本の紹介317 ワン・シング(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は本の紹介です。
ワン・シング 一点集中がもたらす驚きの効果

サブタイトルは、「一点集中がもたらす驚きの効果」です。

二兎を追う者は一兎をも得ずということをいろんな例をあげながら説いています。

成功したければ、一点に的を絞れ!ということです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

・・・そして成功の最も重要な条件、素晴らしい秘訣がここにあります。-エネルギー、思考、そして資本を従事しているビジネスに集中させるのです。ある仕事を始めたらそれをとことんやり抜き、そこでトップに立ち、あらゆる改善を取り入れ、最高の機械を備え、その機械については誰よりも熟知するのです。
失敗するのは資本をばらまいてきた、つまりはとことん突き詰めて考えることを放棄した企業です。彼らはあれやこれや、あちらこちら、いたるところに投資してしまう。『多角経営』というと聞こえはいいが、どれ一つとして精通できない。これでは失敗することは目に見えています。ビジネスで成功したければ一つに賭けて、そこにすべてのエネルギーを注ぎ、細心の注意を払うべきです。」(108頁)

「今は、多角経営の時代だ」と仰る経営者の方もいれば、この本の内容と同じことを仰る経営者もいます。

実際には、どちらの選択をした経営者も、うまく行っている方もいればそうでない方もいる。

だから、どちらが正しいということはなかなか言い切れない。結局は、やり方の問題である、というのが現時点での個人的な意見です。

ただ、この本に書かれていることは、非常に説得力があり、素直に理解できる内容でした。

実のところ、人間、あれもこれも手を出す方が、1つことだけをやり続けるよりも楽なのだというのが私の考えです。

好奇心に任せて、いろんな分野に手を出すというのは、それ自体、楽しいことですし、会社を拡大しているような感覚を覚えやすいのではないでしょうか。

それに対して、1つの事業を脇目も振らずやり続けるというのは、相当な覚悟が必要ではないでしょうか。

「いろんなおいしい話が舞い込んでくるが、今やっているこの事業をやり切る」と決める。

そんな覚悟を持った経営者にお会いすると、本当に感動します。