態に陥ったと認めることもできない。
2 そうすると、少なくともXが川口2号店勤務になってからの労働は、Xにとって過重労働であったと認められるが、それによってXに慰謝料をもって賠償すべき精神的損害が発生したとまでは認めることができないといわざるを得ない。
そして、慰謝料をもって賠償すべき精神的損害の発生が認められない以上、Y社がXを過重労働に従事させたことを理由とするXらの慰謝料請求は、不法行為に基づくものも、債務不履行に基づくものも、その余の点について判断するまでもなく、いずれも理由がない。
3 なお、Y社においては、Xが勤務していた当時、労働基準法36条により従業員に時間外労働をさせる場合に締結しなければならないと定められているいわゆる36協定を締結しておらず、Xに対して法定労働時間を超える労働をさせることは、労働基準法に違反し、刑事罰の対象ともなり得るものであるが、そのような労働であったからといって、直ちにXに慰謝料をもって賠償すべき精神的損害の発生が認められることにはならない。
原審が、原告の請求の一部を認めたのに対し、高裁は、すべての請求を棄却しました。
過重労働の事実は認めつつも、それは不法行為とまではいえないという判断です。
なお、上記判例のポイント3のとおり、労働事件の訴訟では、36協定を締結していないという事実は、あまり重要視されません(だからといって結ばなくてもいいというわけではありません。誤解なきように。)。