Monthly Archives: 4月 2014

本の紹介310 世界で勝てるヒト、モノづくり(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

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←先日、「キャトル プレジール」に行ってきました。

写真は、新メニューの「ホタテ貝のガーリックオイル漬け 焼きリゾット添え」です。

これまではカキを使用していたのですが、時期は終了したため、ホタテに変わりました。

カキのようなパンチはありませんが、これはこれでおいしいです。

ホタテの下に敷かれている焼きリゾットと一緒に食べるとさらにおいしくなります。

今日は、午前中は、掛川の裁判所で破産の免責審尋期日が入っています。

午後は、静岡に戻り、交通事故の裁判が1件、刑事裁判が1件、新規相談が2件入っています。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は本の紹介です。

 日経ビジネス経営教室 世界で勝てるヒト、モノづくり

経営教室シリーズ第5弾です。

今回は、世界1位の空調メーカーのダイキン工業の井上会長です。

実行力の重要性について強調しています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

『一流の戦略、二流の実行力』と『二流の戦略、一流の実行力』とを比べれば、私は間違いなく後者を選びます。実行なき戦略は無に等しいからです。」(126頁)

先の見通しが立ちにくい時に、万全を期していたらスピードもタイミングも逸してしまうからです。経営判断で大事なのは『六分四分の理』。六分の理があれば、決定の権限を持つトップが思い切った経営判断をする。後は実行しながら、現実に合わせて絶えず戦略の軌道修正をすればいい。トップの役目は、答えのないところに答えを出し、現場を実行へと導くことです。」(130頁)

確かに準備段階で万全を期していたら、なかなか実行に移せませんよね。

実行しながら修正していくというくせがついていると、素早く決断できるのでしょうね。

「トップの役目は、答えのないところに答えを出し、現場を実行へと導くこと」であるという言葉は、肝に銘じておきたいと思います。

トップが優柔不断だと社員が困ってしまいます。

決断ができないのであれば、やはりトップに立つべきではないのでしょうね。

労働災害72(月島テクノメンテサービス事件)

おはようございます。 今週も一週間がんばっていきましょう!!

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←休日の早朝は、海までのジョギングから始まります。 その後はジムで筋トレです。

風もなくいい天気でした。

継続は力なり。

今日は、午前中は、新規相談が1件入っています。

午後は、裁判員裁判の打合せが入っています。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は、営業社員の急性ストレス障害等発症と業務起因性に関する裁判例を見てみましょう。

月島テクノメンテサービス事件(札幌地裁平成25年3月29日・労判1082号87頁)

【事案の概要】

本件は、Xが、国に対し、業務上の事由により精神障害を発症したと主張して、労働者災害補償保険法による療養補償給付および休業補償給付をいずれも不支給とした労働基準監督署長の各処分の取消しを求めた事案である。

【裁判所の判断】

1 療養補償給付を不支給処分は取り消す

2 休業補償給付の不支給処分については請求棄却

【判例のポイント】

1 Xは、上司の指示に基づく本件メモの作成等により、月島機械A支店の従業員との信頼関係が欠けたと不当な評価を下され、Iに対してセクシャルハラスメントを行ったとの理不尽な疑いをかけられ、Xの希望や期待に沿う出向の内示を取り消されるという相当大きな不利益を受けたのであるから、このようなXの業務による心理的負荷は、本件認定基準に照らしても、本件項目(「会社で起きた事故、事件について、責任を問われた」の項目)の「強」と評価される例として挙げられている「重大とまではいえない事故、事件であるが、その責任(監督責任等)を問われ、立場や職責を大きく上回る事後対応を行ったこと(減給、降格等の重いペナルティーが課せられた等を含む)」と同程度の心理的負荷と評価することができ、社会通念上、客観的にみて、精神障害を発症させる程度に過重であったというべきである。
・・・以上によれば、Xの心理的負荷は、社会通念上、客観的にみて、精神障害を発症させる程度に過重であり、Xの精神障害の発症は、業務に内在する危険が現実化したものといえ、Xの精神障害について業務起因性を認めることができる。

2 本件休業補償給付請求は、「賃金を受けない」(労災保険法14条1項)という要件を満たさないから、本件休業補償給付請求については不支給とした処分は、結論において相当であり、違法ということはできない。

この内容ですと、労災認定とは別に、使用者に対して安全配慮義務違反で損害賠償請求がされるのではないでしょうか。

本の紹介309 「教えないから人が育つ」横田英毅のリーダー学(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

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←先日、事務所の近くにある「strada」に行ってきました。

写真は、「カキのガーリックバター焼き」です。

カキもいろいろな食べ方があっておもしろいですね。 おいしかったです。

もうそろそろカキも終わりですね。

また冬まで待ちましょう。

今日は、午前中は、離婚訴訟が2件入っています。

午後は、刑事裁判が1件、裁判の打合せが1件、新規相談が2件入っています。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は本の紹介です。

 「教えないから人が育つ」横田英毅のリーダー学 (人間性経営学シリーズ)

以前、このブログでネッツトヨタ南国の元社長の横田さんの「会社の目的は利益じゃない」を紹介しました。

今回の本は、その横田元社長に関する本です。

タイトルのとおり、リーダーとして心構えが書かれています。 大変勉強になります。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

・・・ああいうことをやり続けていると”できない理由を探さない習慣”が身についてきますね。できない理由を探さない習慣が身についてくるとどうなるかということに関しては、渡部昇一先生が書かれた本の帯のところに出ていました。”人生でいちばん大切なことは何か、一つあげよと問われたら、私は躊躇なく『できない理由を探すな』と言いたい。もしたったこれだけのことでも1ヵ月、1年と続けたら、あなたの人生に必ずや”奇跡”が起こるであろう。」(214頁)

一昨日、紹介しました本に書かれていた、「どうせ無理を世の中からなくす」という考え方と似ていますね。

やる前からできない理由を探すときって、いくらでもでてきますよね(笑)

もう完全にできない理由探しのプロです。

できない理由を探しているときって、結局、自分がやりたくないという気持ちを正当化したいだけなのです。

大変そう、面倒くさい・・・これが本音であることが多いのではないでしょうか。

でも、そんなことをストレートに言うわけにもいかないので、なんとかもっともらしい「できない理由」を必死に考えるわけです。

でも、もうそんな後向きな習慣、やめませんか?

難しい課題に取り組むからこそ、力がつくのですから。

ちなみに上記引用文のうち、「ああいうこと」とは、会社の販売イベントのことを指しています。

イベントをやっても、売上にはつながらないそうです。だから、同業他社は絶対にまねしないそうです。

それでもやる。なんのためにやるのか? それは、人間力向上という目的のためにやるのだそうです。

売上に直接つながらなくてもやる理由がちゃんとあるのですね。 すばらしい!

セクハラ・パワハラ5(C社事件)

おはようございます。

さて、今日は、上司による暴行および支配行為に対する損害賠償請求に関する裁判例を見てみましょう。

C社事件(大阪地裁平成25年6月6日・労判1082号81頁)

【事案の概要】

Xは、平成21年3月から平成23年6月27日付けで退職するまで、Y社の従業員として雇用されていた者である。

Xは、上司であったAから胸部を拳で殴るなどの暴行を受けたり、「預かる」と称して運転免許証や携帯電話を提出させるなどの支配的行為を受けたとして、Y社らに対し、損害賠償を求めた事案である。

【裁判所の判断】

A及びY社に対し、連帯して23万0140円の支払いを命じた

【判例のポイント】

1 そもそも使用者が従業員に対し所持品検査を行うことは、業務上の不正防止等、企業の経営維持にとって必要とされる場合であっても、当然に適法視されるものではなく、それを必要とする合理的理由があって、就業規則等の根拠に基づき、一般的に妥当な方法と程度で、職場の従業員に対し画一的に実施されるなどの要件を満たすことが必要と解される(最高裁昭和43年8月2日判決)。ましてや、使用者といえども、従業員の私的領域にわたる指揮監督権を有するものではないことは当然であって、たとえ私生活面での規律を正すことが業務の改善に資することが期待されるとしても、そのような目的で所持品検査を行うことが正当化される余地はない

2 Xは、Aから受けた一連の暴行や私物の点検等の支配的行為により受けた精神的苦痛の慰謝料は100万円を下らないと主張する。
AのXに対する一連の暴行と財布と通帳の点検、運転免許証や携帯電話の取り上げといった私的領域への介入あるいは生活への支障を伴う財産権侵害行為は、Xに対し相応の精神的苦痛を与えたことは明らかであるが、他方で、暴行については、痛み止めの投薬と湿布の処方を要する傷害を負ったほかは、治療を要するような負傷をした事実が認められないこと、財布と通帳の点検については、当時のXが快く思わなかったことは当然であるとしても、著しい苦痛を受けたとまでは認め難いこと等に鑑みると、これらに対する慰謝料としては20万円を認めるのが相当である

3 Y社らは、Xの度重なる業務上の不始末や営業成績の不振と、Aの指導に対する態度の悪さが、Aを感情的にさせて損害の発生と拡大に寄与したとして、過失相殺を主張する。
しかし、Xの勤務状況に問題があるとしても、AのXに対する不法行為を正当化し得るものではなく、むしろ、Y社における良識と人権感覚を欠いた従業員への指導・管理の在り方ことが、Aが行ったような粗暴で威圧的な言動を誘発したというべきであるから、Xに生じた損害について過失相殺をすることは相当でない。

従業員の所持品検査については、最高裁判例があるので、参考にしてください。

弁護士が原告側の代理人としてパワハラ事案を担当する際、気をつけなければならないのは、依頼者に過大な期待を持たせないことです。

一般的に、「パワハラ」の違法性を立証することは容易ではないことに加え、仮に認定されたとしても、期待するような多額の慰謝料は認めてもらえないことが多いと思います。

つまり、費用倒れの可能性が出てきてしまうため、そのあたりを受任する際にしっかりと説明することが大切です。

ハラスメントについては、注意喚起のために定期的に研修会を行うことが有効です。顧問弁護士に社内研修会を実施してもらいましょう。

本の紹介308 NASAより宇宙に近い町工場(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

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←先日、「TABLE RIBBON」に行ってきました。

写真は、「とうもろこしのかき揚げ」です。

さくさくでめちゃうまです。 

今日は午前中は、離婚調停が入っています。

午後は、拘置所へ接見、新規相談が2件、裁判の打合せが2件入っています。

今日も一日がんばります!!

 

さて、今日は本の紹介です。
 NASAより宇宙に近い町工場

著者は、北海道にある植松電機の専務です。

この本はいい!!

世の中から「どうせ無理」をなくそう、というのがキャッチフレーズです。

みなさん、是非、読んでみて下さい。 超おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

人にとって一番つらくて悲しいことは、可能性が失われることです。だから、言葉で人の可能性を奪うということも、殺人と同じくらい罪深いことなんです。『そんなもん、できるわけないよ』とか『やってもムダだ』とか『どうせ無理だ』というのは、人の心を確実に殺す言葉です。こんな言葉が世に満ちあふれています。」(163頁)

0から1を生み出す仕事をするためにはどんな人たちが必要なのかというと、頭がいい人でも高学歴の人でもありません。『やったことのないことをやりたがる人』です。『あきらめない人』です。『工夫をする人』です。・・・こういう人たちのキーワードは、『だったら、こうしてみたら』です。どんなことがあっても、『だったら、こうしてみたら』と思える人たちが0から1を生み出す人たちになります。」(43頁)

やる前から「どうせ無理」と言って、あきらめることはできるだけしないようにしませんか。

くせになりますので。

「やってみなくちゃわからない」を口癖にしませんか。

習慣になりますので。

私たちの仕事は、まさに「どうせ無理」と「やってみなくちゃわからない」のどちらの習慣が身についているかによって、結果が大きく変わってきます。

結果ではなく、結果に到達するプロセスこそが大切なのだと思います。

山の頂上に立つことよりも、頂上を目指して、あきらめず、振り返らず、苦しくても投げ出さず歩き続けることこそが、自分の力になるのだと信じています。

解雇135(オカダテニス・クリエーション事件)

おはようございます。

さて、今日は、テニススクールコーチに対する賃金減額・解雇に関する裁判例を見てみましょう。

オカダテニス・クリエーション事件(大阪地裁平成25年6月28日・労判1082号77頁)

【事案の概要】

本件は、Y社が経営するテニススクールにコーチとして勤務するXが、Y社から突然に、極端な売上減を理由に賃金を減額されたうえ、Xのレッスンに対する評判が悪く、Xのクラスの継続率が著しく悪いこと等を理由に解雇されたとして、解雇の有効性等を争った事案である。

【裁判所の判断】

1 賃金減額は無効

2 整理解雇は無効、普通解雇としても無効

【判例のポイント】

1 ・・・Xが本件賃金減額に同意したことを示す文書その他の客観的な証拠は存在しない。・・・本件賃金減額は、月額35万円の賃金の約4割を減額して月額20万5000円にし、さらにアルバイトに身分変更するというものであり、労働者が容易に同意するような内容ではないことが明らかであることからすると、本件賃金減額をXがすんなり受け入れたとのY社代表者の供述は信用しがたい。
・・・以上によれば、Xが本件賃金減額に同意したとは認められず、他に就業規則、賃金規程その他本件賃金減額の正当性を根拠付けるものは存在しないから、本件賃金減額は無効であり、Xは、本件賃金減額以降も、月額35万円の賃金の支払を受ける権利を有する。

2 Y社は、本件解雇後に、新たに正社員1名及びアルバイト2名を雇用し、これらの者に対し、毎月合計30万円の賃金を支払っていることからすれば、Y社にはそもそも人員削減の必要性があったとは認められない
また、Y社は、新規に採用した3名の賃金を合わせてもXの賃金に満たないと主張するが、その差はわずか5万円であり、Y社の主張する社会保険料等の負担を考慮しても、本件解雇の合理性を裏付けるほどの経費削減効果があるとは認めがたい。・・・本件解雇は整理解雇の要件を満たさない

3 Y社は本件解雇の理由として、Xのレッスンに対する評判が非常に悪く、Xのクラスの継続率が著しく悪いことなどを挙げる。
しかし、生徒がスクールを辞める動機としては様々なものが考えられるから、継続率が悪いことだけでレッスンの内容に問題があると断ずることはできないところ、Y社の主張を前提にしても、Y社が、Xのレッスンに不満を持って退会したと主張する生徒の多くが、Xのレッスンを長期間にわたって受講し、また、一旦退会した後、Xのクラスに再入会していることに照らすと、これらの者の退会理由がいずれもXの教え方に対する不満であったとのY社の主張は採用しがたい
また、Y社代表者は、Xのレッスンに対する不満、苦情を多くの生徒から聞いていたと供述するが、そうであれば、経営者としては、Xに対し、そのような不満、苦情の内容を伝え、改善を求めるのが当然であるところ、Xに対して、直接告げたことはないと供述しており、極めて不自然であるし、仮にY社代表者の供述どおりであるとすれば、Xは、自己の教え方について生徒から不満や苦情が出ていることを認識していなかったことになるから、その点について注意、指導をすることなく突然解雇をすることは相当性を欠く
したがって、いずれにしても、本件解雇は、普通解雇としても無効である。

大幅な賃金減額をする場合には、必ず個別に同意書をもらっておくことをおすすめします。

また、本件では、新規採用をしている等、整理解雇要件(要素)を満たさないことは明白ですし、普通解雇についても、解雇に至るまでのプロセスが不十分です。

会社側とすると、準備不足と言わざるを得ません。 

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介307 超訳 努力論(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばっていきましょう!!

今日も一日がんばります!!

さて、今日は本の紹介です。

超訳 努力論

幸田露伴の「努力論」と「修省論」を読みやすくしてくれています。

露伴さんのことはあまり知りませんでしたが、まえがきによれば、「百年に一人の頭脳」の持ち主だったそうです。

そんな露伴さんの言葉を紹介してくれています。

非常にいい言葉に出会えます。 おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

努力することは素晴らしいことだ。しかし、自分が努力していると思っているうちは、まだまだダメだ。そこにはまだ自分の中にやりたくない気持ちが残っていて、それでも無理にやっているという不自然さがある。努力している、あるいは、努力しようとしているという意識をもたず、自分がやっていることが自分にとって自然であると感じられるような努力をしよう。それこそが努力の真髄であり、醍醐味なのだ。」(004)

その通りですね。

努力していると自分で思っているときって、露伴さんが言うように、無理してやっているんでしょうね。

みなさんも、振り返ってみて、どうですか?

僕は、完全な仕事人間ですが、早朝から仕事をしたり、休日に一日中仕事をしても、「あー、努力してるわー」とは思いません。 普通、思わないですよね(笑)

大部の準備書面を作り上げたときや、長時間にわたる証人尋問をやり終えたときに「あー、やりきった!」と思うことはありますが。

結局、根底にあるのは、好きでやっているのか、いやいややらされているのか、の違いなんだと思います。

人生は、思っている以上に短いです。

毎日毎日がすごいスピードで過ぎていきます。

やるなら、好きなことを精一杯やりたいですよね。

体力の続く限り、走り続けたいと思います。