おはようございます。
さて、今日は、本の紹介です。
ビジネスで一番、大切なこと 消費者のこころを学ぶ授業
ハーバード・ビジネススクール教授の本です。
この本も、おすすめの1冊です。
「はじめに」で、著者は、
「たいして違いのない大量の選択肢や、戸惑うほど多くの機能にうんざりしている。ところが店に足を踏み入れれば、企業がいまだにこのことを理解していないのは一目瞭然だ。」(4頁)
と、消費者無視の過剰な差別化競争に警鐘を鳴らしています。
全体を通して非常に興味深い内容でした。
さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。
「今日のビジネスにかかわりを持つ誰もが、何が『違い』になり得るかを忘れている。差別化についての考え方は、どこかが間違っている。『差別化』というコンセプトを口では賞賛しながらも、実際には違いではなく、類似性ばかりが目立つブランドを生み出し続けているのだから。・・・『わが社のブランドは他社とは違います』と伝えてみても、企業も顧客もそうではないとわかっている。誰もが同じ流れの中を漂っている。」(159頁~160頁)
「消費者と同じ目で見ることが重要なのだ。消費者の目にはぼんやりとカテゴリー全体が見えるだけで、個々のブランドは映っていない。この不鮮明さから抜け出すこと。それが『違っている』ということなのだ。」(161頁)
なるほど。
企業の目が競合他社に向いていると、「差別化」がおかしな方向に行ってしまいます。
消費者にとっては、「そんな差別化、どうだっていいよ」と思ってしまうのです。
「差別化」という言葉だけが独り歩きし、消費者、顧客の目線はいずこへ・・・という状況です。
「消費者と同じ目で見ること」が難しいのですけどね。
「差別化」という言葉と同様に、「消費者と同じ目で見る」という言葉がモットーとなってはいるものの、実際に、消費者と同じ目で商品やサービスを考えることは、とても難しいのです。
業界に入り込めば入り込むほど、一般消費者や顧客の心がわからなくなってくるのです。
「消費者と同じ目で見る」ってどういうことなんだろう?
この疑問に対する答えとなるヒントも、いろいろな本に載っています。
少しのヒントとたくさんの試行錯誤が、この壁を突破するカギになるのだと思っています。