Monthly Archives: 11月 2012

本の紹介149 出稼げば大富豪(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は本の紹介です。

出稼げば大富豪 (調子ぶっこきシリーズ)
出稼げば大富豪 (調子ぶっこきシリーズ)

アニキシリーズ第3弾です。

とにかく、全種類読んでみます(笑)

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

なんでもスピードやねん。金儲けもそうや。儲かる奴と儲からん奴の違いはスピードや。速い=儲かる。どないやこれ?」(80頁)

『億劫』っちゅうのを自分から取り除け。そして、やりまくる。10個に1個の失敗は忘れられる。だから、とっとことっとこやんねん。挑戦するサイクルを徹底的に早めるねん。思いついた瞬間=行動してる、みたいな。そしたら気づいたら成功してるわ」(208頁)

アニキ、いいこと言います。

決断のスピードを究極まで高めたいと思っています。

私自身、「思いついた瞬間=行動する」くらいの感覚で、すべての決断を瞬間的に行う訓練をしています。

瞬時に、コスト、リスク、メリット、デメリットを判断して、失敗したところで大したコスト、リスク、デメリットがないと判断した場合には、すぐ実行します。

もうほとんど直感に近いレベルです。

経験上、長く考えた結果出した答えが正しいとは限らないことからすれば、すぐに決めて動いた方が時間の節約になります。

結局のところ、決断力とは、リスクをとる力だと個人的には思っています。

失敗やリスクにびびっている人は、なかなか決断できません。

たいしたリスクでもないのに、さも大きなリスクかのように考えて、行動に移さないことほどもったいないことはありません。

すべては習慣です。 能力や性格ではありません。

解雇86(学校法人M学園事件)

おはようございます。

さて、今日は、労働契約書への書面拒否を理由とする解雇に関する裁判例を見てみましょう。

学校法人M学園事件(東京地裁平成24年7月25日・労経速2154号18頁)

【事案の概要】

Y社は、専門学校N医科学大学校等を設置し、これを運営する学校法人である。

Xは、視能訓練士の国家資格を有する者である。

Y社は、Xを労働契約書への署名拒否を理由として解雇した。

Xは、本件解雇は違法であり、これにより損害を被ったとして、不法行為による損害賠償請求をした。

【裁判所の判断】

本件解雇は不法行為にあたる。
→M学園に対し、約80万円の支払いを命じた。

【判例のポイント】

1 Y社は、試用期間中であるXに対し、本件規定に該当するとして、解雇予告通知書を交付することによりXを解雇する旨の意思表示をしている。Y社の就業規則には本件規定があるところ、Y社の上記所為は、試用期間中、使用者たるY社が本件規定に基づき留保していた解約権を行使する趣旨に出たものとみることができ、かかる認定を左右するに足る証拠はない。
もっとも、留保解約権の行使も、解約権留保の趣旨、目的に照らし、客観的に合理的な理由が存し、社会通念上相当として是認され得る場合にのみ許されるものと解される。

2 Y社が提示した契約書案では、平成23年1月24日までを試用期間とする旨の記載はあるものの、労働契約の期間について期間を定めないものとしており、賃金の額について試用期間中の賃金額である月額30万とするのみで、試用期間経過後の賃金について特段の条項が置かれているわけでもない。これによれば、X・Y社間の労働契約は、X・Y社間で新たに別途、労働契約書を作成しない限りは試用期間経過後の賃金額についても引き続き30万円とするものとして効力を有することになるとみることのできるものであったということができるのであって、XがCから重ねて受けていた労働条件に関する説明と沿わない点があったといわざるを得ない。
しかるところ、Xがこれを問題視する見地から訂正を求めたのに対し、Cは、試用期間が明記されているから上記賃金額が試用期間中のものであることは自ずと判断できる、みんなそれでやっているなどとしてこれに応じず、Xの申出を踏まえて真摯に契約書案の意味合い・内容の検討をし、あるいはしようとした形跡も窺われない。かえって、平成22年12月13日、Xが署名に応じないとみるや、用意させていた解雇予告通知書を交付している

3 ・・・以上の点に照らすと、上記解雇予告通知書に基づく解雇は、上記認定の経緯に照らし、早急に過ぎたものと評価せざるを得ないところであって、かつまた、Xが署名を拒んだのは、X・Y社間の賃金という労働契約の基本的要素に係る問題に出でたものであったことにも照らし、客観的に合理的な理由が存し、社会通念上相当として是認され得るものとみることは困難というべきである。
そして、以上の点に照らすと、少なくともY社に過失があったものと見ざるを得ない。してみると、他に的確な指摘のない本件においては、Y社は、不法行為に基づき、これによってXに生じた損害を賠償すべき責があると認めるが相当である。

4 Xは、以上のほか、本件解雇に伴い精神的苦痛を被ったとして慰謝料請求をしている。
しかしながら、解雇に伴う財産的損害の賠償のほか、精神的損害についてまでの賠償が認められるのは、解雇につき、財産的損害の賠償によっては慰謝するに足らない特段の事情の認められる場合に限られると解される。本件においてXに財産的損害の賠償を命じるべきことについては上記のとおりであるであるところ、・・・かかる指摘の点によっては上記特段の事項を肯認すべき事由があるとは評価し難く、これを認めるには足らない。したがって、Xの慰謝料請求は、これを肯認することができない

当然、この程度では、解雇は有効にはなりません。

今回は、地位確認を求めるのではなく、損害賠償を求めています。

個人的な感覚ですが、解雇事案では、地位確認と賃金請求という構成よりも、不法行為に基づく損害賠償請求という構成の方が、労働者側が得られる金額は少ない気がします。

このような理由から、労働者が復職する意思がなくても(ほとんどの場合、復職の意思はない)、前者の構成をとることになるのだと思いますがいかがでしょうか。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介148 成功へ導く言葉(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます
写真 2012-11-12 20 25 54←先日、同級生の税理士と一緒に両替町の「岩生」に行ってきました

写真は、カキフライ。カキは、フライで食べるのが一番おいしいと思います。

ジューシーでおいしかったです。

今日は、午前中は、刑事裁判の判決が1件、裁判が1件、家事審判が1件入っています。

午後は、新規相談が1件、外部法律相談、裁判の打合せが2件入っています。

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は本の紹介です。
成功へ導く言葉 (East Press Business)
成功へ導く言葉 (East Press Business)

少し前の本ですが、もう一度読んでみました。

久しぶりに読むと新鮮ですね。

昔読んだ本をもう一度読み返すと、当時の記憶がうっすら蘇ってきます。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

皆さん、多く申すまでもなく、お互いの人生というものは、たった一回かぎりであります。二度も三度も生まれかわって、繰り返すことはできない。
である以上はですよ、現在の人生はたった今から、でき得るかぎり、完全な状態で生かさなければいけません。
」(98~99頁)

「完全な状態」とはどのような状態なんでしょうね。

私は、「フルパワーで」「悔いなく」「思ったとおり」といった意味で捉えました。

人生は、1回かぎりで、しかもそれほど長くはありません。

あっという間に1週間が過ぎていくのと同じように、あっという間に5年、10年が過ぎていくんだと思います。

のんびり、ゆっくりと、毎日、温泉に入って、散歩して・・・みたいな生活にも、若干あこがれますが、そういうのは、老後の楽しみにとっておきます。

毎日、毎日が、真剣勝負です。

気力、体力が衰え、真剣勝負ができなくなったら、一線から退こうと思います。

この10年でいけるところまで行ってみようと思います。

賃金53(京都市・京都市教委(酒気帯び運転)事件)

おはようございます。

さて、今日は、懲戒免職でなされた退職金不支給処分に関する裁判例を見てみましょう。

京都市・京都市教委(酒気帯び運転)事件(東京地裁平成24年2月23日判決・労判1054号66頁)

【事案の概要】

本件は、京都市教育委員会が、京都市立中学校教頭であったXに対し、Xが酒気帯び運転をしたこと等を理由として、懲戒免職処分及び一般の退職手当の全部を支給しないことを内容とする退職手当支給制限処分を行った。

Xは、懲戒免職処分はやむを得ないとしながらも、本件処分については、裁量権の濫用である等と主張し、本件処分の取消しを求めた。

【裁判所の判断】

退職手当不支給処分を取り消す

【判例のポイント】

1  退職手当の法的性格は、一義的に明確とはいえず、退職手当制度の仕組み及び内容によってその性格付けに差異が生じ得るが、一般的に、沿革としての勤続報償としての性格に加えて、労働の対償であるとの労働者及び使用者の認識に裏付けられた賃金の後払いとしての性格や、現実の機能としての退職後の生活保障としての性格が結合した複合的な性格を有していると考えられる。そして、本件における退職手当も、算定基礎賃金に勤続年数別の支給率を乗じて算定されていること、支給率がおおむね勤続年数に応じて逓増していること、自己都合退職の場合の支給率を減額していることなどに照らすと、これらの3つの性格が結合したものと解するのが相当である。

2 本件条例13条は、退職手当管理機関が退職手当等の全部又は一部を支給しない処分をするに当たっては、当該退職をした者が占めていた職の職務及び責任、当該退職をした者の勤務の状況、当該退職をした者が行った非違の内容及び程度、当該非違に至った経緯、当該非違後における当該退職をした者の言動、当該非違が公務の遂行に及ぼす支障の程度並びに当該非違が公務に対する信頼に及ぼす影響を勘案すべきであると定めており、このような広範な事情について総合的な検討を要する以上、退職手当支給制限処分をするか否か、するとしていかなる程度の制限をすべきかは、平素から内部事情に通じ職員の指揮監督に当たる退職手当管理機関の裁量に委ねられていると解すべきである。
そのため、退職手当管理機関が上記裁量権を行使して行った退職手当支給制限処分は、それが社会観念上著しく妥当を欠いて裁量権を付与した目的を逸脱し、これを濫用したと認められる場合でない限り、その裁量権の範囲内にあるものとして、違法とならないものというべきである。
したがって、裁判所が退職手当支給制限処分の適否を審査するに当たっては、退職手当管理機関と同一の立場に立って当該処分をすべきであったかどうか又はいかなる処分を選択すべきであったかについて判断し、その結果と処分とを比較してその軽重を論ずべきものではなく、退職手当管理機関の裁量権の行使に基づく処分が社会通念上著しく妥当を欠き、裁量権を濫用したと認められる場合に限り違法であると判断すべきものである(最高裁昭和52年12月20日参照)。

3 そもそも懲戒免職処分は、非違行為をした者に職員としての身分を引き続き保有させるのが相当かという観点から判断されるのに対し、退職手当は、通常であれば退職時に支払われる一時金を支払うのが相当かという観点から判断されるものであって、懲戒免職処分と退職手当の不支給は論理必然的に結びつくものではない(この観点からすると、両者を結び付けていた平成20年法律第95号による改正前の退職手当法の規定は相当性を欠いていたということができる。)。そして、退職手当が同時に賃金の後払いとしての性格を有することに照らすと、懲戒免職処分を受けて退職したからといって直ちにその全額の支給制限まで当然に正当化されるものではないことは明らかであり、その全額の支給制限が認められるのは、当該処分の原因となった非違行為が、退職者の永年の勤続の功をすべて抹消してしまうほどの重大な背信行為である場合に限られると解するのが相当である

4 Xの飲酒量が多く、本件非違行為が極めて危険かつ悪質であること、夫婦関係の不和という動機に酌量の余地は皆無であること、Xは中学校教諭でかつ管理職の立場にあって、本件非違行為が職務に与える悪影響は大きいことから、退職手当が相応に減額されることはやむを得ないが、他方、Xは27年間教員として勤務して学校教育に多大な貢献をし、本件によって懲戒免職処分を受けるまで処分歴はないこと、本件非違行為は酒酔い運転ではなく酒気帯び運転にとどまり、職務行為とは直接には関係のない私生活上のものであること、本件事故の結果も幸い物損にとどまっているうえ、被害者と示談をして被害弁償を行っていること、これらの事情に照らすと、本件非違行為がXの永年の勤続の功績をすべて抹消するほどの重大な背信行為であるとまでは到底いえず、本件退職手当全部支給制限処分は社会観念上著しく妥当を欠き、裁量権を濫用したと認められるので、違法であり、取り消されるべきである

退職金の不支給もしくは減額については、いつも相当性の判断が悩ましいです。

事前に必ず顧問弁護士に相談の上、対応することをお勧めいたします。

本の紹介147 奇跡を起こす7つの習慣(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます 3連休は、ゆっくり仕事ができました。

また一週間がはじまりましたね。11月最後の一週間ですが、今週もがんばっていきましょう!!
写真 2012-11-21 18 38 44
←先日、顧問先の社長と奥さまと一緒に「博」に行ってきました

親方が、お刺身1つ1つがいかにすごいかを自慢してきます(笑)

実際、めちゃうまです。 自慢するだけのことはあります。

今日は、午後から東京で住宅紛争セミナーに参加します

住宅関連会社が顧問先に多いので、一生懸命、勉強してきます

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は、本の紹介です。
ー今日から始まる成功ストーリーー奇跡を起こす7つの習慣
ー今日から始まる成功ストーリーー奇跡を起こす7つの習慣

歯科医師の井上先生の本です。

井上先生の本、3冊目です。何冊か読むと、著者の考え方がわかります。

とにかく前向きで、勉強熱心です。 とても共感を覚えます。

いつか会ってみたいものです。 ・・・と言っていると本当に会えるものなのです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

『人生が思うようにいかない』と言っている人に限って、よくよく観察してみると、実際にはあまり努力していないケースが多いのです。そういう人は、自分に与えられた人生の課題に対して、根本的に『自分にはムリ』だと思ってしまっており、より高みを目指して成長しようとしていません。自分は所詮はちっぽけな存在であることを理解せず、他者から学ぼうという姿勢も欠けています。そもそも、生きている世界が狭いということも認識していないのです。」(65頁)

なかなか厳しい意見ですね。

私の感覚でも、結果が出ない場合、努力が足りないことが理由であるのが9割だと思っています。

残りの1割は、努力のしかたが間違っているという場合です。

一生懸命やっているけれど、結果に結びつかない場合、力を入れるところを間違えている場合があるということです。

いきなりがむしゃらになるのではなく、まずは冷静にゴールを見据え、そこへ辿り着くためには必要なことを探ることが必要です。

「努力は報われる」は、正確には、「正しい努力は報われる」なんでしょうね。

不当労働行為56(国立大学法人大阪大学事件)

おはようございます。 

さて、今日は、誠実交渉義務に関する命令を見てみましょう。

国立大学法人大阪大学事件(中労委平成24年6月6日・労判1053号95頁)

【事案の概要】

X組合は、団交申入れに対して、開催時間を昼休み時間帯、開催場所をB地区に限定したY大学の対応が不当労働行為であると主張した。

これに対し、Y大学は、時間帯を昼休み時間、場所をB地区とする大学の対応は原則を示したもので、それに限定するものでなく、この方針が特段不合理なものともいえず、不当労働行為に当たらないと主張した。

【労働委員会の判断】

Y大学の対応は不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 本件にあっては、教員の定年年齢に関連しての労働条件の不利益変更や期末手当、非常勤職員の雇止めといった重要な労働条件に関わる事柄について団交が申し入れられており、X組合らは、2時間から3時間程度の団交を要求し、議論を尽くすためには、少なくとも1回2時間程度は必要であると訴えていたことからすると、昼休みの時間帯に限定した団交の設定は時間の長さにおいて問題を孕んでいたものといえる。さらに、労働時間の途中における45分又は1時間の休憩時間の付与を義務づける労働基準法(34条)の趣旨及び昼食時間の確保の必要性を考え合わせると、労働組合の側が積極的に容認していたというのであれば格別、本件のようにX組合らがそれに異を唱えていたのを押し切って団交の時間帯を昼休みにこだわり続けることに合理性があったとは言えない

2 X組合に対し、団交の開催場所をB地区に限定することは、団交開催場所への移動の負担を一方的に労働組合側に負わせるものである。しかも、Y大学は、併せて、団交の開催時間を昼休みの時間帯に限定していたのであるから、かかる団交時間帯に限定していたのであるから、かかる団交場所の限定により、一層、実質的な交渉を妨げることになるのは明らかである。Y大学は、交渉に必要な場合、昼休みの1時間を過ぎても対応しており交渉に支障はないと主張するが、延長した場合であっても数分から十数分程度であって、これらにより実質的な交渉時間が十分確保されていたことを認めるに足りる証拠はない

3 以上みてきたとおり、X組合らによる21年7月以降本件申立てまでの間の団交申入れに対するY大学の対応は、団交の開催時間及び場所につき、正当な理由なくそれらを昼休みの時間帯及びB地区に限定したものであって、かかる対応は、X組合らの団交申入れに対する不誠実な対応として、労組法7条2号の不当労働行為にあたる。 

団交の開催時間及び場所について、合理的な理由なく、組合や組合員に不利益に制限すると、不当労働行為になります。

また、今回のように、休憩時間に限り、団体交渉を認めるとすると、労基法との関係でも問題となりうるという視点を持つことが大切です。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介146 「欲望」のマーケティング(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます
写真 2012-11-17 11 36 54←先日、うなぎを食べたくて仕方なかったので、清水にある「うなぎ亭」に行ってきました

写真は、うな重(特上)2400円です。 さすがうなぎ亭。安いです。

うなぎがいっぱいのっています。 コスパは、かなり高いと思います。

たれは、好みが各自好みがありますのでコメントは控えます。

今日は、午前中は、新規相談が1件、刑事裁判が1件、刑事裁判の判決が1件入っています。

午後は、裁判が3件、家事審判が1件入っています。

午後から、顧問先の社長と打合せです。

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は、本の紹介です。
欲望のマーケティング (ディスカヴァー携書)
欲望のマーケティング (ディスカヴァー携書)

著者は、「美魔女」ブームをつくりだした雑誌の編集長です。

「ブーム」のつくりかた、「ブルーオーシャン」のつくりかたが書かれています。

よく考えているな~というのが、率直な感想です。

ところどころ、参考になる点はありますが、全体としては、とても簡単にはまねできません。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

毎月、単純に『よかった記事と悪かった記事』を答えてもらうというアンケートを読者に取っていました。その集計結果を見る時、単純に『よかった記事』に並ぶような記事ばかり集めればいい雑誌ができるかと言ったら、答えはNOです。きっと誰も批判できない代わりに、とても退屈な雑誌になってしまうと思うからです。
私が注目するのは、「よかった」と「悪かった」の両方で上位に来る記事です。それはよくも悪くも目立っていた記事だということだからです。誰が見ても無視できない存在感があったということだからです。
」(60~61頁) 

著者は、こうもいいます。

無難な表現は何も言っていないことと同じ

なるほど。 確かにそうですね。

批判されることを恐れるあまり、無難な表現や内容になってしまっているのを見かけることがあります。

よくもわるくも「無難」です。 

同世代で、勢いのある経営者を見ていると、誰一人、「無難」なことをやっている人はいません。

みんな「無難」であることがダサいことを知っているからです。

僕も、安定を求めて、「無難」なことをやりだしたら、引退を考えることにします。

常に生きている心地を味わいたいと思って、仕事をしています。

また、そんなふうに思える人と一緒に仕事をしたいですね。

賃金52(株式会社乙山事件)

おはようございます。

さて、今日は、タクシー会社を退職した社員からの割増賃金等請求に関する裁判例を見てみましょう。

株式会社乙山事件(東京地裁平成24年3月23日・労判1054号47頁)

【事案の概要】

Y社は、タクシー事業等を営む会社である。

Xは、Y社の従業員であった者である。

Xは、Y社を退職後、未払割増賃金を請求した。

【裁判所の判断】

約1200万円の未払割増賃金請求に対して、約105万円の支払いを命じた

付加金として50万円の支払いを命じた

【判例のポイント】

1 労基法上の労働時間とは、労働者に実際に労働させる実労働時間、すなわち「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」をいうものと解されるところ、その判断は、(1)当該業務の提供行為の有無、(2)労働契約上の義務付けの有無、(3)義務付けに伴う場所的・時間的拘束性(労務の提供が一定の場所で行うことを余儀なくされ、かつ時間を自由に利用できない状態)の有無・程度を総合考慮した上、社会通念に照らし、客観的にみて、当該労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かという観点から行われるべきものである。

2 Xの勤務パターンは明確にされていなかったが、Xは毎日午前5時頃出社して帰庫管理等に着手しており、Y社もこれを黙認せざるを得ない状況にあったことから、始業時は午前5時であるといわざるを得ない。

3 Xは、事業場に毎日午後5時くらいまで居残っていたものの、Y社において内勤制度が発足し確立していた本件請求期間内においてはXが居残る必要性は消滅しており、加えてY社の代表者はXに会う度毎に「早く帰ったらどうか」と退社を促していたことからすれば、Xが午後5時頃までY社の指揮命令下に置かれていたものとはいいがたく、この時間をXの実労働時間の終了時とすることはできない

4 Y社の運行管理業務はそもそも繁忙状態を生じさせるようなものではなく、残業手当(1ヶ月5万円)に相当する1か月約15時間に相当する残業時間があれば十分にこなしうる程度のものであったと認められ、1日8時間を超えて労務の提供を余儀なくされるような業務が存在していたのかは大いに疑問であるといわざるを得ない
以上の点に加え、Xは、元々明確な所定労働時間に縛られた勤務体制下で業務に従事していたわけではなく、内勤に転じた後も、運行管理業務だけではなく、Y社に乗務員を紹介するという重要な役割を担っていたことなどを併せ考慮すると、上記要素(1)ないし(3)のいずれの観点からみても、Xの行っている上記運行管理業務が上記午後1時すなわち「8時間」を超えてY社の指揮命令下に置かれていたとはいい難く、したがって、Xの上記運行管理業務による実労働時間が上記「8時間」を超えていたものと評価することはできない。

5 Y社では、週休2日制を採用していたものであるが、Xの休日は週休1日が実態であって、法定外休日の土曜日も平日と同様に出社してY社の指揮命令下において運行管理業務を行っていたと認められる。

6 法定休日である日曜日も業務に従事していたとするXの主張につき、班長制度によりXの業務量等は減少していたもので、早めの退社を促していたY社代表者は、法定休日にXに労働させる意思を有していなかったものとみるのが自然であるから、休日割増賃金にかかる請求は認められない

7 Y社は、使用者としてXについてもタイムカードないしは出勤簿等により出退勤管理を行うべき義務を負っていたにもかかわらず、これを怠ってきた経緯が認められ、かかるY社の対応は労基法37条等の趣旨・目的に照らすと軽々に許されるものではない。そうだとすると当裁判所としては、Y社に対して時間外労働等に関する労基法の諸規定の遵守を励行させるべく、制裁金たる付加金の支払を命ずるよりほかない。
もっとも、その一方で、・・・Y社が本件給与の一部である残業手当のほかに、Xに対して割増賃金を支払う必要がないものと誤信したことには、それなりにやむを得ない事情が介在していたものということができる。
以上のとおりであるから、これらの事情を併せ考慮するならば、本件訴訟において認容すべき付加金の額は50万円が相当である。

非常に参考になる裁判例です。

上記判例のポイント1のとおり、労基法上の労働時間の判断のしかたは、是非、おさえておきたいところです。

その上で、この裁判例は、残業の必要性を否定しました。

労働時間を、実質的に判断している点を、使用者側のみなさんは是非、参考にしてください。

請求金額と認容金額を比較すると、ほぼ使用者側の勝利なんでしょうね。

残業代請求訴訟は今後も増加しておくことは明白です。素人判断でいろんな制度を運用しますと、後でえらいことになります。必ず顧問弁護士に相談をしながら対応しましょう。

本の紹介145 ゼロからの挑戦(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます また一週間が始まりましたね。 今週もがんばっていきましょう!!
写真 2012-11-14 18 43 37←先日、いつもお世話になっている社長とホテルセンチュリー内の「花凜」にふぐ料理を食べに行ってきました。

料理長が太鼓判を押しているだけあって、絶品でした。

社長、ご馳走様でした

今日は、午前中、東京家裁立川支部で離婚調停です

午後は、顧問先の社長と打合せが入っています。

夕方から月1恒例のラジオ出演です。 今月は、1週早めてもらいました。

夜は、某企業へ会社訪問です

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は、本の紹介です。
新版 敬天愛人 ゼロからの挑戦 (PHPビジネス新書)
新版 敬天愛人 ゼロからの挑戦 (PHPビジネス新書)

稲盛さんの新しい本です。

これまでにもいくつか稲盛さんの本を紹介してきました。

稲盛さんの本もよく読みます。変に戦略的でなく、直球を投げるところが好きです。

いわゆる王道というやつです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

経営者というものは、まずは従業員を路頭に迷わせないために、また顧客のため、株主のため、さらには社会のために、何としても売り上げを確保し、利益を稼ぎ出すことに努めなければならない。また、そのためには、経営者はすさまじいくらいの気概を持って経営に当たらなければならないのである。
その気概とは、『闘魂』とも言い換えることができよう。『絶対に負けるものか』という格闘家の闘争心にも似た、激しい闘志が経営には必要不可欠である。
」(189頁)

仕事のことを朝から晩まで考え続けることは、大変な重労働である。しかし経営者である限り、それくらい仕事のことを考え詰めるようでなければ、年々歳々厳しくなる経営環境の中、会社を成長発展させることはできない。
しかし逆に言えば、いかにビジネス環境が変化しようとも、そのように強烈な願望を抱き、誰にも負けない努力を続けていれば、必ず成功することができるはずである。
」(191頁)

もうたまりませんね。 しびれてしまいます。

私自身、「気概」、「闘魂」、「闘志」を持って、日々、がむしゃらに仕事をしています。

それが楽しくて仕方がありません。

「たまには息抜きすれば」と言っていただくことが多いです。 大変ありがたいことですね。

ただ、毎日、辛いことをいやいややっているわけではないので、息抜きは今のところ必要ありません(というより、自分ではこれでも十分息抜きしているつもりです。)。

ぶっ倒れるまで突っ走る覚悟はできていますので。

人生は短いです。

「あのとき、もっと一生懸命やっておけばよかったな」と後悔したくありません。

おじいちゃんになったら、ゆっくり温泉巡りでもしようと思います。

それまでは、仕事、しまくります。

解雇85(南淡漁業協同組合事件)

おはようございます。

さて、今日は、信用業務(貯金業務)責任者に対する普通解雇に関する裁判例を見てみましょう。

南淡漁業協同組合事件(大阪高裁平成24年7月19日・労判1053号5頁)

【事案の概要】

Y社は、信漁連から貯金の入出金、貸付業務の取次ぎ等の業務の委託を受けていた。

Xは、Y社に勤務していた者であるが、Y社から重大な規律違反行為を理由として普通解雇された。

Xは、本件普通解雇は解雇権を濫用したものであり、無効であると主張し争った。

【裁判所の判断】

解雇は有効

【判例のポイント】

1 Y社に勤務している職員は本所で4名、H支所で1名にすぎず、それぞれの職務分担は一応定められているものの、互いの職務は関連しており、円滑な業務の遂行のためには、互いの連携、協力、連絡等が必要不可欠であるところ、Xは、理由は不明であるが、平成20年正月明けからほとんど他の職員と言葉を交わさなくなり、業務上必要な連絡もしないまま、仕事を行うようになったものである。このため、職場の雰囲気を著しく損ねるとともに、本所においてもH支所においても、Xが必要な連絡や伝達をしないことによる業務上の支障が生じることこととなった。そして、その結果、他の職員が困るだけでなく、Xのみが説明を受けたオンライン機器の操作方法を他の職員に教えなかったために、やむなく神戸から信漁連の職員に来てもらうというような事態まで生じたほか、貯金を引き出しに来た組合員に過少払をする結果となったり、組合員から依頼のあった燃油代金の引き落としの手続ができずに迷惑をかけるという結果まで生じていた。そして、Y社の組合員その他の関係者からも、Y社代表者に対して、Y社の本所の雰囲気が悪いとか、Xの窓口での応対が悪い状態が続いていることが告げられる状態にもなっていたものである
・・・XにはY社の職員としての職務上の義務に違背する行為があったものというべきである

2 Y社代表者は、XがY社の職場で他の同僚職員と会話をしないだけでなく、職務上必要な連絡や伝達さえもしなくなり、事務処理上さまざまな支障が生じていることについて3回にわたってXに注意をしたにもかかわらず、Xはこれを聞き入れようとせず、2回目の注意を受けた際には反発して午後には家に帰ってしまい、3回目の注意を受けた際には「ほっといてくれ」などと強く言い返して勤務態度を改めようとは全くしなかったものであるから、Y社の側でそれ以上の注意を重ねてもXの勤務態度の改善が期待できないものと判断したことはやむを得ないところであったというべきである

3 この点、Xは、本件解雇処分の前の段階で、Y社代表者らから、解雇を含めて厳しい処分を検討しているので職務態度を改善するようになどといった指導や警告を受けておらず、かかる指導や警告を受けたなら、Xが職務態度を改善した蓋然性があったと主張する。しかし、上記のとおりXが他の職員との会話をせず、職務上必要な連絡や伝達さえも行わない状態を長期間にわたって続けており、Y社代表者からの注意や指導に対しても、何らの説明や弁明をすることもなく、むしろ反発を強めるだけであった一連の態度に照らすと、Xの主張は到底採用することができない
また、段階的な処分を踏むべきであったとのXの主張についても、Y社代表者からの注意や指導に対して一向に態度を改めることがなく、かえって反発を強めるばかりであったXの一連の態度に照らすと、段階的な処分によってXが態度を改善させる可能性があったものとは認められないから、Xの主張は認められない

解雇事由に決定的な決め手のない普通解雇ですが、トータルでみて、解雇を有効と判断しています。

ポイントは、会社がXに対して、3回にわたって注意し改善を促したにもかかわらず、Xが勤務態度を改めなかった点です。

Xにも当然、そのような態度をとった理由があるはずですが、裁判所は、その点については重視しませんでした。

何度か改善を求めるという点は、参考にすべきですね。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。