Monthly Archives: 1月 2012

配転・出向・転籍12(オリンパス事件)

おはようございます。

今日は、内部通報を理由とした配転の有効性に関する裁判例を見てみましょう。

オリンパス事件(東京高裁平成23年8月31日)

【事案の概要】

Y社は、デジタルカメラ、医療用内視鏡、顕微鏡、非破壊検査機器(NDT)等の製造販売を主たる業とする会社である。

Xは、Y社に正社員として入社し、平成19年4月から、IMS事業部国内販売部NDTシステムグループにおいて営業販売業務の統括責任者として業務に従事していたところ、取引先からY社関連会社に従業員が入社した。

これについては、Xは、取引先の取締役から、当該従業員と取引先の従業員と連絡を取らせないように言われるなどし、更に、2人目の転職者が予定されていることを知った。

Xは、上司に対し、2人目の転職希望者の件はとりやめるべきであるなどと言った。

これに対し、上司は、Xが上司に提言しに来たのは大間違いなどと電子メールで返信した。そこで、Xは、Y社のコンプライアンス室長らに対し、取引先からの引き抜きの件を説明し、引き抜きがまだ実行されるかもしれない、顧客からの信頼失墜を招くことを防ぎたい等と相談した。

その後、Y社は、Xに対し、IMS企画営業部部長付きとして勤務する旨命ずる配転命令をした。

Xは、この配転命令の効力を争うとともに、この配転及び配転後にXを退職に追い込もうとしたことが不法行為を構成するとして慰謝料等を請求した。

【裁判所の判断】

配転命令は無効

【判例のポイント】

1 本件内部通報は、少なくとも運用規定第4条(1)の行動規範(第1章第2項「企業活動を展開する上で、企業活動を行なう国や地域の法令や文化、慣習を理解することに努めます。したがって、法令はもとより、倫理に反した活動や、これにより利益を得るような行為はしません。」との規定)に反する、または反する可能性があると感じる行為に該当するし、さらには運用規定第4条(2)の「業務において生じた法令違反等や企業倫理上の疑問や相談」にも該当する。したがって、コンプライアンス室のEらは、Xの秘密を守りつつ、本件内部通報を適正に処理しなければならなかったというべきである。

2 Xの本件内部通報を含む一連の言動がXの立場上やむを得ずにされた正当なものであったにもかかわらず、上司であるY2はこれを問題視し、業務上の必要性とは無関係に、主として個人的な感情に基づき、いわば制裁的に第1配転命令をしたものと推認でき、第1配転命令は、Xの内部通報をその動機の一つとしている点において、通報による不利益取扱いを禁止した運用規定にも反するものである

3 ・・・第2配転命令がXの本件訴訟提起後に、第3配転命令が第2配転命令の9か月後にされたものであること、各配転命令による配置先におけるXの担当職務は、第1配転命令前のXの経歴にそぐわないものであること等をしんしゃくすると、第2配転命令及び第3配転命令は、いずれも本来の業務上の必要性やXの適性とは無関係に、第1配転命令の延長としてされたものと推認できる。

4 第1配転命令及び第2配転命令は、いずれも被控訴人が人事権を濫用したものであり、第3配転命令もその影響下で行われたものであって、これらにより。Xに昇格・昇給の機会を事実上失わせ、人格的評価を貶めるという不利益を課すものであるから、被控訴人の上記行為は、不法行為法上も違法というべきである。

今、注目を集めているあのオリンパスでの労働事件です。

オリンパス事件の地裁判決については、配転・出向・転籍1で既に検討したところです。

1審では、配転命令は有効と判断されましたが、控訴審では、無効と判断しました。

当然会社側は、上告しています。

個人的には、高裁の判断の方がしっくりきます。

最高裁はどのように判断するでしょうか。 

次回、社労士勉強会では、この事件を題材にしたいと思います。

実際の対応については顧問弁護士に相談しながら行いましょう。

本の紹介37 ドラッカーが教える問題解決のセオリー(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日も本の紹介です。
ドラッカーが教える 問題解決のセオリー
ドラッカーが教える 問題解決のセオリー

とりあえずドラッカー本は、ひとまずこの本で打ち止めとします。

合計6冊読んでみました。

また1年後に読み返してみたいです。

そのときには、今とは違う感じ方をするのでしょう。

この本は、題名のとおり、「問題解決」についてドラッカーさんの考え方がまとめられています。

この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

決定を行動に変えなければならない。(中略)もっとも時間がかかる部分は、成果をあげるべく決定を行動に移す段階である。」(113頁)

これは、ドラッカーさんの「プロフェッショナルの条件」という本の一節です。

「決定を行動に変える」。 

もうあまりコメントはいらないですね。

決断したら、実行する。 実行しなければ決断した意味がありません。

何をしていても不安な世の中だからこそ、どんどん実行していかなければならないのです。

能力の問題ではなく、勇気の問題だと思います。

若手弁護士のみなさん、若手経営者のみなさん、お互いがんばっていきましょう!!

本の紹介36 プロフェッショナルサラリーマン(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日も本の紹介です。
プロフェッショナルサラリーマン ― 「リストラ予備軍」から「最年少役員」に這い上がった男の仕事術
プロフェッショナルサラリーマン ― 「リストラ予備軍」から「最年少役員」に這い上がった男の仕事術

著者の成功体験に基づく本です。

きっとこの著者もドラッカーさんの本などをたくさん読んでいるのだと思います。

これからのし上がろうと思っている方は、読んだらいいんじゃないでしょうか。

この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

上司というのは、仕事ができる部下には抽象的な指示を出します。余計なことは言いません。
『これさあ、こうだったらいいよね、俣野ちゃん』というような世界です。つまりビジョンは共有するけれど、そこに至るまでのプロセスは任せるよ、ということです。
つまり、上司に抽象的な指示を出されるようになったら喜んでいい。ある程度自分の裁量で人や物やお金が動かせるということは、ひとり立ちの一歩手前くらいまで来ているということです。
」(151頁)

経営者や上司のみなさんは、理解できるところだと思います。

いわゆる「部下」のみなさん、上司は、このように思っていますよ。

「この上司、抽象的な指示しか出さないな・・・。まったく能力のない上司だな~」ではないのです。

安心して仕事を任せられない部下には、事細かに指示を出すものです。

裁量を与えるのが怖いからです。

抽象的な指示しか出なくなったら、「上司に認められた」証拠です。 そう考えましょう。

逆もしかり。

「この上司、いちいち細かいことまで指示してくるよ・・・。そんなことわかってるって!」ではないのです。

上司だって、いちいち細かいことまで指示なんてしたくないのです。

時間の無駄ですから。 他の仕事をしたほうがよほど効率的です。

詳細な指示が出ているということは、まだ上司から認められていない証拠です。

いちいち細かいことまで指示されたくなければ、上司を変えるのではなく、自分を変えるべきです。

上司に信頼されたら、「あとは君に任せるよ。」と行ってもらえるはずです。

本の紹介35 実戦ボトムアップ・マーケティング戦略(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は本の紹介です。

実戦ボトムアップ・マーケティング戦略
実戦ボトムアップ・マーケティング戦略

年末年始、マーケティングに関する本を読み漁りました。

10冊も20冊もマーケティングの本を読んでいると、だんだん共通する部分が見えてきます。

ここまでくると完全に確認作業です。

読み手の心に響くのは、抽象的な表現ではなく、具体的な事例だということがよくわかります。

これは、セミナー等でも同じことがいえますね。

この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

戦術を戦略に組み入れることは例外なく変更を加えることを意味する。・・・加えなければならない変更点は市場そのものではない。変えなければならないのは、自社あるいは自社商品である。
何が変えられず、何が変えられるのか。市場は変えることができない。マーケティング上取り組んでも市場の構造や顧客の購入様式はたいして変えることはできず、見込み客の心を変えることなど実質的には不可能である。
」(168頁)

これは非常に重要な点です。

現状を変えようと思ったときに、どの部分を変えるのか。

結果、変えられない部分を必死に変えようと思っても、徒労に終わります。

「自社あるいは自社商品」を変えることはできます。 当然のことです。

これに対し、「市場」や「見込み客の心」を変えるは実質的には不可能であるということです。

問題はここからです。

この抽象的な表現を、いかに自分の仕事に落とし込むかがポイントです。

陥りがちな過ちは、自社商品を変更する際、「業界人目線」で良し悪しを判断してしまうということです。

例えば、弁護士の目線で法律事務所のサービス内容の良し悪しを判断すると、判断を誤る可能性があります。

なぜか?

それは、判断の前提が、顧客と大きく異なるからです。

弁護士(業界人)の「当たり前」や「常識」は、顧客(非業界人)のそれとは明らかに異なります。

この認識の差は、業界に入ってからの時間と比例して広がっていきます。

自社商品を変更する際は、顧客、つまり非業界人の視点で検討をしなければいけません。

業界人にとっては、「そんなの、意味あるの?」というサービスも、非業界人にとっては大いに意味があるということはいくらでもあります。

日ごろから、このあたりを意識してさまざまな業界のサービスを観察していると、ヒントはたくさん転がっていますよ。

本の紹介34 ドラッカー入門(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日も本の紹介です。
ドラッカー入門―万人のための帝王学を求めて
ドラッカー入門―万人のための帝王学を求めて

ドラッカー本、5冊目です。

もう少し読んだら、ひとまず打ち止めにしようと思います。

題名にもなっているとおり、入門書です。

最初に読むにはいい本です。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

他社にはうまくできないが、わが社にはさしたる苦労なしにできるものは何かを問わなければならない。同時に、他社にはさしたる苦労なしにできるが、わが社にはうまくできないものは何かを問わなければならない。」(149頁)

これは、ドラッカーさんの「創造する経営者」という本の一節です。

自己分析は、とても難しいです。

また、自己分析をしても、それが正しい分析なのかよくわかりません。

だったら、他の人に分析してもらえばいいのです。

自社のいいところ、改善すべきところは、自分で分析するのとともに、他の人、例えば、友人、知人、事務所スタッフに意見を出してもらうのが一番です。

問題は、率直な意見を言ってくれる人がどれだけいるかということです。

先日、福井で弁護士をやっている同期から電話があり、私の事務所のホームページの改善点を言われました。

U君、ありがとう。 すでに担当者と打合せをしましたよ。 変更するまでにちょっと時間かかるかもしれませんが・・・。

また、私の事務所では、毎朝ミーティングをしていますが、そこで、私のアイデアを発表し、スタッフに意見を聞いたり、スタッフからアイデアを出してもらったりしています。

あと、もう1つ。

他人から意見を言われたら、なんでもかんでもその意見に従うべし、とまでは思いません。

やはり、自分でその意見に「なるほど」と納得しなければ、気が進まないわけですから。

また、どうしてもここだけは譲れないという点があるのは、よくわかります。

ただ、他方で、あまり頑固になってもいけません。

結局は、うまくバランスと取りながら、やっていくのがいいのだと思います。

本の紹介33 トレードオフ-上質をとるか、手軽をとるか(企業法務・顧問弁護士@静岡)

こんにちは。

さて、今日は、本の紹介です。
トレードオフ―上質をとるか、手軽をとるか
トレードオフ―上質をとるか、手軽をとるか

この本は、題名通りの内容です。

さまざまな例を取り上げて、説明しています。

要するに「中途半端はダメよ。どちらかにしなさい。」ということです。

上質か、手軽か、どちらかに決めたら、とことん決めた方向で攻めなさいという話です。

とにかく読んでいておもしろいです。

おすすめです。

この本で、「いいね!」と思ったのはこちら。

上質さと手軽さ、どちらも秀逸ではない商品やサービスは、『不毛地帯』に追いやられかねない。消費者にどっちつかずの経験しか提供できないのだ。」(26頁)

多くの企業の期待とは裏腹に、上質さと手軽さの両面で卓越するのは不可能なようだ。この双方を満たす状況には心くすぐるものがあり、『そこにたどり着ける、そうすれば素晴らしい繁栄を謳歌できるだろう』と期待をかける企業もある。だが、現実には、二兎を追う企業や商品は幻影を見ているにすぎず、経営資源や時間をムダにした挙げ句に迷走するだろう。」(27頁)

筆者が言っていることは、それほど難しいことではありません。

しかし、筆者が言う「トレードオフ」を確実に実行することができていない会社、あるいは途中からできなくなってしまう会社がとても多いのです。

「上質さ」と「手軽さ」の両方の市場を攻めたくなってしまうのです。

会社のカラーや理念と整合性が保てないサービスや行動を採用してしまうと、顧客は、わけがわからなくなってしまいます。

あらゆる層の顧客をターゲットとしたい衝動にかられるのはよくわかります。

しかし、この衝動に従ってしまうと、結局、すべてが中途半端に終わってしまいます。

「増やしていく」よりも「捨てる」ことの方がよほど難しいのです。

「捨てる」には勇気が必要ですから。

さて、弁護士業界でこの「トレードオフ」の考え方を取り入れるためには、どこに着目し、どのような具体策を展開していけばいいでしょうか。

私の事務所では、今月末から、早速、具体的なサービスを開始します。

御期待ください。

本の紹介32 ドラッカーが教える実践マーケティング戦略(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は、本の紹介です。
ドラッカーが教える 実践マーケティング戦略
ドラッカーが教える 実践マーケティング戦略

ドラッカー本4冊目です。

この本は、ドラッカーのマーケティングに関する書籍をまとめたものです。

マーケティングの原理原則が書かれており、大変勉強になります。

この本で、「いいね!」と思ったのは、こちら。

われわれの事業とは何かを知るためには、われわれの顧客とはだれか、顧客はどこにいるか、顧客はどんな買い方をするか、顧客を獲得するにはどうしたらよいか、といった問題を、まず解決しなければならない。(『現代の経営』)」(149頁)

これは、セグメンテーションの切り口の問題です。

私も、この年末年始、今年の事務所の経営方針を考える際、いろいろと検討しました。

そして、いくつかの点について、仮説を立ててみました。

今月末から、早速、この仮説が正しいか検証に入ります。

また、月末に報告します。

大切なのは、決断し、「実行」することです。 決めたらすぐ実行に移しましょう。

本の紹介31 成功の法則92ヶ条(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は、本の紹介です。
成功の法則92ヶ条
成功の法則92ヶ条

前回に引き続き、楽天社長の三木谷さんの本です。

この本も少しの本ですが、読み返してみると、以前読んだときと印象が違います。

今置かれている状況によって、読み手の受ける印象がこうも変わるんだな、と思いました。

三木谷さんも「はじめに」で書かれているとおり、「成功のコンセプト」は、三木谷さんの「成功哲学の総論」という位置付けです。

今回の本は、「各論」というわけです。

実際、内容も、「各論」として、具体的な内容が書かれています。

とてもいい本です。

文章がうまいので、読んでいてストレスがまったくありません。

この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

バランスを失って、倒れることを恐れてはいけない。子供は転びながら、歩き方を覚える。歩き始めて半年も経てば、もうめったなことでは転ばなくなる。
僕が楽天市場を始めたとき、インターネットのショッピングモールなんてアイデアは陳腐で時代遅れだとすら言われた。そう言っていた人たちが、10年後の今、何と言っているか。
世の常識なんていい加減なのだ。絶対に正しい考え方など存在しない。
常識を疑い、常識に反することを恐れず、自分の信じる道を進もう。
概念は常に、揺らぎながら進化していくのだ。
」(16頁)

まさに「起業家精神」ですね。

「概念は常に、揺らぎながら進化していく」。 いい言葉ですね。

個人的には、5年後、10年後、今の業界の常識が非常識になる日が来るのだと確信しています。

流れというのは、突然変わるものではなく、徐々に変わっていくものです。

よーく見ていないと、いつの間にか、状況が変わってしまいます。

常識が非常識になる日が来るのを楽しみに、これからも仕事をしていきたいと思います。

これから5年間は、これでもかというくらい仕事をしようと思います。

解雇60(静岡フジカラーほか2社事件)

おはようございます。

さて、今日は、事業譲渡と整理解雇に関する裁判例を見てみましょう。

静岡フジカラーほか2社事件(東京高裁平成17年4月27日・労判896号19頁)

【事案の概要】

Y1社は、営業の全部をY2社に譲渡して解散したことに伴い、Y1社に勤務していたXらを解雇した。

Xらは、本件解雇が不当労働行為又は解雇権の濫用により無効であると主張するとともに、Y1社、Y2社の親会社であるY3社に対し、違法な営業譲渡契約を締結させたとして不法行為に基づく損害賠償を請求した。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 Xらは、本件ではY1社の正規従業員の半数についてY2社への雇用が決定されたことにつき、その経営上の必要性について労働組合との交渉で一切説明がなく、整理解雇法理の要件の一つである差し迫った必要性を欠き、Y1社は希望退職の募集を一切行っていないことから整理解雇要件の一つである解雇回避努力をも欠く旨を主張する。しかし、Y1社の経営が危機的状況にあり、会社は、経営協議会や団体交渉等で、関係資料も交付してこれを説明していたことは前記のとおりであること、希望退職募集を行っていないことは主張するとおりではあるが、これを行うことが経営上困難であったことも前記のとおりであって、Y1社に会社解散、営業譲渡、全員解散の必要性がなかったということはできないし、その回避努力を欠くということもできず、上記主張は理由がない

2 Xらは、Y1社の解散、全員解雇、Y2社への労働契約不承継条項付きの営業譲渡、Y2社における半数雇用という一連の事態の中で整理解雇が行われたものであって、整理解雇の要件を欠いている旨を主張するが、本件がいわゆる整理解雇とは事案を異にすることは前記のとおりであり、仮に、整理解雇の要件具備を要するとしても、これを充足すると認められることは前示のとおりである。

事業譲渡においては、基本的に、他の権利義務と同様に特定承継となります。

そのため、労働契約の承継については、譲渡会社と譲受会社との間の個別の合意が必要とされます。

また、民法625条1項により、承継には労働者の個別の同意が必要です。

最近の裁判例も、労働契約の承継については、このように考えるのが多数です。

もっとも、裁判所は、この原則を貫くと具体的妥当性を保てないと考える場合、例外的に、明示の合意がなくても、黙示の合意の推認や法人格否認の法理等を用いて、妥当な解決を図ろうとします。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介30 成功のコンセプト(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日も引き続き本の紹介です。
成功のコンセプト
成功のコンセプト

楽天社長の三木谷さんの本です。

少し前の本ですが、気になって読み返してみました。

2007年に出版された本なのですが、その頃に読んだ印象と、今、読み返しての印象は、やはり違いました。

言葉では表現しづらいですが、5年前より、三木谷さんの言っていることに共感できるというか、理解できるというか・・・。

サイバーエージェント社長の藤田さんや今回の三木谷さんのように、自分でがんばって会社を大きくしていった方の本は、とても参考になります。

共通する点がたくさんあるので、参考にしやすいのだと思います。

この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

最初に極論を言おう。
ビジネスで成功するかどうかの鍵は、結局のところ、仕事を人生最大の遊びにできるかどうかだ。
」(65頁)

僕が捉えているプロフェッショナルとは、1日24時間、1年365日、どこにいて何をしていても仕事のことを考えている人のことだ。」(68頁)

藤田さんにしても三木谷さんにしても、めちゃくちゃ仕事をしています。

「仕事を人生最大の遊びにできるかどうか」という発想は、よく理解できます。

なんだかんだ言って、結局、仕事しているとき、仕事のことを考えているときが一番楽しいのです。

「仕事中毒」? そうなのかもしれません。

仕事をしすぎるとあまりよろしくない評価を受けることもあります。

評価なんてどうでもいいのですが。

ただ、サッカー選手や野球選手が、どれだけ練習しても、「仕事中毒ですね」とは言われないわけです。

「プロ意識が高い」と評価されるのではないでしょうか。

僕は、まだゴルフや旅行を満喫するのは当分先でいいです。

老後にとっておきますよ。