←先日、「篤」で忘年会を行いました。
写真は、「釣りきんきの塩焼き」です。
普段、きんきは煮付けで食べることが多いので、今回は、焼いてもらいました。
すべての魚が最高級で、満足度が非常に高いお店です! すばらしいです。
今日は、午前中は、顧問先の会社でセミナーが入っています。
テーマは、「第2回 総務部が知っておきたいビジネス法務の基本」です。
午後は、清水の裁判所で交通事故の裁判と債権回収の裁判があり、その後、富士の裁判所へ移動し、裁判が1件入っています。
今日も一日がんばります!!
さて、今日は、会社専属タレントから暴行を受けた社員の療養補償給付等の不支給処分の取消に関する裁判例を見てみましょう。
Y興業事件(東京地裁平成25年8月29日・労判2190号3頁)
【事案の概要】
本件は、Y社に勤務していたXが、Y社タレントから暴行を受け、頚椎捻挫ないし脳挫傷等の傷害を負い、その後、外傷後ストレス障害(PTSD)を発症し、療養・休業をやむなくされたとして、療養補償給付及び休業補償給付の請求を行ったが、中央労働基準監督署長が療養補償給付及び休業補償給付を支給しない旨の処分を行ったため、これらの処分の取消しを求める事案である。
【裁判所の判断】
請求棄却
【判例のポイント】
1 業務と傷病との条件関係を肯定するためには、医学的知見等専門的知見に照らし、当該傷病を発病する可能性があると考えられる業務上の負荷が客観的に認められ、当該負荷がなければ当該傷病を発病していなかったとの高度の蓋然性が認められる必要がある。
2 本件事件の発端は、XがEに対して私的にX自身を自己紹介しようとしたところ、Eがその態度に不快感を覚えたというものであって、そのXの行為について業務性は認められないこと、暴行に至る経過において、XがM及びNを呼び捨てにしたことがあるが、その発言自体は、Xの業務との関連性に乏しいことなどからすれば、本件事件による災害の原因が業務にあると評価することは相当ではなく、Xの業務と本件事件による災害及びそれに伴う傷病との間に相当因果関係を認めることができないから、業務起因性を認めることはできない。
3 なお、Xは、Eが過去幾多の暴力事件を起こし、社内やテレビ局内でも暴行事件を起こしており、本件事件による災害は、Eを専属タレントとして抱えて業務を遂行する過程に内在化されたリスクというべきであり、業務起因性が認められるとも主張している。しかしながら、Xの主張は具体性を欠いているし、Eが起こしたとされる個々の事案の内容も不明であり、その真偽も定かではないし、本件事件に至るXのEに対する言動がXの業務と関連しないことからすれば、本件事件による災害がEを専属タレントとして抱えて業務を遂行する過程において内在化されたリスクとして発生したとまで評価することは相当ではない。
Y興業といえば、もうあの会社しか思いつかないわけですが・・・。
裁判所は業務起因性を否定し、業務災害とは認めませんでした。
なお、専属タレント・Y社とXとの間では、前2者がXに対し損害賠償欣を支払うことについて、裁判上の和解が成立しているそうです。