おはようございます
←先日、修習生3人と「キャトルプレジール」に行ってきました
写真は、定番の「ガーリックチキン」です。 秀逸です。
私も修習生のときは、いろんな先生に食事に連れて行っていただきました。
今は、その恩返しを後輩にしています。
今日は、午前中は、打合せが2件入っています。
午後は、清水で大学生等を対象とした「JOBコン」に参加します。
最近の学生がどんなことを考えているのか、とても興味があります。
今日も一日がんばります!!
さて、今日は、タクシー運転手に対する懲戒解雇処分に関する裁判例を見てみましょう。
甲タクシー事件(千葉地裁平成24年11月5日・労経速2161号21頁)
【事案の概要】
Xは、平成22年10月夜間、タクシーを運転して、一方通行道路を逆走し、前方を走行していた自転車に対し、道路の端によけさせえようとして、警音器を鳴らす等しておあり運転をし、また、逆送を継続しながら、自転車を追尾し、自転車が停止した後、そのわずか数十㎝手前でタクシーを停車させる行為をした。
なお、Xは、本件請求と同旨の労働審判等を求めたが、労働審判委員会は、Xの申立てに係る請求をいずれも棄却するとの労働審判をしたところ、Xが、異議申立てをした。
Xの請求内容は、地位確認、賃金の請求、慰謝料50万円の請求である。
【裁判所の判断】
懲戒解雇は有効
【判例のポイント】
1 ・・・以上によれば、Xのこれらの行為は、本事件の際に本件タクシーが本件自転車に衝突したか否かにかかわらず、道路交通法を遵守し、安全運転を行い、交通事故の防止に努めるべきとする本件就業規則及び本件服務規程の定めに違反する行為と認められる。
また、Xは、本事件の前にも、本件出勤停止処分(1)及び(2)という懲戒を受けており、その懲戒理由は、それぞれ、乗車拒否及び不当な料金の収受という、本件就業規則の定める違反行為に当たることが認められる。すなわち、Xは、本事件の前、本件就業規則の定める違反行為を繰り返したものと認められる。
2 さらに、Xは、本事件の後、Y社代表者がXに対して指導をしたにもかかわらず、本件女性が、本件自転車を道路の端に寄せるなどして後方の本件タクシーに道を譲るという、本来そのような義務のない行為をしなかったことを批判するばかりか、本件女性が本件自転車を本件タクシーに衝突させようとしたなどと、本件女性を非難するばかりで、上記のとおり、道路交通法に違反し、危険な運転をしたことについては、反省の意思を何ら示さず、かえって、Y社代表者を誹謗中傷する言動に及んだものであり、タクシー事業を経営するY社の規律を全く顧みない言動を繰り返したものと認められる。
以上に述べたところによれば、Xのこれらの行為は、Y社の重要な服務規律に違反し、さらに、本件就業規則の定める違反行為を繰り返し、会社の秩序等を乱したものとして、本件就業規則の定める懲戒解雇の事由に当たると認められる。
3 また、Y社においては、これまで、人身事故を起こした労働者や、乗務前の飲酒検査において基準を超えるアルコール量が検知された労働者らに対しても、けん責の懲戒しかされていなかったことが認められる。しかしながら、上記懲戒処分を受けたY社の労働者らが、当該懲戒を受けた際、当該懲戒処分について反省の意思を示さなかったとの事実や、それまでに本件就業規則等の定めに違反する行為を繰り返していたとの事実を認めるに足りる証拠はないのに対し、Xは、・・・に照らせば、このことによっても、本件解雇が不公平な懲戒であるとまでは認めるに足りない。
4 Y社がXに対してして本件解雇は、客観的に合理的な理由がなく、社会通念上相当であるとは認められないものとはいえず、かえって、合理的かつ相当であり、やむを得ない懲戒処分と認められる。
本件は、本人訴訟です。
参考にすべき点としては、上記判例のポイント3でしょうか。
原告としては懲戒処分の相当性について争ったわけですが、否定されています。
懲戒事案は、個別性が高いため、本件事案が従前の事案と完全に同一なものでないことは明らかです。
また、従前の事案に対する処分が適切であったかすら判然としないのが通例のため、結果、主張立証を重ねても、本件事案の解決には影響しないことがほとんどだと思われます。